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トヨタ、2020年 WRC開幕戦でダブル表彰台。オジエ選手2位、エバンス選手3位フィニッシュ

ロバンペラ選手も5位フィニッシュでラリー・モンテカルロ全車完走

2020年1月27日 発表

2020年 WRC開幕戦で2位表彰台を獲得したセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(トヨタ自動車)は1月27日、フランスからモナコにかけて1月23日~26日(現地時間)に開催されたWRC(世界ラリー選手権)第1戦 ラリー・モンテカルロで、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組が総合2位、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が総合3位、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合5位で全車完走し、ダブル表彰台を獲得したと発表した。

 出場選手のラインアップを一新して臨んでいる同チームは、2020年シーズンの開幕戦となるラリー・モンテカルロの最終日となるデイ4までに同チーム内のオジエ/イングラシア組とエバンス/マーティン組がトップを争う展開を繰り広げたが、デイ4では初日を1位で終えていたヒュンダイのティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー組が、ボーナスポイントが与えられる最終SSの「パワーステージ」でもベストタイムを計測する勢いで巻き返しトップに立った。

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの最上位フィニッシュはオジエ/イングラシア組の2位
ラリー・モンテカルロの優勝はヒュンダイのティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー組。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamもダブル表彰台を獲得した
2位フィニッシュのセバスチャン・オジエ選手(左)とGAZOO Racing Company President 友山茂樹氏(右)
友山氏(左)と3位フィニッシュのエルフィン・エバンス選手(右)

 2位フィニッシュのオジエ/イングラシア組はパワーステージでもわずか0.012秒差の2番手タイムでボーナスの4ポイントを上乗せし、トップとのポイント差を最小限に止めた。3位フィニッシュのエバンス/マーティン組も計4回のベストタイムを計測。エバンス選手自身のモンテカルロベストリザルトでラリーを終えている。

 このラリーでWRC最上位クラス初出場を果たしたカッレ・ロバンペラ選手はミスのない安定した走りを見せ、デイ3の6位から1つ順位を上げて完走を果たした。また、「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジプログラム」として、2020年シーズンの全13戦のうち8戦にスポット参戦することになっている勝田貴元選手も「ヤリスWRC」で初参戦。総合7位フィニッシュを飾り、貴重な経験とドライバーズポイントを手にしている。

セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組のヤリスWRC #17号車
エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組のヤリスWRC #33号車
カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組のヤリスWRC #69号車

レース後のコメント

チーム総代表 豊田章男氏:2020年のWRCシーズンが始りました。今年は日本開催もあります。TOYOTA GAZOO Racingにとっては、8人の新たなドライバー/コ・ドライバーを迎えた新チームでのスタートでもありました。新チームでの開幕戦、全4台のヤリスが完走を果たせたこと、まずは嬉しく思います。そして、オジエ/イングラシア組2位、エバンス/マーティン組3位と素晴らしいシーズンスタートを切ることができました。時間のないなかで準備してくれたチームのみんな、ありがとう!

 しかし、先日の体制発表のステージ裏では、この新たなドライバーたちとも「We hate to lose」の合言葉を確認しあっていました。私も含め、みんなの心にも、悔しさが残った開幕戦でもあったと思います。今年のチームは“誰もが勝ちを狙える”チームです。次戦以降も常に表彰台の高いところを目指し、ヤリスをもっと強いクルマにし続けていきましょう。

 ファンの皆さま、今シーズンも応援よろしくお願いいたします。

追伸
セバスチャンとジュリアンへ。
連続する地元勝利をヤリスで止めてしまったこと、申し訳ない気持ちです。一緒にヤリスをもっと強いクルマにしていきましょう。そして多くの勝利を目指しましょう。We hate to lose!。

チーム代表 トミ・マキネン氏

チーム代表 トミ・マキネン氏:われわれにとって素晴らしい週末になりましたが、もちろん優勝を逃し、今日は少し残念に思います。われわれは常に学んでおり、今朝はドライバーたちがクルマに完璧なフィーリングを感じることができませんでした。その後、セットアップを少し変更したところ、彼らは速さを取り戻しました。WRC最高峰の戦いというのは、それくらいシビアなのです。セバスチャンとエルフィンが表彰台に立っただけでなく、初めてトップカテゴリーに挑んだカッレも5位でフィニッシュするなど、新たなドライバー体制で臨んだ最初のラリーで素晴らしい結果を残すことができたと思いますし、今後に期待できる1戦でした。

セバスチャン・オジエ選手

セバスチャン・オジエ選手:ポジティブな結果にとても満足しています。もちろん、さらによいリザルトを期待していましたし、チームに勝利をもたらしたかったのは事実です。しかし、新しい環境に適応することは常に大きな挑戦ですし、特にこのような難しいラリーではなおさらなので、素直に喜ぶべきでしょう。週末を通して、自分が快適に感じられる領域を越えないように走りました。わずかに優勝には届きませんでしたが、選手権を考えると22ポイントを獲得できたのは上々です。ラリー中はクルマのフィーリングがとてもよく感じられる時もあれば、十分な自信を得られず限界まで攻め切れない時もありましたが、それでもこのクルマのポテンシャルは十分に感じました。とても運転が楽しく感じられたので、もう少し時間が経てば、一緒に素晴らしい結果を掴むことができるはずです。

エルフィン・エバンス選手

エルフィン・エバンス選手:勝てるポテンシャルがあったと思いますので、今日は少し失望しています。ラリーをリードすれば自然と期待も高まり、優勝を狙いたくなるので、今は辛い気持ちです。とはいえ、全体的にはポジティブな週末でした。残念ながら、今日はフィーリングがあまりよくなく、一生懸命プッシュしましたが、スピードが伴いませんでした。すべてのコーナーを攻め切ることができず、それがタイムを失うことに繋がったと思います。学ぶべきことはまだありますが、全体的にはわるくないスタートになったと思いますし、きっと今後の礎になるでしょう。

カッレ・ロバンペラ選手

カッレ・ロバンペラ選手:よい週末だったと思います。今年のモンテカルロは本当にトリッキーで、コンディションが頻繁に変わるなど、新しいクルマを学ぶ場としては、かなり難しいラリーでした。しかし、週末を通して常に成長することができ、自分が慣れているコンディションで走った時は、少しいい走りができました。この週末は本当に多くのことを学びましたし、シーズンの開幕をミスなく終え、ポイントを獲得できたのは大きな収穫です。

ラリー・モンテカルロ デイ4の結果

1位 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー組(ヒュンダイ i20クーペWRC)
2位 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(トヨタ ヤリスWRC)
3位 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタ ヤリスWRC)
4位 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(フォード フィエスタWRC)
5位 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタ ヤリスWRC)
6位 セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ組(ヒュンダイ i20クーペWRC)
7位 勝田貴元/ダニエル・バリット組(トヨタ ヤリスWRC)
8位 エリック・カミリ/フランソワ-クサビエ・ブレジ組(シトロエン C3 R5)
9位 マッズ・オストベルグ/トシュテン・エリクソン組(シトロエン C3 R5)
10位 ニコラス・シャミン/ヤニック・ロシュ組(シトロエン C3 R5)