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三菱自動車、2016年度通期見通しで営業利益がマイナス276億円の赤字転落

11月28日から軽自動車の生産ライン2直化を再開

2016年10月28日 発表

三菱自動車工業株式会社の2016年度 第2四半期(2016年4月1日~6月30日)決算説明会。左から、経営企画本部長の横澤陽一氏、取締役 副社長執行役員の池谷光司氏、経理本部長の野田浩氏

 三菱自動車工業は10月28日、2016年度第2四半期(2016年4月1日~9月30日)連結決算を発表。期中の売上高は8649億円(前年同期比19%減)、営業利益は316億円の赤字、経常利益は282億円の赤字、四半期純利益は燃費不正関連の損失として特別損失1662億円を計上するなど2196億円の赤字となった。

 営業利益では、日本での燃費不正問題による軽自動車の生産・販売停止の影響、ユーザーへの補償等、市場措置費用の増加、円高による為替悪化の影響があった。

 2016年度通期の連結業績見通しについては、売上高1兆8400億円(前年度比19%減)、営業利益はマイナス276億円と赤字転落、経常利益もマイナス282億円と赤字、当期純利益はマイナス2396億円と赤字が拡大する見通し。

 同日、取締役 副社長執行役員の池谷光司氏、経営企画本部長 横澤陽一氏、経理本部長 野田浩氏が決算説明会に出席して決算の概要を説明した。

 期中の販売台数については、グローバルで43万6000台(前年同期比8万5000台減、16%減)。地域別では日本では燃費不正問題の影響で2万9000台(同1万7000台減、37%減)となり、そのほか北米地域は6万9000台と前年並みを維持したものの、欧州が9万台(同13%減)、アジアが14万台(同8%減)と販売が落ち込み、その他地域として中東、中南米では、原油安による景気低迷により前年同期比4万2000台減(同28%減)となる10万8000台と影響が大きかったとした。

三菱自動車工業株式会社 取締役 副社長執行役員の池谷光司氏

 一方、国内の生産販売の状況について、10月の受注状況については、登録車で(前年比)142%、軽自動車で(前年比)105%と、前年オーバーを見込む。また、生産体制についても軽自動車のラインについては11月28日から2直化を再開することが明かされた。

 燃費不正問題で対象となるユーザーへの補償の進捗については、対象となる28万件のユーザーにダイレクトメールの発送は済ませたといい、軽自動車2車種のユーザーからは約7割の申請があり、登録車5車種では約6割の申請があることを明かした。池谷氏は「書類審査等を迅速に処理するため10月以降は120名体制に増員した。この問題は信頼回復に向けて最優先でやるべきことで、全社を挙げて対応していきたい」と、早期解決に向けて取り組む姿勢を示した。

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