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トヨタ、2020年 WRC第2戦でエバンス選手が優勝し、ドライバーズタイトル首位浮上
ロバンペラ選手も3位表彰台でマニュファクチャーランキングでも首位に
2020年2月17日 15:23
- 2020年2月13日~16日(現地時間) 開催
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(トヨタ自動車)は、スウェーデン トルシュビーを基点に2月13日~16日(現地時間)に開催されたWRC(世界ラリー選手権)第2戦 ラリー・スウェーデンで、開幕から2戦続けてのダブル表彰台と全車完走を果たしたと発表。エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が優勝、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組も3位表彰台を獲得し、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組も総合4位フィニッシュとなっている。
この結果により、エバンス選手は開幕戦で優勝したヒュンダイのティエリー・ヌービル選手と同ポイントとなり、ドライバーズタイトルの首位に浮上。チームもマニュファクチャーランキングで首位に立った。
最終日となるデイ3は気温の上昇と大雨が予想され、ステージコンディションの悪化が避けられないとの判断から、当初は2回予定されていたSS(スペシャルステージ)走行を1回に短縮。その一方で、トルシュビーのサービスパーク北側に広がる全長21.19kmの「リケナス」を使った最終SSのSS18は、走行タイムのトップ5に選手権のボーナスポイントが与えられる「パワーステージ」に指定され、厳しいコンディションの中で激しいタイムアタック合戦が繰り広げられた。
豪雨と気温上昇による雪解けなどで、SS18はトリッキーな路面コンディションでのラリーとなったが、エバンス選手は落ち着いた走りで6番手タイムを記録。前日まで積み重ねてきたリードを守り切り、2017年のラリーGB以来となるキャリア2勝目、チーム加入後初の勝利を手にした。
また、オジエ選手とロバンペラ選手はデイ2から総合3位の座をかけて激しい争いを繰り広げており、最終日のSS18ではロバンペラ選手が2番手タイムに対して3.7秒差の大差でベストタイムを記録。SS18で3番手タイムだったオジエ選手を逆転して総合3位フィニッシュを飾った。ロバンペラ選手はWRカーでの出場2戦目で表彰台とボーナスの5ポイントを獲得。19歳でのポディウム獲得はこれまでの記録を2歳以上更新する史上最年少記録となっている。
表彰台を逃したオジエ選手だが、総合4位フィニッシュとパワーステージの3ポイント獲得により、首位に立ったエバンス選手と5ポイント差でドライバーズタイトル3位のポジションをキープしている。
ラリー終了後のコメント
チーム総代表 豊田章男氏:例年とは異なる雪のないスウェーデンで、エバンス/マーティン組がわれわれの新チームに今季初優勝をもたらしてくれました。エルフィン、スコット、優勝おめでとう。エルフィンはチーム加入当初、エストニアの工場に来てメカニックたちと遅い時間までヤリスの使い方や整備の仕方を勉強してくれていました。仕事の後は、その仲間たちとボーリングに行くなどして、早くからチームに溶け込んでくれていました。こんな新メンバーがチームと一緒に成績を残してくれたこと、本当にうれしく思います。ありがとう。
また、ロバンペラ/ハルットゥネン組が、チームメイトのオジエ/イングラシア組とわずか3秒差の熾烈なバトルを制して3位表彰台を獲得してくれました。貴重なポイントを獲得し、ファンも沸かせてくれた4人の選手の走りにもお礼を言いたいと思います。
勝田選手は、攻めると決めたSSではタイムをしっかり残しつつ、すべての道を走りきってくれました。1つのステージで普段から仲のいいタナック選手よりも速いタイムを出せたことは、今後の大きな自信につながったことと思います。引き続きがんばれ!
今回のスウェーデンでは、1つだけ残念なこともありました。今はヒュンダイのタナック/ヤルヴェオヤ組が2位に入ってくれたことで、彼らと約束していた“私が上からシャンパンをかける”というシチュエーションが早くも実現されてしまいました。しかし、このせっかくのチャンスに、私はスウェーデンにいれませんでした。残念です。ただ、正直に言えば、スウェーデンでのシャンパンファイトは寒すぎます。暖かくなる次戦以降に、またその舞台が整えられればと思います。TOYOTA GAZOO Racingのみんな、引き続き優勝をお願いします! そして、オィットとマルティンも引き続き頑張ってください。
1戦ごとに、選手たちは、ヤリスのドライブをいっそう楽しんでくれていっているように思います。次戦以降もさらに熱い走りをしてくれると思いますので、ファンの皆さま、引き続き、応援をよろしくお願いいたします。
追伸
スウェーデンでは、ラトバラ選手がハンニネン選手をコ・ドライバーにしてヤリスWRCでプライベート参戦してくれていました。WRC再参戦を果たした2017年のオリジナルメンバーの2人です。ラトバラ選手は“トヨタの一員でいられてうれしい、ヤリスに再び乗れてうれしい”と言ってくれていたと聞きました。2人がヤリスを選んでくれたこと、私も本当にうれしいです。しかし、今回は、車両トラブルによりリタイアとなってしまいました。もっとヤリスを楽しんでもらいたかったのに申し訳ない気持ちです。次は、ラリー・イタリアでの参戦を計画してくれていると、マキネン代表からも聞きました。万全な状態でヤリスを提供できるよう、しっかり準備しておきます。次は思いっきり走ってください。
チーム代表 トミ・マキネン氏:われわれにとって最高の結果です。エルフィンは週末を通して素晴らしく、彼とスコットはスウェーデンで初めて優勝したイギリス人として、WRCの歴史に名を刻みました。また、カッレの最終ステージでの走りも素晴らしいものでした。ライバルたちは過去にこのステージを何度もWRカーで走っていますが、カッレは初めてだったにも関わらず、ライバルを大きく突き放しました。ここまでのところ、われわれはドリームチームだといえます。過去にないほどチームスピリットは高く、とてもいい状態にあると思います。私はただただそれがうれしく、彼らを誇りに思います。
セバスチャン・オジエ選手:この週末に満足していないわけではありません。確かに4位という結果は不本意ですが、十分な選手権ポイントを獲得しましたし、次のメキシコを戦う上ではいい順位につけています。カッレは今週末とても素晴らしく、パワーステージでもすごいタイムを出しました。表彰台に値する戦いだったと思います。パワーステージのコンディションはかなり難しく、選手権のことを考えると全開では攻められませんでした。エルフィンのドライビングもまた素晴らしく、彼にとってもチームにとっても価値ある勝利でした。彼らのような強い選手がチームにいるのはいいことですし、今シーズンのトヨタのラインアップは本当に強力だと思います。自分たちは、気持ちを切り替えて次のラリーに臨み、優勝を目指します。
エルフィン・エバンス選手:TOYOTA GAZOO Racingに加わって2戦目で勝つことができて、本当にうれしく思います。素晴らしいクルマを提供してくれただけでなく、テストでは自分が望むクルマに仕上げてくれるなど、手厚くサポートしてくれたチームに心から感謝します。クルマは私に大きな自信を与えてくれ、今回のような変わりやすいコンディションでは、それが大きな助けになりました。ここまでのところ、運転をとても楽しめているので、この後のグラベルイベントでもいいフィーリングが続くことを願っています。一緒に戦ってくれたスコットには、とても感謝しています。彼と組んで以降とても上手くいっていますし、彼に初勝利をもたらすことができてとてもうれしく思います。
カッレ・ロバンペラ選手:表彰台に立てて、とてもいい気分です。今回のラリーは普段よりも距離が短く、常にフラットアウトで走らなければならなかったので大変でした。昨日までにミスでタイムを失いましたが、今日は遅れを挽回して表彰台に立ち、パワーステージで5ポイントを獲得することができました。自分の力をすべて出しきり、いい走りができたと思います。ステージの序盤はタイヤをセーブしようと少し慎重になり過ぎ、あまりよくありませんでしたが、最後にはそれが報われ非常に速い区間タイムを刻むことができたので、全体をいいタイムでまとめることができました。
ラリー・スウェーデン デイ3の結果
1位 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタ ヤリスWRC)
2位 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ(ヒュンダイ i20クーペWRC)
3位 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタ ヤリスWRC)
4位 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(トヨタ ヤリスWRC)
5位 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(フォード フィエスタWRC)
6位 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー組(ヒュンダイ i20クーペWRC)
7位 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル(ヒュンダイ i20クーペWRC)
8位 テーム・スニネン/ヤルモ・レーティネン(フォード フィエスタWRC)
9位 勝田貴元/ダニエル・バリット組(トヨタ ヤリスWRC)
10位 ヤリ・フッツネン/ミッコ・ルッカ(ヒュンダイ i20 R5)