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DS、「第2世代DSモデル」の第1弾となる新型フラグシップSUV「DS 7 クロスバック」発表会
2019年に4輪駆動のプラグインハイブリッドモデルを発売
2018年7月18日 00:00
- 2018年7月17日 開催
DS Automobiles(プジョー・シトロエン・ジャポン)は7月17日、新しいフラグシップSUV「DS 7 クロスバック」を発売。同日に都内で記者発表会を開催した。
DS 7 クロスバックはDSブランド初のSUVモデルで、フラグシップSUVとして「今後続々と登場するDSブランドの未来を象徴するモデル」とされている。全車右ハンドル仕様で、パワートレーンに直列4気筒DOHC 2.0リッターディーゼルターボエンジンと新開発の直列4気筒DOHC 1.6リッターガソリンターボエンジンを採用。「Grand Chic(グランシック)」「So Chic(ソーシック)」の2種類のグレードを用意して、価格は469万円~562万円。
このほか、DS 7 クロスバックの詳細については関連記事の「DS、ブランド初の新型フラグシップSUV『DS 7 クロスバック』。全車コネクテッドパイロット&アクティブスキャンサス装備」を参照していただきたい。
DS 7 クロスバックから「第2世代」のDSモデルがスタート
発表会では最初に、プジョー・シトロエン・ジャポン 代表取締役社長のクリストフ・プレヴォ氏が登壇。プレヴォ氏は冒頭で「DS Automobilesが伝統的なラグジュアリーを新しいエキサイティングな体験へと再定義します。自動車業界に“フランスのラグジュアリーノウハウ”を体現し、日本のプレミアムカー市場にユニークな製品を提供することをわれわれの明確な野心としています」とコメント。
また、DSブランドについて「アヴァンギャルド、卓越性、イノベーションといった魅力を包含するブランドで、確立された慣例に挑み、お客さまの期待を超えることに挑んでいます。そのためにDSブランドでは『類い希なる製品』『パーソナライズしたサービス』『ショールームにおける忘れられない体験』の3つを柱としています」と語り、「これまでに他のブランドではなかったような体験を提供し、新しいオリジナルな製品を、クルマという側面だけでなく、テーラーメイドされたサービスでも提供していきたいと思っています」と解説した。
新たに日本市場に導入することになったDS 7 クロスバックは、まさにそんな自分たちの意思やユニークな提案をプレミアム市場に提供するクルマであり、これは単純に類い希なる製品をローンチさせるだけでなく、DSブランドの重要なマイルストーンになる1台だとプレヴォ氏は述べた。
また、DS 7 クロスバックからスタートする「第2世代」のDSモデルについて、プレヴォ氏は「これこそが、1955年に登場した『最初のDS』から受け継いだイノベーションの価値を提供していくものになります。DSブランドのコアバリューである『アヴァンギャルドな素晴らしいデザイン』『高レベルなテクノロジー』『ニューモデルにおける“パリ的ラグジュアリー”』を洗練されたものとして反映しているのです」とコメントした。
DS 7 クロスバックの4WD PHEVを2019年から市販
また、仏グループPSA DS Automobiles 副社長のエリック・アポッド氏は、日本に先駆けてローンチしたフランス本国などのグローバル市場でDS 7 クロスバックが大きな成功を収め、1万5000台以上を受注して直近の第2四半期で自分たちの販売を32%押し上げることに貢献したと説明。さらにフランスではC-SUVとして1位になったとアピールした。
フランス市場では上級グレードのGrand Chicやフランスで用意している「パフォーマンスラインプラス」がユーザーに好まれており、DS 7 クロスバックに用意されている先進的な装備の装着率が高いことをアポッド氏は紹介。この好調をサポートするため、グローバルで販売ネットワークの拡充を進めており、2018年の上半期は「平均で1日1店」の割合で新しい販売店が世界各地でオープンしており、これまでに340店舗がオープン。日本でも4店舗が増え、2018年末までに540店の販売店がグローバルで営業を開始すると紹介している。
4年前に策定された販売戦略では2018年から年間1台のニューモデルを発表することが計画され、DS 7 クロスバックもこの1台となっており、9月に開催されるパリモーターショーでは「DS 7 クロスバック同等の大成功を収めるニューモデル」として次のモデルが発表予定だと語られた。
さらに今後の予定としてアポッド氏は、DS 7 クロスバックからスタートした第2世代のDSモデルではプラグインハイブリッド、またはフルEV(電気自動車)のモデルをラインアップに加えていき、2025年には内燃機関エンジンのみを搭載した車両は出さず、電動化したモデルに注力していくとコメント。電動化は最もエネルギー効率のよいテクノロジーであり、世界的な環境問題に対応していくために必要なソリューションであり、自分たちがラインアップする走る歓びを提供するハイパフォーマンスモデルは電動化で実現されるとした。
そんな電動化の具体的な例としてアポッド氏は、“まもなく発表されるモデル”として「E-TENSEバージョンのDS 7 クロスバック」を紹介。市販は2019年からとのことで、グループPSAとして初の4輪駆動によるプラグインハイブリッドを実現。パワートレーンでは300HPを発生しつつ、新しい高効率な8速AT(EAT8)トランスミッションを組み合わせ、ゼロエミッションモードで50kmの走行を両立すると明らかにしてプレゼンテーションを締めくくった。
具体的なDS 7 クロスバックの製品解説は、プジョー・シトロエン・ジャポン マーケティング部 商品企画グループ DSプロダクトマネジャーの水谷昌弘氏が担当。
「DS 7 クロスバックはそのモデル名が示すとおり、DSブランド最大の数字を冠したフラグシップであり、同時に初のSUVモデルとなります。最新のDSデザインは、2016年のジュネーブでベールを脱いだコンセプトカー『E-TENSE』に表わされ、第2世代の先陣を切ってデビューするこのモデルに採用されました」と紹介。外観ではリモコンキーで車両のドアをアンロックすると、上級グレードのGrand Chicで標準装備する「DS アクティブLEDビジョン」はユニット内のヘッドライト灯体を1個ずつ180度反転。同時に薄いパープルの光を放つエレガントな演出で乗員を出迎えるという。
また、DSブランドのフラグシップとして、DS 7 クロスバックでは先進的なテクノロジーも積極的に投入。とくにCセグメントのSUVでは世界初採用となる4種類の装備を用意しており、ラグジュアリーブランドとしての卓越した乗り心地を実現するため、路面状況のセンシング技術を活用した「DS アクティブスキャンサスペンション」を全車に標準装備。DS 7 クロスバックは最新のグループPSAモデルに導入されている「EMP2プラットフォーム」を採用しており、フロントウィンドウ上部に設置された「マルチパーパスカメラ」で走行中の前方25mをまでの路面を常時ハイスピードスキャニングし、10mm以上の凹凸を検知。これに合わせて4輪それぞれのダンピングを自動調節して「究極のフラットライド」を実現すると水谷氏はアピールした。
同じく全車標準装備の「DS コネクテッドパイロット」は、アクティブクルーズコントロールとレーンキープアシストを統合した技術で、同一車線内の加減速とステアリング操作をサポート。車線内で中央に限らず、ドライバーが任意のポジションを維持できるようになっており、2輪車のすり抜けなどを想定して車線内の片側に寄せることも可能で、これは他社の従来製品にはない特徴であると水谷氏は解説。
Grand Chicに標準装備、So Chicにオプション設定する「DS ドライバーアテンションモニタリング」では、ステアリングコラムの上に設置された赤外線カメラでドライバーの視線や顔の動き、まばたきの状況などをモニタリングしてドライバーの疲労度や集中力を検知。「ドライバーの疲労を、間接的にではなく直接検知する画期的なシステム」だと水谷氏はコメントしている。
これに加え、Grand Chicにオプション装着可能な「DS ナイトビジョン」はフロントグリルに設定した赤外線カメラで約300m先までの物体を撮影。車両の進行方向に交錯する可能性がある歩行者や自転車、動物などを補足した場合はグレースケール表示する画面内で赤くハイライト表示して危険性をドライバーに通知する。
このほかにDS 7 クロスバックでは、「パリ発のDSがこだわったフランス流のラグジュアリー」として内外装に多彩な加飾を設定。18世紀に考案されて高級機械式腕時計の文字盤加工などの金属加工に用いられる「ギョシェ彫り」の模様をセンターコンソールやドアトリムなどに与えており、「DSのプロダクトの背景には常に歴史や文化、アートがあります」と水谷氏は解説し、このクルマに施された各種装備の意味合いなどについて語った。
最後に水谷氏は「CセグメントSUVにおける最大のボディサイズを提供しつつ、群雄割拠のSUVマーケットにおいて『DSにしかないエモーショナルな商品性』をアピールし、感度の高いお客さまにお届けしたいと考えております」と述べて解説を締めくくった。