ポルシェ初のスポーツEV「タイカン」、発売に向けてテストが最終段階に

ポルシェブランド初のスポーツEV「タイカン」

　ポルシェ ジャパンは6月28日、ブランド初のスポーツEV「タイカン」の正式発表に向け、1月～6月におけるポルシェブランドの電動化に向けた取り組みについて発表を行なった。タイカンは9月初旬にワールドプレミアを予定しており、日本国内では年内の発表に加え、2020年の販売開始を予定する。

　発表によるとタイカンは現在、量産に入る前の最終テストドライブを行なっているところで、米国、中国、アラブ首長国連邦（UAE）、フィンランドを含む気温-35℃～50℃に及ぶ世界の合計30か国でテストを実施。北極圏から数kmのスカンジナビアでは雪と氷の上でのドライビングダイナミクスに関するポテンシャルを、南アフリカではパフォーマンステストに加えて連続的なパフォーマンスと再現性に関する最終調整を、ドバイでは高温気候での耐久走行を実施し、過酷な条件下でのバッテリー充電といったテストを行なっているという。

量産に入る前の最終テストドライブを世界30か国で実施

　一方、日本ではタイカンの国内導入に向けて2020年半ばよりABB製の急速充電器を全国のポルシェセンターと公共施設に設置していく。これはまだ日本にはない150kWでの急速充電を可能とする次世代CHAdeMOとなり、タイカンの80％充電を30分以内に済ませる能力を備えた国内最高レベルの急速充電器になるとのこと。

日本では2020年半ばよりABB製の急速充電器を全国のポルシェセンターと公共施設に設置

　なお、ポルシェAGでは「ゼロインパクト・ファクトリー」の実現に向けた動きを推進させているという。ゼロインパクト・ファクトリーは二酸化窒素を吸収する表面技術を外壁部品に用いた工場で、タイカンを生産する新工場で初採用。使用する外壁部品はアルミニウム製を、表面には二酸化チタンのコーティングが施してあり、このコーティングが触媒となり、吸収した汚染粒子は太陽の光と大気中のわずかな湿気にさらされることで、水および硝酸塩という無害な物質に分解。たとえば、車両10台分の駐車スペースに木が10本あった場合と同程度の吸収効果を生んでいるという。

二酸化窒素を吸収する表面技術を外壁部品に用いた工場「ゼロインパクト・ファクトリー」