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フォルクスワーゲン、「ゴルフ」など3モデルに追加したクリーンディーゼル「TDI」説明会

「長距離ドライブの頻度が高いアクティブなユーザーにうってつけ」

2019年8月20日 開催

クリーンディーゼルエンジンの「TDI」を搭載して10月1日に発売される「ゴルフ TDI Highline Meister」

 フォルクスワーゲン グループ ジャパンは8月20日、同日に発表し、10月1日に発売する「ゴルフ」など3モデルの「TDIモデル」に関する説明会を都内で開催した。

 新たにクリーンディーゼルエンジンの搭載モデルがラインアップに追加されるのは、ゴルフのほか、ステーションワゴンの「ゴルフ ヴァリアント」、7人乗りミニバンの「シャラン」の3モデル。価格はゴルフ TDIが323万円~391万円、ゴルフ ヴァリアント TDIが337万円~405万円、シャラン TDIが529万6000円となる。なお、発売が10月1日となることから、価格はそれぞれ消費税10%を含むものとなっている。

ゴルフ TDI Highline Meister。ボディカラーは「アトランティックブルーメタリック」
リアハッチの「2.0 TDI」エンブレムがクリーンディーゼルエンジン搭載モデルであることを主張する
LEDウインカー内蔵のドアミラーは全車標準装備
17インチアルミホイールを標準装備。タイヤサイズは225/45R17
直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ディーゼルターボ「DFG」型エンジン。最高出力110kW(150PS)/3500-4000rpm、最大トルク340Nm(34.7kgfm)/1750-3000rpmを発生し、トランスミッションは7速DSGを採用
排出ガスの後処理に尿素水溶液「AdBlue」を使用する
マフラーはリアバンパーの奥に横置きレイアウト
ゴルフ TDI Highline Meisterのインテリア
シェトランド(写真)、またはチタンブラックのレザーシートを標準装備する
デジタルメータークラスター“Active Info Display”を標準装備
「ジェスチャーコントロール」対応の純正インフォテイメントシステム“Discover Pro”も純正装着する
7速DSGはパドルシフトとシフトセレクターでマニュアル変速が可能
アクセルとブレーキのペダルは吊り下げタイプ。大型のフットレストを備える

ユーザーニーズに最適な装備やエンジンスペックなどを見極め導入

フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社 営業本部 商品企画課 山谷浩之氏

 説明会ではフォルクスワーゲン グループ ジャパン 営業本部 商品企画課 山谷浩之氏から製品解説が行なわれた。

 フォルクスワーゲン グループ ジャパンでは2018年2月からミッドサイズセダンの「パサート」とステーションワゴン「パサート ヴァリアント」から新世代のクリーンディーゼルエンジンであるTDIの日本導入をスタート。さらにコンパクトSUVの「ティグアン」、コンパクトミニバンの「ゴルフ トゥーラン」、クロスオーバー4WDの「パサート オールトラック」とTID搭載車のラインアップを拡大。ユーザーからは経済性や4WD「4MOTION」との組み合わせによる高い走破性などが評価され、この1月~7月の販売実績では各モデルのガソリン/ディーゼル比率でディーゼルが50%以上となったほか、ティグアンでは80%のユーザーがディーゼル搭載車を選んでいるという。

フォルクスワーゲンでは2018年2月のTDI導入以来、採用車を拡大。新たにゴルフなど3モデルでTDI搭載車をラインアップした

 フォルクスワーゲンの主力モデルであるゴルフでは、多数の競合が存在するハッチバッククラスでは輸入車でもディーゼルエンジン搭載車の比率が高まっており、2016年以降は25%前後の比率となっていることを紹介。今後も積極的にディーゼルエンジン搭載車がラインアップされることが予想され、市場におけるニーズが高いことを示していると山谷氏は解説した。

 そんな市場に新たに導入されるゴルフ TDIでは、高いトルクと低燃費を実現するTDIエンジンを搭載することに加え、6月からガソリンエンジン搭載車「TSI」モデルで導入して好評を博している特別仕様車「Meister(マイスター)」も発売と同時にラインアップに設定することで、充実した先進安全機能や快適装備を選択可能。これによって「プレミアムなTDIモデルになる」とした。

 また、ディーゼルエンジンならではの高いトルクで余裕にある加速を実現。ドライブを楽しみながら高い経済性を両立して、長距離ドライブの頻度が高いアクティブなユーザーにうってつけのモデルだと紹介している。

2ボックスのFFレイアウトをコンパクトカーの定番としたゴルフ。さまざまな競合モデルが販売されているハッチバック市場ではディーゼルエンジン搭載車のニーズも高く、ゴルフでもラインアップに追加されることになった
装備充実の特別仕様車「Meister(マイスター)」もラインアップして、ディーゼルエンジンと快適な装備を同時に味わえるようにしている
150PS/340Nmを発生する「DFG」型エンジンでは気筒休止の「アクティブシリンダーマネジメント(ACT)」なども採用し、WLTCモード燃費は18.9km/Lを実現
特別仕様車のMeisterを選択すると、各種の安全装備や快適装備が標準装備となる
競合モデルと比較しても、ゴルフ Meisterは装備が充実しているとアピールした

 ステーションワゴンとなるゴルフ ヴァリアント TDIは、ハッチバックボディのゴルフよりも長いラゲッジスペースを備え、大きな荷物を載せることになるキャンプなどのアウトドアアクティビティとも親和性が高く、経済性に優れるディーゼルエンジンはとくにユーザーからの期待が高いと紹介。実際にパサート ヴァリアントでは販売の6割がTDIモデルになっていると説明し、よりコンパクトで使いやすいサイズでワゴンボディとTDIを組み合わせる新たな選択肢になるとした。

ゴルフよりもラゲッジスペースが長く、ボディサイズはパサート ヴァリアントよりコンパクト。そんなゴルフ ヴァリアントにもTDIエンジンの組み合わせをラインアップする
ゴルフ ヴァリアント TDIの3つのアピールポイント。ラゲッジスペース容量は最大1620L
ゴルフ ヴァリアントはそれほど競合モデルが多くないが、装備が充実していることもアピール

 7人乗りで両側スライドドアなどを備えるシャラン TDIは多人数乗車の魅力に加え、3列目シートを格納して大きな荷物に対応。アウトドアアクティビティを楽しむユーザーからも支持されているとのことで、そんな使われ方にディーゼルエンジンの組み合わせがマッチすると山谷氏は語る。ゴルフやゴルフ ヴァリアントよりもボディが大きく、重くなることから、エンジン排気量は同じ2.0リッターでもエンジンをよりハイスペックな「DLU」型にスイッチ。最高出力130kW(177PS)/3500-4000rpm、最大トルク380Nm(38.8kgfm)/1750-3250rpmを発生し、多人数乗車で荷物を積載しても、キャンプやスキーなどのレジャー先まで快適に移動できるようにしているという。

2011年の発売以来、日本で1万5000台を販売しているというシャラン。多彩なシートアレンジや高い積載性に、新たな魅力としてディーゼルエンジンが追加された
177PS/380Nmを発生する直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ディーゼルターボ「DLU」型エンジンを搭載。高トルクエンジンの搭載を受け、電子制御式ディファレンシャルロック「XDS」を標準装備している
ラゲッジスペース容量は7人乗車時の約300Lから最大2297L(2人乗車)まで拡大可能。助手席を前に倒すと約3mの長い荷物も積載可能となる
TDI搭載車のラインアップと価格
TDI搭載車は8モデルに拡大した

 後半には質疑応答も行なわれ、現行モデルの7代目がデビューして6年以上経過しているゴルフシリーズだが、このタイミングでTDIエンジン搭載モデルが日本導入されることになった理由について質問された。これについて山谷氏は、「まずはマーケットの需要をしっかりと把握する必要がありました。この調査に時間がかかっていたのが理由の1つで、その調査結果を受け、お客さまに最適な装備やエンジンスペックなど、どのようなモデル設定が最適なのか見極めて導入したいとの考えから現時点での導入となりました」と回答している。