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【フランクフルトショー 2019】ランドローバー、新型「ディフェンダー」を世界初公開

2019年9月10日(現地時間) 公開

42度の傾斜を駆け下りて新型「ディフェンダー」が登場

 英ジャガー・ランドローバーは9月10日(現地時間)、ドイツ フランクフルトで開催されている「フランクフルトモーターショー 2019(IAA2019)」で新型「ディフェンダー(DEFENDER)」を世界初公開した。

 新型ディフェンダーは3ドアでショートホイールベースの「90」と5ドアでロングホイールベースの「110」の2つのボディタイプをラインアップ。価格は90が4万ポンド(約531万円)から、90の商用モデルが3万5000ポンド(約464万円)から、110が4万5240ポンド(約600万円)から。ボディサイズは、ショートの90が4583×2008×1969~1974mm(全長×全幅×全高)でエアサス車は全高が1969mmになる。ホイールベースは2587mm。ロングの110は5018×2008×1967mm(全長×全幅×全高)でホイールベースは3022mm。まずは110を皮切りに発売し、追って90、2020年に90の商用モデルを導入するという。

3ドアでショートホイールベースの「90」
5ドアでロングホイールベースの「110」
90(左)と110(右)
商用モデル

 デザインは、これまでのディフェンダーらしさを残しつつも21世紀にふさわしい新しいディフェンダーのデザインを構築した。フロント、リアともにオーバーハングは短く、すっきりとしたサイド面には力強いショルダー。対するフロントとリア、特にリアは垂直に切り落としたようなデザイン。サイドヒンジのリアゲートには外付けのスペアタイヤが取り付けられるなど、初代ディフェンダーの特徴を残しつつ最新の4×4デザインに仕上げた。

 ランドローバーのチーフ・デザイン・オフィサーであるジェリー・マクガバンは新型ディフェンダーについて「これまでの歴史をリスペクトしながらも、過去に囚われてはいません。まさに新時代にふさわしい新しいディフェンダーなのです。独自のシルエットと最適化されたプロポーションが、他に類を見ない個性を際立たせています。また、妥協のないデザイン、そしてエンジニアリングにより、視覚的にも人々を惹きつける4×4となり、購買意欲を掻き立て、傑出した走破能力をもったモデルを作り上げることができたのです」と述べている。

ディフェンダーらしさを残しつつ新しい時代のデザインとした
特徴的なヘッドライトや直線を基調としたフロントグリル
横開きのリアドアには外付けのスペアタイヤが装着される

 初代ディフェンダーのエッセンスはインテリアでも引き継がれ、前列シートにはオプションのジャンプシートを装着可能。これにより初期のランドローバーのように前列に3人掛けの乗車を可能とする。これにより90においてはコンパクトファミリーハッチバックの長さながら最大6名乗車を可能にする。また、110においては5名、6名、または5名+2名のシート構成が用意され、2列目の後ろには最大1075L、2列目をたたむことで2380Lの積載スペースが確保される。

 フロアには、耐久性が高く、掃除もしやすいゴム張りの床を採用。また、オプションのフォールディング・ファブリック・サンルーフは開放することでオープントップの感覚を提供。110の2列目では、停車時に立ち上がって、まるでサファリを訪れているような体験をすることもできるという。

直線を基調としたインテリア
インパネ
オプションのジャンプシート
耐久性の高いゴムのフロア

 新しいディフェンダーに採用されたD7xアーキテクチャは、軽量アルミモノコック構造により、ランドローバー史上もっとも高いボディ剛性を実現。従来のラダーフレーム構造の3倍の剛性を提供する。

 パーマネントAWDとツインスピード・オートマチック・ギヤボックス、センターデフ、さらにオプションのアクティブ・ロッキング・リア・ディファレンシャルは、砂漠の砂や北極圏のツンドラ、そのほかあらゆるシチュエーションで優れた性能を発揮する。さらに新型ディフェンダーは新しい「コンフィギュラブル・テレイン・レスポンスを搭載。オフロード走行の経験豊富なドライバーやより細かな車両設定が可能で、またオフロードに不慣れなドライバーは、インテリジェント・オート機能を使うことで、地形に合わせたモードをシステムに自動で選ばせることができる。

 110でのオフロードモードにおいては、グランドクリアランスは291mm、アプローチアングルは38度、ランプブレークオーバーアングル28度、デバーチャアングル40度を実現。さらに「テレイン・レスポンス2」の新たなウェイド・プログラムによって、最大渡河水深は900mmを実現する。そのほか、「ClearSightグラウンドビュー」によって、運転席からは死角になるボンネットの向こう側の映像をスクリーンで確認することもでき、あらゆる状況でディフェンダーの能力を最大限に発揮することができる。

オンロード、オフロードとあらゆる路面で優れた走破性と快適な走りを実現する
短いオーバーハングにより高い走破性を確保。またモノコック構造のボディはラダーフレームの3倍の剛性を持つ
まるでボンネットが透けているように見える「ClearSightグラウンドビュー」

 エンジンは高効率なマイルドハイブリッドを組み合わせた4気筒と6気筒の2種類のガソリンエンジンと、出力の異なる2種類の4気筒のディーゼルエンジンを設定。さらに2020年にはPHEVモデルも設定するという。

 そのほか、新しいインフォテイメントシステム「Pivi Pro」の採用や、SOTAテクノロジーの向上によって、14個のモジュールにおいて、ソフトウェアを通信でアップデート可能としている。

48Vのマイルドハイブリッドシステム
通信で最新のバージョンにソフトウェアをアップデートするSOTAテクノリジー

 新型ディフェンダーのグレード展開は90と110のどちらも製造開始から1年間限定の「FIRST EDITION」と、最上級の「DEFENDER X」、そしてスタンダードモデルの「S」「SE」「HSE」を用意。さらに、それぞれ特徴のある厳選したオプションや機能を盛り込んだ4種類のアクセサリーパックも用意され、ランドローバー史上最も多様なパーソナライズが可能となっている。

アクセサリー装着モデル