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ポルシェ、ピュアEV「タイカン クロスツーリスモ」を2020年発売へ。2025年には半分は電動車、2030年にはほとんどが電動車に

ミッションE クロスツーリスモの市販車

2019年3月15日(現地時間) 発表

2020年発売が明言されたピュアEV「タイカン クロスツーリスモ」

 ポルシェは3月15日(現地時間)、ドイツ シュツットガルトの本社内において年次記者会見を実施した。8年連続成長した2018会計年度の報告が行なわれたが、その後半に今後の電動化戦略などが話された。

 その中で明かされたのが、新型スポーツEV「タイカン」の派生バージョン「タイカン クロスツーリスモ」を2020年に発売すること。タイカンは2019年秋の発売が予定(日本は2020年発売)が決まっており、クロスツーリスモはその1年後に導入となる。なお、タイカン クロスツーリスモの日本導入予定は未定だ。

こちらはタイカン。本国の発売は2019年秋、日本は2020年が予定されている

 ポルシェはすでにハイブリッド車種などを手がけているが、今後急速に電動化にシフトしていくことになる。2023年までの新製品に130億ユーロを投資していくが、電動車両については2022年までに60億ユーロを投資と発表。投資の重なり具合が不明だが、いずれにしろ多くのリソースを電動車開発に割いていくことになる。

 もちろんこの背景にあるのはパリ協定などの社会的要請で、ポルシェAG 取締役会会長 オリバー・ブルーメ氏は、電動車両が最もエネルギー効率のよい車両であることも紹介した。

リサイクルにも配慮して作られるタイカン
各製造段階においても、カーボンの発生を抑制および相殺
現在ポルシェが発売しているハイブリッド車
各地の電動化の進行具合。2030年には、北米および南米、欧州、中国が電動化になるのに対し、日本があまり進行していないのが気になる予測
各パワートレーンのエネルギー効率のグラフ。1km走るのに必要な動力を示している
フォルクスワーゲングループでは、QuantumScapeと共同でソリッドバッテリー、つまり全固体電池の開発に挑んでいる。これが成功すると、電動車両のエネルギー効率は大幅にアップすることになる

 ポルシェの計画では、2022年までに33%が電動車両となり、2025年には50%が電動車両に。2030年にはほとんどの車両が電動車両となるロードマップを描いている。

ポルシェが発表した電動化割合。2030年にはほとんどの車両が電動車両となる
会見の最後はル・マン24時間レース優勝のスライドで。ポルシェにとって特別なレースであることが感じられた