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ルノー、新型「メガーヌ ルノー・スポール」発売。新世代1.8リッターターボ+6速デュアルクラッチ採用

4輪操舵システム「4コントロール」、ダンパー・イン・ダンパーなどでパフォーマンス向上

2018年8月30日 発売

440万円

3代目にあたる新型5ドアハッチバック「メガーヌ ルノー・スポール」

 ルノー・ジャポンは8月30日、Cセグメントの新型5ドアハッチバック「メガーヌ ルノー・スポール」を発売した。価格は440万円。

 先代メガーヌ ルノー・スポールは3ドアハッチバックだったが、3代目となる今回のモデルではフォルクスワーゲン「ゴルフ R」、本田技研工業「シビック TYPE R」、プジョー「308 GTi」、アウディ「S3 スポーツバック」、アルファ ロメオ「ジュリエッタ」、BMW「M140i」といった多くのライバルと同様、5ドアハッチバックにスイッチ。

 また、トランスミッションはゲトラグと共同開発した6速デュアルクラッチ式の「6EDC」を採用。6EDCがメガーヌ ルノー・スポールに搭載されるのはこれが初となる。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
メガーヌ ルノー・スポール直列4気筒DOHC 1.8リッター直噴ターボ6速デュアルクラッチ「6EDC」2WD(FF)4,400,000円

パワートレーンは1.8リッターターボ+6速デュアルクラッチに

 2017年のフランクフルトモーターショーで世界初公開された新型メガーヌ ルノー・スポールを、日本にも導入。先代では直列4気筒2.0リッターターボを搭載していたところ、ルノー・日産アライアンスによる新開発の直列4気筒DOHC 1.8リッター直噴ターボ「M5P」型にダウンサイジングしつつ、最高出力は205kW(279PS)/6000rpm、最大トルクは390Nm(39.8kgfm)/2400rpmと従来型を上まわる。

 先ごろ登場したアルピーヌブランドの新型ミッドシップスポーツ「A110」(現時点では50台限定のプルミエール・エディションを日本に導入しており、カタログモデルを9月21日に発表することが予告されている)と同じ型式のエンジンになるが、出力&トルクはA110比で27PS/70Nm増となっている。

新開発の直列4気筒DOHC 1.8リッター直噴ターボ「M5P」型エンジンは最高出力205kW(279PS)/6000rpm、最大トルク390Nm(39.8kgfm)/2400rpmを発生。JC08モード燃費(参考値)は13.3km/Lとしている

 先代モデルのハンドリング特性を上まわるべく、メガーヌ GTにも搭載されるルノー・スポールがチューニングを行なった4輪操舵システム「4コントロール」を採用。これは電子制御のアクチュエーターでタイロッドを動かし、リアタイヤを操舵するというもので、約60km/h未満の低速走行時(レースモードでは約100km/h未満の走行時)は後輪を前輪と逆の方向に向けて回転半径を小さくし、カーブのきついワインディングなどでその効果を発揮。一方、約60km/h以上の高速走行時(レースモードでは約100km/h以上の走行時)は4輪すべてを同じ方向に向け、高速コーナリング時の安定性を高める。リアタイヤの最大切れ角は2.7度。4コントロールはメガーヌ ルノー・スポール向けに専用チューニングされたもので、セッティングには3年の歳月がかかったという。

 また、新型メガーヌ ルノー・スポールのトピックの1つとして、ダンパー底部に内蔵されたセカンダリーダンパーによりリバウンドや振動を抑え、タイヤと路面の接地状態を最適に保つ4輪ハイドロリック・コンプレッション・コントロール(HCC)の採用が挙げられる。これはラリー車で取り入れられている技術を用いたもので、ダンパーが縮んでストローク終端部に近づくと、セカンダリーダンパーのピストンが減衰力を発生し、メインのダンパーロッドストロークを制限することで反力や振動をホイールに伝えない。これにより、路面からの大きな入力時にもタイヤがグリップを失わず、さらにサスペンションのよりリニアな制御を容易にして乗り心地を高めているという。

 そのほか走行性能を高めるアイテムとして、フロントにブレンボ製4ピストンモノブロックキャリパーを採用。フロントブレーキディスクは先代モデルから15mm拡大され直径355mmになるとともに、リアにはTWR製モノピストンキャリパーを装着。タイヤは専用開発されたブリヂストン「POTENZA S001」(タイヤサイズ:245/35 R19)をチョイスしている。また、駆動輪の左右間の回転差を常時監視し、大きな差を検知するとグリップを失いかけている車輪に瞬間的にブレーキをかけ、コーナリング時のグリップを保つ電子制御トルク配分システム「R.S.デフ」も標準装備した。

足まわりにはタイヤと路面の接地状態を最適に保つ4輪ハイドロリック・コンプレッション・コントロール(HCC)を採用するとともに、フロントにブレンボ製4ピストンモノブロックキャリパー、リアにTWR製モノピストンキャリパーを装着。タイヤはブリヂストン「POTENZA S001」。サスペンションはカヤバ製となる

 なお、新型メガーヌ ルノー・スポールでは「コンフォート」「ニュートラル」「スポーツ」「レース」「パーソナル」という5つの走行モードを用意する「ルノー マルチセンス」を搭載。「コンフォート」はエンジン出力、アクセルレスポンス、自動変速操作などで燃費を優先するモード、「ニュートラル」は快適性、安全性、エンジン音のベストバランスを目指したモード、「スポーツ」はアクセルはレスポンス優先で、パワフルなエンジン音とより重いステアリングフィールなど主に高速走行用のモード、「レース」はクローズドコースの走行を前提にESC(横滑り防止装置)を解除し、4コントロールの設定も俊敏性を優先した高速走行用の設定モード、「パーソナル」は各機能を項目ごとに設定できるモードになっている。

「ルノー マルチセンス」では「コンフォート」「ニュートラル」「スポーツ」「レース」「パーソナル」という5つの走行モードを用意

 ボディサイズは4410×1875×1435mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2670mm。エクステリアではメガーヌ GTからフロントを60mm、リアを45mm広げたフェンダーが備わるとともに、F1スタイルのエアインテークブレードにワイドなエアインテークを組み込んだフロントバンパーを採用。

 フロントバンパーにはルノー・スポールモデルであることを示すチェッカーフラッグ型の「R.S.ビジョン」が備わり、スモールランプ、フォグランプ、ハイビームとしての役割を担う。ヘッドライトはLED式で、Cシェイプのデイライト(およびウインカー)が備わる。リアバンパーには一体型ディフューザーに加えてメッキトリムがあしらわれた、歴代メガーヌ ルノー・スポールのシンボルにもなっているセンターマフラーを装着している。

 ボディカラーについては、ルノー・スポールの象徴的なカラーだったシリウスイエローの代わりに「オランジュ トニックM」(15万6600円高の特別塗装色)を採用。「ブラン ナクレM」(2万1600円高の特別塗装色)、「グリ チタニアムM」を合わせて計3色を用意する。

ボディサイズは4410×1875×1435mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2670mm。先代モデル同様、メガーヌ ルノー・スポールは日本での走行テストも実施。鈴鹿サーキットなどに加えて首都高速道路、新東名高速道路といった一般道でも行なったといい、開発ドライバーは「他国になくて日本にあるのは高速道路の継ぎ目やうねり。日本で走るのに4コントロールやHCCは必須だ」とコメントしている
チェッカーフラッグ型の「R.S.ビジョン」はスモールランプ、フォグランプ、ハイビームとして機能
サテン仕上げのガンメタルグレーカラーを採用した一体型ディフューザー

 インテリアでは、ホールド性と快適性を両立したアルカンタラスポーツシートをフロントに採用するとともに、シートエッジ、シフトブーツ、センターアームレストにレッドステッチをあしらったスポーティな仕上げになっている。

インテリアでは前後アルカンタラのシートを採用するほか、シートエッジ、シフトブーツ、センターアームレストにレッドステッチを採用

 そのほか新型メガーヌ ルノー・スポールでは運転支援システム(ADAS)も装備。12個のセンサー、2つのカメラ(フロント・リア)、フロントに設置されたミリ波レーダーで構成される運転支援システムでは、以下の機能を実現する。

車間距離警報/SDW(Safety Distance Warning)

ミリ波レーダーが前方車両との距離を時間で表示(約2.5秒以下)し、危険と判断すると7インチフルカラーTFTメーターへの表示と音でドライバーに注意を促す。約30km/h~約200km/hの間で作動する。

エマージェンシーブレーキサポート(アクティブブレーキ)

ミリ波レーダーが前方車両との距離を検出し、衝突の可能性が高まると警告灯やブザーによりドライバーに回避操作を促す。万が一、安全に減速できない場合は、自動的に最大2秒間の緊急ブレーキを作動させて衝突時の被害を軽減。約30km/h~約140km/hで作動。

車線逸脱警報/LDW(Lane Departure Warning)

フロントカメラで車両前方の白線を検知し、ドライバーが意図せずに車線をはみ出しそうになった場合、ブザーで注意を促す。約70km/h以上で作動。

後側方車両検知警報/BSW(Blind Spot Warning)

フロント2個・リア2個の計4つの超音波センサーでバックミラーの死角の車両を検知すると、隣接車側のドアミラー内にLEDインジケーターを点灯させ、注意を促す。約30km/h~140km/hの間で作動。

イージーパーキングアシスト

車体に搭載された12個のセンサーが駐車可能なスペースを検出し、自動でステアリング操作を行ない、縦列駐車(出入りとも)やバックでの車庫入れをサポート。ドライバーはタッチスクリーンの表示を見ながらアクセル、ブレーキおよびギヤを操作するだけで駐車を行なえる。

メガーヌ ルノー・スポール主要諸元

メガーヌ ルノー・スポール
ステアリング位置
全長×全幅×全高4,410×1,875×1,435mm
ホイールベース2,670mm
トレッド(前/後)1,620/1,600mm
車両重量1,480kg
定員5名
最小回転半径5.2m(参考値)
JC08モード燃費13.3km/L(参考値)
エンジン直列4気筒DOHC 1.8リッター直噴ターボ「M5P」型
最高出力205kW(279PS)/6,000rpm
最大トルク390Nm(39.8kgfm)/2,400rpm
駆動方式2WD(FF)
トランスミッション6速デュアルクラッチ「6EDC」
懸架方式(前/後)マクファーソン/トーションビーム
ブレーキ(前/後)ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(前/後)245/35 R19 93Y
ホイールサイズ(前/後)8.5J×19