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トヨタ、WEC、WRC、SUPER GTなど2020年のモータースポーツ活動計画発表

9月スタートのル・マン ハイパーカー(LMH)クラスの参戦体制は後日発表

2020年2月7日 発表

SUPER GTでは「スープラ」が15年ぶりにGT500クラスに復帰

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR、トヨタ自動車)は2月7日、2020年のモータースポーツ活動計画を発表した。

 2019年はダカールラリー総合優勝を皮切りに、WEC(FIA世界耐久選手権)ではチーム&ドライバーズタイトル獲得とル・マン24時間レース2連覇を達成するとともに、WRC(FIA世界ラリー選手権)ではドライバー&コ・ドライバーズタイトルを獲得。国内でもSUPER GT、全日本スーパーフォーミュラ選手権でのチャンピオン獲得など、国内外で「モータースポーツのトヨタ」を印象付けられるような飛躍の年となった。

 2020年も引き続き国内外のさまざまなモータースポーツ活動に取り組むとし、WECではTS050 HYBRIDでの最後の参戦となる2019-2020年シーズン、ル・マン3連覇を目指す。また、9月から始まる2020-2021年シーズンでは、現在開発中のGRスーパースポーツ(仮称)をベースとしたレーシングカーでLMH(ル・マン ハイパーカー)クラスに参戦予定。参戦体制は後日発表するとのこと。

 WRCではドライバー&コ・ドライバーの体制を一新。11月には10年ぶりにラリージャパンが愛知県・岐阜県で開催され、同ラリーへの参戦を予定している。SUPER GTでは、「スープラ」が15年ぶりにGT500クラスに復帰するとともに、ドライバー育成では世界で活躍できる日本人レース&ラリードライバーを育成するため、既存の各プログラムを統合・発展させたTGR-DC(TGRドライバー・チャンレンジ・プログラム)を推進していく。また、スーパー耐久に参戦するROOKIE Racingに車両を供給し、さまざまなドライバーが乗るプライベートチームの目を通して得られたノウハウを商品開発にフィードバックしていくという。

 また、商品についてはGRシリーズグローバルモデル第2弾として新型車「GRヤリス」を東京オートサロン2020で世界初披露。GRヤリスは「トヨタ純正のスポーツカーを取り戻したい」という想いで、マスタードライバーの“モリゾウ”こと社長の豊田章男氏が開発初期から自ら評価・テストを行なったクルマになる。

GRヤリス

SUPER GT GT500クラス

 2020年から新たにGRスープラ GT500を投入。TCD(トヨタカスタマイジング&ディベロップメント)を通じ、6チーム・6台に支援を行なう。ドライバーは2019年の全日本F3を戦ったサッシャ・フェネストラズ選手と宮田莉朋選手が新加入。

・TGR チーム ワコーズ ルーキー(TGR TEAM WAKO'S ROOKIE)
WAKO'S 4CR GR Supra:大嶋和也、坪井翔

・TGR チーム ウェッズスポーツ バンドウ(TGR TEAM WedsSport BANDOH)
WedsSport ADVAN GR Supra:国本雄資、宮田莉朋

・TGR チーム エーユー トムス(TGR TEAM au TOM'S)
au TOM'S GR Supra:関口雄飛、サッシャ・フェネストラズ

・TGR チーム キーパー トムス(TGR TEAM KeePer TOM'S)
KeePer TOM'S GR Supra:平川亮、ニック・キャシディ

・TGR チーム ゼント セルモ(TGR TEAM ZENT CERUMO)
ZENT GR Supra:立川祐路、石浦宏明

・TGR チーム サード(TGR TEAM SARD)
DENSO KOBELCO SARD GR Supra:ヘイキ・コバライネン、中山雄一

SUPER GT GT300クラス

 GT300クラスには、トヨタ プリウスPHV2台、GRスープラ1台とLEXUS RC F GT3 4台が参戦。

・エー・ピー・アール(apr)
TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT:永井宏明、織戸学
TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT:嵯峨宏紀、中山友貴

・埼玉トヨペット グリーンブレイブ(Saitama Toyopet Green Brave)
埼玉トヨペットGB GR Supra GT:吉田広樹、川合孝汰

・パンサー アット チーム タイランド(Panther arto Team Thailand)
arto RC F GT3:未定

・エルエム コルサ(LM corsa)
SYNTIUM LM corsa RC F GT3:吉本大樹、河野駿佑

・ケーチューンズ レーシング(K-tunes Racing)
K-tunes RC F GT3:新田守男、阪口晴南

・マックス レーシング(Max Racing)
たかのこの湯 RC F GT3:久保凜太郎、三宅淳詞

全日本スーパーフォーミュラ選手権

 TRD(Toyota Racing Development)より、直列4気筒2リッター直噴ガソリンターボエンジン(Biz-01F)を6チーム11台に供給。ドライバーはサッシャ・フェネストラズが新加入。タイヤは横浜ゴム製のワンメイク。

・コンドー レーシング(KONDO RACING)
山下健太、サッシャ・フェネストラズ

・カロッツェリア チーム ケーシーエムジー(carrozzeria Team KCMG)
小林可夢偉、国本雄資

・イトウチュウ エネクス チーム インパル(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
関口雄飛、平川亮

・バンテリン チーム トムス(VANTELIN TEAM TOM'S)
中嶋一貴、未定

・ルーキー レーシング(ROOKIE Racing)
大嶋和也

・ジェームス ピーエムユー セルモインギング(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
石浦宏明、坪井翔

全日本ラリー選手権

 国内最高峰の全日本ラリー選手権に2020年も引き続き参戦し、「もっといいクルマづくり」に向けて人とクルマを鍛えていく。トヨタ社員がエンジニアおよびメカニックとして、車両製作からラリー参戦まで一貫して実施。

・TOYOTA GAZOO Racing
TGR Vitz GRMN Rally:眞貝知志、安藤裕一

e-Motorsports

 2019年はFIA GTチャンピオンシップを支援すると同時にGRスープラのワンメイクレースである「GR Supra GT Cup」を開催。また、FIA GTチャンピオンシップではマニュファクチャラーシリーズでチームTOYOTAが優勝した。

 2020年もFIA GTチャンピオンシップのオフィシャルパートナーを継続し、「GR Supra GT Cup」も2019年にひき続き開催予定。詳細は後日発表。

FIA世界ラリー選手権(WRC)

 トミ・マキネンチーム代表のもと、参戦車両はフィンランドを拠点に開発されたヤリスWRC(全長4085mm、全幅1875mm)。搭載するエンジンはトヨタモータースポーツ(TOYOTA Motorsport GmbH:TMG)にて開発した1.6リッター直噴ターボエンジン「GI4A」(最高出力380馬力以上)。

・17号車
ドライバー:セバスチャン・オジエ、コ・ドライバー:ジュリアン・イングラシア

・33号車
ドライバー:エルフィン・エバンス、コ・ドライバー:スコット・マーティン

・69号車
ドライバー:カッレ・ロバンペラ、コ・ドライバー:ヨンネ・ハルットゥネン

FIA世界耐久選手権(WEC)

 2019-2020年シーズンは、2019年9月の第1戦シルバーストーン4時間レースから始まり、2020年6月13日~14日の第8戦ル・マン24時間レースが最終戦となる。TGRは、TMGを本拠に2台のTS050 HYBRIDで参戦中。

 2020-2021年シーズンは、市販に向けて開発中のGRスーパースポーツ(仮称)をベースとしたレーシングカーでLMHクラスに参戦。2020年9月5日の英国シルバーストーンで開幕し、2021年6月12日~13日のル・マン24時間レースが最終戦になる。2020-2021年シーズンのチーム体制については後日発表。

2019-2020年シーズン チーム体制

・TS050 HYBRID(7号車)
マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス

・TS050 HYBRID(8号車)
セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレー

ニュルブルクリンク24時間耐久レース

 ニュルブルクリンク24時間耐久レースは、TGRの「もっといいクルマづくり」の原点であり、14年目の参戦となる2020年もニュルへの挑戦を通じて人とクルマを鍛え、市販車開発につながる活動を追求。第48回ニュルブルクリンク24時間耐久レース(正式名称48. ADAC TOTAL 24h-Rennen)は5月23日~24日に決勝レースが開催される。

 2020年は3年目となるLEXUS LCで参戦。新開発のV8ツインターボエンジンなど、将来のスポーツカーなどの市販車に活かすための技術を先行投入し、「もっといいクルマづくり」を追求する。

・TOYOTA GAZOO Racing
LEXUS LC(予定:SP-PROクラス):石浦宏明、佐々木雅弘、大嶋和也、蒲生尚弥

スーパー耐久

 スーパー耐久に参戦するROOKIE Racingに、GR YARIS、GR Supraを供給。ROOKIE Racingはプライベートチームとして、トヨタのマスタードライバーであるモリゾウをはじめ、レーサー、ラリースト、評価ドライバー、ジェントルマンといったさまざまなドライバーが2台をドライブし、それぞれの目線で「もっといいクルマづくり」に向けたフィードバックをしていく。

参戦ドライバー(予定)

GR Supra:蒲生尚也(Aドライバー)
GR YARIS:井口卓人(Aドライバー)

※登録ドライバー:モリゾウ、小倉康宏、佐々木雅弘、豊田大輔、勝田範彦、石浦宏明、大嶋和也、河野俊介、矢吹久(さまざまなドライバー目線の技と心でクルマづくりを行なうため、Aドライバー以外はあえて車両を固定しない)

【お詫びと訂正】記事初出時、SUPER GT GT500クラスの体制表記に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。