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ジャガー、錦織選手も登場した新型EV「I-PACE」発表会

「スポーツカーのような性能で、実用性も兼ね備えたクルマ」

2018年9月26日 実施

ジャガーの新型EV「I-PACE」の発表会が行なわれた

 ジャガー(ジャガー・ランドローバー・ジャパン)は9月26日、同日から受注を開始した新型EV(電気自動車)「I-PACE(アイ ペイス)」の発表会を開催した。

 ブランド初のEVとなるI-PACEは、90kWhのバッテリーを搭載し、フロントとリアに最高出力294kW(400PS)を発生する永久磁石の同期式電動モーターを備えて4輪を駆動する。0-100km/h加速は4.8秒、最高速は200km/hに達する。

 最大7kWのAC普通充電と50kWのCHAdeMO規格に対応し、バッテリー残量0%の状態から80%まで充電するのにかかる時間は7kWが約10時間、50kWが約85分。回生ブレーキ・システムや高効率のヒートポンプ技術などを活用して、航続距離とバッテリー効率を最大化することで、WLTP航続距離は最長480kmとした。

 ボディサイズは4682×2011×1565mm(全長×全幅×全高。全幅はミラーを除く)で、ホイールベースは2990mm(数値は欧州仕様参考値)。4種類のグレードが設定され、価格は959万円~1312万円。

 そのほか、I-PACEの詳細については「ジャガー、SUVタイプの新型EV『I-PACE(アイ ペイス)』」を参照いただきたい。

SUVタイプのEVとなるI-PACEのボディサイズは4682×2011×1565mm(全長×全幅×全高。全幅はミラーを除く)で、ホイールベースは2990mm(数値は欧州仕様参考値)。90kWhのバッテリーを搭載し、フロントとリアに最高出力294kW(400PS)を発生する永久磁石の同期式電動モーターを備え4輪を駆動する
撮影車両は「パノラミックルーフ」を装着する「ファーストエディション」(1312万円)
ホイールは9種類あるデザインのうち、「22インチ5スプリットスポーク スタイル5056アロイホイール」をオプションで装着。タイヤサイズは255/40 R22
助手席側フロントフェンダー部にはCHAdeMO規格の充電ポート
運転席側フロントフェンダー部には普通充電の充電ポート
I-PACEのインテリア
ステアリングホイール
12.3インチのインタラクティブドライバーディスプレイを装着。車両の充電量や航続可能距離などの情報が確認できる
シフトはボタン式。上部のエアコンダイアルの間には5インチのタッチプロスクリーンを配置
ペダルまわり
I-PACE全モデルでMERIDIANサウンドシステムを採用
フロントシート
リアシート
助手席側のパネルにはFirst Editionのロゴが入る
ボンネット下には「フルート」と呼ばれる27Lの収納スペースが配される
ラゲッジルームはリアシートを立てた状態だと656L。すべて倒すと1453Lまで拡大可能
I-PACEのアンベール

 東京ミッドタウン日比谷で行なわれた発表会では、最初にジャガー・ランドローバー・ジャパン 代表取締役社長のマグナス・ハンソン氏が登場して挨拶を行なった。

ジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 マグナス・ハンソン氏

 ハンソン氏は「ジャガーは高級車の魅力を搭載したクルマを世界に届けてまいりました。輝かしい歴史を刻みながらも、さらに未来に向かって先進的なものをオファーしようとしています。本日発表する画期的なジャガーは、われわれの気高い誇りの結晶であり、ジャガーに脈々と引き継がれたDNAを確実に未来に向けて発信するクルマです。この素晴らしいクルマの開発は、英国が誇るべく才能溢れたジャガーのデザイナーとエンジニアの存在を証明したたまものです」とI-PACEを紹介。

駐日英国大使 ポール・マデン閣下

 次に駐日英国大使のポール・マデン閣下が登場し、「今日も大使の公用車であるジャガーに乗ってまいりました」と話した後、「実は先日、ひと足早く英国大使館の中でI-PACEを試乗させていただきました。想像していた電気自動車とはまったく異なり、I-PACEの静かな走り出しと力強い加速力にびっくりしました。日本のクルマ好きの方々もきっと満足するクルマだと思います。1人でも多くの日本の皆さまにI-PACEを体験していただき、ジャガーの素晴らしいイノベーションを実感していただければと思います」と挨拶した。

 また、I-PACEのデザインについてジャガー クリエイティブ・デザイン・ディレクターのジュリアン・トムソン氏がプレゼンテーションを実施。

ジャガー クリエイティブ・デザイン・ディレクター ジュリアン・トムソン氏

 トムソン氏は、「I-PACEはコンセプトカーからほとんど中身を変えずに、イメージを具現化しました」と話し、内燃機関を搭載していないため他のジャガー車とはレイアウトが異なり、ボンネットが短く、ミドルエンジンのスポーツカーによく使われる“キャブフォワード“というストラクチャーでモダンさを創出。ショルダー部分には動物のような動きを与え、ホイールでジャガーらしさを強調したと紹介。

I-PACEはコンセプトカーからほとんど変えずに製品化された
内燃機関を持たないのでボンネットを短くして、キャビンを中央に配置することができたという
「まさにジャガーという社名そのもの」という動物のようなデザインを用いた

 空力性能は風洞を使って何時間も実験を行ない、Cd値を0.29にまで抑えたたため「リアワイパーが不要になるほど、リアガラスは何もしなくてもクリーンなまま」とトムソン氏は語った。

Cd値を0.29にまで抑えたことで、リアワイパーも不要になったという

 室内は、フラットな床と長いホイールベースにより、ゆとりのある空間を確保。ドライバーファーストなコクピットは感触を大切に考えて高品質でプレミアムな素材を使用。ハイテクな作りを配しつつも、基本となるハンドル操作はしやすく、直感的なスイッチ操作ができるようにしたという。さらに、656L~1453Lまで拡大できるラゲッジルームや、シートの下に10.5Lの「ストレージ」を、ボンネットには「フルート」と呼ばれる27Lの収納スペースが設けられ、充実した収納スペースを確保した。

EVならではのフラットな床と長いホイールベースでゆとりのある空間とした
収納スペースを多く確保

 続けて、ジャガー・ランドローバー・ジャパン マーケティング・広報部 ディレクターの若林敬一氏がマーケティングについてプレゼンテーションを実施。

ジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社 マーケティング・広報部 ディレクター 若林敬一氏

 I-PACEについて「スポーツカーのような性能でありつつも、実用性も兼ね備えたクルマです」と話し、94%がアルミで作られたというボディについてや、50:50の重量配分、スポーツカー「F-TYPE」の33kNm/degを上まわる46kNm/degのねじり剛性などについて紹介。

 エアサスペンション搭載車は車高調整が可能で、悪路走行時は50mm車高を上げ、乗降時には40mm車高を下げ、105km/h以上の高速走行時には10mm車高を下げることができ、渡河水深度は500mmを誇ると述べ「電気自動車というと、私どもも“シビれる”というフレーズを使っておりますが、けっして本当にしびれることはありません。安全なクルマになっており、水の中でも走っていけるクルマに仕上がっております」と話した。

I-PACEについて
ジャガーが進める電動化への取り組みについて
I-PACEのモデル体系について。4種類のグレード、12色のボディカラー、2種類のエクステリアパック、9種類3サイズのホイール、多彩なインテリアの仕様など、好みに応じたI-PACEにできるという
パワートレーンについて
ボディ剛性とサスペンションについて
他車との比較

 コネクティビティについては、メーター部分に12.3インチのインタラクティブドライバーディスプレイを採用したほか、5インチと10インチの2種類のタッチプロスクリーン、ヘッドアップディスプレイも採用。スマートフォンとの親和性も高め、車内でApple CarPlay、Android Autoが利用できるとともに、4G Wi-Fiにも接続可能とした。

 さらに、離れたところでも充電の状況や充電コントロール、ロック・アンロック、エアコンの調整などができる「リモート」、人工知能を使いクルマに近づいてきた人が持っているスマホやリモートキーのBluetoothにより人物を判断して、好みのシート位置やオーディオ、空調をセッティングする「スマートセッティング」、ジャガー・ランドローバーとして初めてインターネット経由で最新ソフトウェアのダウンロードとインストールができる「ワイヤレスアップデート」も搭載し、「コネクティビティが進化した」と強調した。

ドライバー支援システムについて
安全装備について
I-PACEに搭載するディスプレイなど
スマートフォンとの親和性を高めるとともに、車内で4G Wi-Fiが使用可能となった
I-PACEに採用されるコネクティビティシステムについて

 若林氏は保証についても触れ、通常は3年10万kmの新車保証が5年走行距離無制限となるほか、最長8年間もしくは16万kmの動力バッテリー保証が付き、容量が70%を下まわった場合などにバッテリーを交換可能。さらに、通常は3年間のメンテナンスフリーのところ、2年延長する5年間の「プレミアムケア5」を付帯すると紹介。

 また、ディーラーメカニックのトレーニングや専用設備の導入、EVの整備資格を持つメカニックをディーラーに配備するといったサポートも実施して「安心して新しい革新的なジャガー I-PACEをお使いいただける環境を整えております。身近で安心のかたまりのような電気自動車になったのではないかと思います」と述べた。

保証について
充電について。自宅に200Vの電源を引くことができれば比較的簡単に設置できるという3kWや6kWの普通充電や、50kWの急速充電のほか、将来的に備えて100kWまでの対応が可能
I-PACEの価格
I-PACEの展示や受注についてのスケジュール。9月27日~28日には東京ミッドタウン日比谷でI-PACEと「F-PACE」「E-PACE」の3台が展示される
Web上で車両が購入できる「ジャガー オンライン・セールス・アドバイザー」では、発表会で展示されたモデルと同じ「フォトンレッド」のボディカラーで22インチホイールを装着した「ファーストエディション」を3台限定で販売。10月1日有明にオープンする「ジャガー・ランドローバー東京ベイ有明」では11月14日~12月20日に先行試乗会と受注会が行なわれ、この受注会ではカスタム受注生産も可能
ブランドアンバサダーを務めるプロテニスプレイヤーの錦織圭選手がI-PACEのPRを行なう
I-PACEのコミュニケーション・スローガンについて

 最後に、ブランドアンバサダーを務めるプロテニスプレイヤーの錦織圭選手が登場。I-PACEについて錦織選手は、「初めて見たのですが、すごくパワフルな印象もありますし、電気自動車ですけど速さもあるクルマなので、すごくカッコイイという印象があります」と語った。

プロテニスプレイヤー 錦織圭選手

 また、発表会の前に少し試乗させてもらったと言い、「乗り心地はすごくよくて、電気自動車ならではの音の少なさ、静かな感じが印象的で、未来感がありました。スムーズに動くので空を飛んでいるようなイメージでした。室内は広いです。後部座席も広さがあって居心地がいいと思います」と試乗した感想を述べた。

 錦織選手はコミュニケーション・スローガンとなっている“シビれる“をキーワードにしたトークショーを実施。司会者から「共に時代を切り開くパートナーとしてジャガーにひと言アドバイスをお願いします」と言われた錦織選手は、一瞬戸惑いながらも「自分の身近なパートナーでもありますし、フロリダにいるときには毎日ジャガーに乗って練習に出かけたり遠出したりすることが多いので、世界でも注目されているジャガーと一緒に世界で闘っているというのはうれしいです」とコメント。そのほかにも、I-PACEで行きたい場所や、シビれたと思った印象に残っているシーンについて話すなど、トークショーは終始和気あいあいとした雰囲気だった。

“シビれる“をキーワードにしたトークショーでは、錦織選手が「小さい頃、海に行ったときにクラゲに刺されて本当にシビれたこともある(笑)」と話すなど、和気あいあいと進行した
トークショーの後に行なわれたフォトセッションでは、充電ケーブルを持ってお茶目にポーズする場面もあった