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米キー・セイフティー・システムズ、タカタの実質的全資産および事業を約1750億円で取得

この事業統合により自動車安全産業におけるグローバルリーダーに

2017年11月21日 発表

6月26日の記者会見に臨んだタカタ幹部

 タカタと米キー・セイフティー・システムズ(KSS)は11月21日、タカタグループが全世界で保有する資産および事業をKSSに譲渡することで最終合意に至ったと発表した。譲渡価格は総額15億8800万米ドル(約1750億円)。

 タカタは6月26日の取締役会において民事再生手続開始の申し立てを行なうことを決議。同日に東京地方裁判所に申し立てを行ない、受理された。タカタはその際、外部専門家委員会からスポンサー候補として推薦を受けたKSSの支援のもとで事業再建を図ることを発表しており、KSSがタカタの海外を含む実質的全資産および事業を15億8800万米ドルで取得することがアナウンスされていた。

 今回の発表は6月26日に締結したKSSとタカタの基本合意に準ずるもので、KSSはタカタの相安定化硝酸アンモニウム(PSAN)を採用したエアバッグインフレータ(ガス発生装置)の製造および販売に関する一部の資産および事業を除き、実質的にすべての資産を取得。PSAN関連事業は再編後のタカタによって運営されるが、最終的には清算される予定という。

 この事業統合により、KSSは世界23カ国で事業を展開し、売上高70億米ドル(約7710億円)を見込み、従業員約6万名を擁する自動車安全産業におけるグローバルリーダーになるとのこと。KSSはタカタの日本事業を継続的にサポートし、事業統合に向けてタカタの従業員や日本内外の製造拠点と一丸となって取り組む姿勢を見せている。

 今回の発表について、タカタ 代表取締役会長兼社長の高田重久氏は「KSSとの間で本最終合意に至ったことを大変嬉しく思います。これは、事業譲渡手続きの完了およびこのプロセスを始める際に定めた目的の達成に向けた重要な1歩です。当社にとっての最優先事項は、お客様に対して、市場措置の対象となっている車両向けの改修キットを含む製品を安定供給すること、および当社の従業員の安定雇用を確保することです。当社は、統合後の事業が全世界に跨がる自動車業界において長期的な成長を遂げていくことを確信しております」とコメント。

 また、KSSのユーシン・タン社長は「タカタの事業の買収は、KSSの1世紀にわたる自動車業界への貢献と完全に適合するものであり、統合後においては、全世界のお客様に対して製品を供給するとともに、急速に変化する自動車安全業界に対してより優れた製品やイノベーションをもたらすことが可能となるでしょう。私達は、協調の精神をもって本取引に臨んでおり、今後は、KSS、タカタ双方の役員および従業員が、統合の初期段階から戦略的な統合実施の段階に至るまで、共に重要な役割を担っていくものと考えております。本取引の完了と統合後の新会社の成長へ向けた次のフェーズへと進めることを楽しみにしております」と述べている。