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マツダ、「アテンザ」の大幅商品改良。走行性能、静粛性、安全性能が深化

SKYACTIV-G 2.5に気筒休止技術を、SKYACTIV-D 2.2に急速多段燃焼技術を採用

2018年6月21日 発売

282万9600円~419万400円

大幅商品改良が行なわれたアテンザセダン/ワゴン

 マツダは、フラグシップモデル「アテンザ」(セダン/ワゴン)の大幅商品改良を行ない、5月24日から予約受注を開始した。正式発売は6月21日の予定。価格は282万9600円~419万400円。

 2012年11月に発売されたアテンザではこれまで3回の改良が行なわれているが、4回目の今回は最新・最良のフラグシップモデルであるためにデザイン、走行性能、安全性能などを大幅に進化。改良のポイントは「さらなる深化を遂げ、洗練を極めたフラグシップモデルとしてのデザインと質感」「全領域を熟成させ、さらに深めた走りの質感」「進化したSKYACTIVエンジンラインアップ」「フラグシップモデルの安心を支える、優れた安全性能」「安心感と快適性のさらなる深化」の5点を掲げた。

アテンザセダン/ワゴングレード一覧
モデルエンジン変速機駆動方式価格
20S直列4気筒DOHC 2.0リッター(SKYACTIV-G 2.0)6速AT(SKYACTIV-DRIVE)2WD(FF)2,829,600円
20S PROACTIVE2,959,200円
25S L Package直列4気筒DOHC 2.5リッター(SKYACTIV-G 2.5)3,542,400円
XD直列4気筒DOHC 2.2リッターディーゼル(SKYACTIV-D 2.2)6速AT(SKYACTIV-DRIVE)2WD(FF)3,240,000円
6速MT(SKYACTIV-MT)3,294,000円
6速AT(SKYACTIV-DRIVE)4WD3,477,600円
6速MT(SKYACTIV-MT)3,531,600円
XD PROACTIVE6速AT(SKYACTIV-DRIVE)2WD(FF)3,369,600円
6速MT(SKYACTIV-MT)3,423,600円
6速AT(SKYACTIV-DRIVE)4WD3,607,200円
6速MT(SKYACTIV-MT)3,661,200円
XD L Package6速AT(SKYACTIV-DRIVE)2WD(FF)3,952,800円
6速MT(SKYACTIV-MT)
6速AT(SKYACTIV-DRIVE)4WD4,190,400円
6速MT(SKYACTIV-MT)
アテンザセダンのボディサイズは4865×1840×1450mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2830mm
アテンザワゴンのボディサイズは4805×1840×1480mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2750mm
セダン/ワゴンのトランクおよびラゲッジスペース

 まずデザインについて、エクステリアではフロントバンパーやグリルを変更して立体感や広がり感を強調。ヘッドライトは薄くワイドな造形と線表現の発光で、精悍さを高めるデザインとした。また、17インチ、19インチホイールとも大径感と立体感を強めた新デザインに変更したほか、セダンのリアエンドパネルとガーニッシュを水平基調の造形とし、落ち着き感を表現した。加えてセダンではトランクリッドやリアバンパー、ワゴンではバンパーも変更を受けている。

 また、ヘッドライトまわりのレンズの縁をブラック化したほか、マットガードをより黒くしたり、リアコンビネーションランプ側面の穴の減少したり、リアシグネチャーの分割をなくすといった細かな作り込みも行なわれている。

新型アテンザではフロントバンパーやグリルを変更するとともに、ヘッドライトは薄くワイドな造形と線表現の発光で、精悍さを高めるデザインにスイッチ。17インチ、19インチホイールともに大径感と立体感を強めた新デザインに変更している。そのほか細かいところでは、リアのバンパー下部がボディ同色になるとともに、エキゾーストパイプの径を拡大している
ボディカラー一覧。従来の「ソウルレッドプレミアムメタリック」は「ソウルレッドクリスタルメタリック」に変更された

 インテリアでは、インパネやドアトリムなどのデザインを大幅に変更してエレガントさや質感の向上を果たしたほか、上級グレードの「L Package」ではナッパレザーシート、東レの「ウルトラスエード ヌー」、和太鼓などに用いられる栓(せん)の木を用いた本杢パネルなど、本物の素材にこだわりつつ日本の伝統美に通ずる色合いを用いた。ナッパレザーシートでは、マツダ車として初めてシートベンチレーション機能(フロントシート)を追加している。

 また、アクティブ・ドライビング・ディスプレイが現行ではコンバイナタイプのところウィンドウシールドタイプに変更されるとともに、メーターディスプレイのレイアウト変更を実施。さらにダッシュボード上のセンターディスプレイは、従来の7インチから8インチへと拡大するとともに、コントラストが従来比で約2倍に向上した。

インパネやドアトリムなどのデザインを大幅に変更。ダッシュボード上のセンターディスプレイは従来の7インチから8インチへと拡大

 そのほか、分割をなくしたフロントコンソール、Aピラートリムとインパネの隙間の減少、傷に強い材質を用いたシフトパネルまわり、フレームレスルームミラー、コマンダー/空調/アウターミラースイッチ全周にダイヤモンドカットを施すといった細かな改良も行なわれた。

 加えて、インテリアで使用するLEDランプの色をやや黄色がかった落ち着いた色に変更するとともに、ドアカーテシ―ランプやフットランプの追加、バニティミラー照明の位置を上部に移動、ドアポケットの追加などで質感や利便性を向上。さらにセンターコンソールの横剛性を従来比で50%高めて膝で感じる質感を高めたり、中身の重さによらず一定速度で開くグローブボックスを採用したりするなど、細部にわたって進化を遂げている。

オリエンタルブラウンのインテリアカラー
ピュアホワイトのインテリアカラー
6速MT(左)と6速AT(右)のシフトノブ。シフトパネルまわりには傷に強い材質を採用
コマンダー/空調/アウターミラースイッチの全周にダイヤモンドカットを施した
インパネやドアまわりに東レの「ウルトラスエード ヌー」を採用
前後シートとも形状を変更
マツダ車として初めてシートベンチレーション機能(フロントシート)を採用
メーターまわりでは中央部に7インチTFTカラー液晶を採用
ドアカーテシ―ランプやフットランプを追加

 走行性能については、よりリニアなクルマの挙動と質感の高い乗り心地を実現するべく前後サスペンションシステムを一新。「サスペンションをしっかりとストロークさせること」「微小領域からしっかりと減衰させること」を目的に、ボディ側のサスペンション取り付け部の局部剛性を大幅に高めるとともに、前後バネ定数の特性変更、フロントダンパーの大径化、リアトップマウントのウレタン材採用(従来はゴム)、G-ベクタリング コントロール(GVC)や電動パワーステアリングの最適化も図られた。

 また、装着するブリヂストン「TURANZA(トランザ)」も開発し直され、サイド部は上下方向にしなやかにして滑らかな入力に、トレッド部は剛性を高めてねじれを抑えつつ連続的で滑らかな応答特性へと進化。製品名も従来の「TURANZA T001」から「TURANZA T005A」へと変更を受けている。

 これら引き締まったサスペンションと最適化されたタイヤにより、新型アテンザでは路面の入力を受けたときにタイヤからサスペンションへの入力が連続的になり、滑らかに乗り越えることが可能になったという。

ボディ補強の個所
サスペンションシステムの主な変更個所
新デザインの17インチ&19インチアルミホイール

 NVH(ノイズ、振動、ハーシュネス)については「声が透る洗練された空間」をコンセプトに、これまでの商品改良ではできなかった車体にまで踏み込んだ対策を実施。具体的にはフロアパネル、フロントウィンドウ、リアホイールハウスのインナーパネルの板厚アップが行なわれるとともに、ワイパーのフラット化、Bピラーガーニッシュの段差縮小、各ピラートリム内への吸音材追加、トンネル部のパネルへの制振材追加といった多岐にわたる施策を実施。加えてトップシーリング(ルーフ内装)の一部を不織布からウレタンに変更するとともに、厚みを増すことで車室内の音が速やかに減衰する空間を実現している。

トップシーリングの一部を不織布からウレタンに変更するとともに、厚みを増すことで車室内の音が速やかに減衰する空間を実現

 エンジンはガソリンの直列4気筒DOHC 2.0リッター「SKYACTIV-G 2.0」と直列4気筒DOHC 2.5リッター「SKYACTIV-G 2.5」、そして直列4気筒DOHC 2.2リッターディーゼル「SKYACTIV-D 2.2」とラインアップに変更はないが、SKYACTIV-G 2.5には気筒休止技術を、SKYACTIV-D 2.2には急速多段燃焼技術をそれぞれ採用。SKYACTIV-D 2.2では、従来の最高出力129kW(175PS)/4500rpm、最大トルク420N・m(42.8kgf・m)/2000rpmから、最高出力140kW(190PS)/4500rpm、最大トルク450N・m(45.9kgf・m)/2000rpmへと進化した。

WLTCモード燃費
モデルエンジン変速機WLTCモード燃費WLTCモード燃費(市街地モード)WLTCモード燃費(郊外モード)WLTCモード燃費(高速道路モード)
20S直列4気筒DOHC 2.0リッター(SKYACTIV-G 2.0)6速AT(SKYACTIV-DRIVE)15.0km/L11.7km/L15.4km/L17.2km/L
20S PROACTIVE
25S Lパッケージ直列4気筒DOHC 2.5リッター(SKYACTIV-G 2.5)14.2km/L10.6km/L14.5km/L16.8km/L
XD直列4気筒DOHC 2.2リッターディーゼル(SKYACTIV-D 2.2)6速AT(SKYACTIV-DRIVE)17.8km/L13.9km/L17.6km/L20.8km/L
6速MT(SKYACTIV-MT)19.6km/L16.5km/L19.3km/L21.9km/L
6速AT(SKYACTIV-DRIVE)17.0km/L13.6km/L16.6km/L19.6km/L
6速MT(SKYACTIV-MT)18.8km/L16.6km/L18.4km/L21.0km/L
XD PROACTIVE6速AT(SKYACTIV-DRIVE)17.8km/L13.9km/L17.6km/L20.8km/L
6速MT(SKYACTIV-MT)19.6km/L16.5km/L19.3km/L21.9km/L
6速AT(SKYACTIV-DRIVE)17.0km/L13.6km/L16.6km/L19.6km/L
6速MT(SKYACTIV-MT)18.8km/L16.6km/L18.4km/L21.0km/L
XD Lパッケージ6速AT(SKYACTIV-DRIVE)17.8km/L13.9km/L17.6km/L20.8km/L
6速MT(SKYACTIV-MT)19.6km/L16.5km/L19.3km/L21.9km/L
6速AT(SKYACTIV-DRIVE)17.0km/L13.6km/L16.6km/L19.6km/L
6速MT(SKYACTIV-MT)18.8km/L16.6km/L18.4km/L21.0km/L

 安全性能については、アダプティブ・LED・ヘッドライトのLEDブロックを従来の4分割から20分割に細分化し、ハイビーム照射性能と配光性能が進化。また、マツダ・レーダー・クルーズ・コントロールに停車状態からでも追従走行を可能にする全車速対応の追従機能を追加するとともに、アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポートに夜間歩行者検知機能を新たに追加している。

アテンザに採用する先進安全技術「i-ACTIVSENSE」
安全装備の主な進化点
現行モデル新型モデル
HMI(ヘッドアップディスプレイ)コンバイナタイプフロントウィンドウ投影型
HMI(メーター)4.3インチメーター7インチTFTメーター
HMI(マツコネディスプレイ)7型8型
認知支援(歩行者ブレーキ)夜間非対応夜間対応
認知支援(ALH)4分割20分割
運転支援(MRCC)30-100km/h全車速(Stop&Go)
低速走行支援なし360°ビューモニター