ボッシュとダイムラー、高度・完全自動運転車両のオンデマンド ライドシェアサービス実証実験開始

メルセデス・ベンツ「Sクラス」の自動運転車両

　ドイツのボッシュとダイムラーは11月8日（現地時間）、米カリフォルニア州サンノゼにおいて、メルセデス・ベンツ「Sクラス」の自動運転車両を使用した高度・完全自動運転（SAEレベル4/5）のオンデマンド ライドシェアサービスの実証実験を2019年下半期から開始すると発表した。

　両社は、市街地とサンノゼ西部の間に位置するサンカルロス/スティーブンスクリークの特定ユーザーコミュニティにサービスを提供する計画。その目的としては、特定のユーザーコミュニティが所定の乗車場所から、目的地まで自動運転車両で移動するというシームレスなデジタルエクスペリエンスを提供することとしている。

　今回の提携に携わる両社の従業員は現在、高度・完全自動運転システムのコンセプトとアルゴリズムの共同開発を進めている。ダイムラーは運転システムを車両に組み込むために必要な開発車両、試験場とテストフリート用車両を提供。ボッシュは開発作業に必要なコンポーネント（センサー、アクチュエーター、コントロールユニットなど）を担当する。両社はテストのために自社の研究施設とテスト装置に加えて、ドイツにあるテスト施設を活用する。

　サンノゼ市長のSam Liccardo氏は「このパイロットプロジェクトは、自動運転車両がどうすれば未来の交通ニーズをうまく満たすことができるかを模索するよい機会となるでしょう」とコメント。

　ダイムラーAGでドライブテクノロジー・自動運転部門のヴァイスプレジデントである Dr. Michael Hafner氏は「私たちは長年にわたり、自動運転の開発を推進し続けています。私たちはこのパイロットプロジェクトを通じて、未来のモビリティサービスのユーザーへ完全自動運転車両を最善の方法で提供するための貴重な知見を得ることになります」とコメント。

　ロバート・ボッシュGmbH の自動運転事業部門 シニアヴァイスプレジデントの Dr. Stephan Honle氏は「私たちは都市交通を見直していかなくてはなりません。そして自動運転は、未来の都市交通のイメージを完成させる力となります」とコメントしている。

メルセデス・ベンツ「Sクラス」の自動運転車両

　なお、ボッシュは米ラスベガスで開催される「CES 2019」に出展。ボッシュ役員の記者会見を2019年1月7日9時～9時45分（現地時間）に実施する。