イベントレポート 東京オートサロン 2020
WRC最終戦 ラリージャパンでトリプルタイトル獲得を目指す2020年TOYOTA GAZOO Racing体制発表会
「誰がいつ勝ってもおかしくない布陣が整えられた」と豊田章男氏
2020年1月11日 09:06
- 2020年1月10日~12日 開催
- 入場料:特別入場券3500円、大人一般入場券2500円、中・高校生一般入場券1800円(全日とも保護者同伴に限り小学生以下無料)
幕張メッセ(千葉市美浜区)で開幕した「東京オートサロン2020」(1月10日~12日)。東館ホール8にブースを構えるトヨタ自動車は、午前中に行なわれた「TOYOTA GAZOO Racing プレスカンファレンス」に続き、午後からTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの2020年のWRC(FIA世界ラリー選手権)参戦体制を発表した。
ステージには、まずGAZOO Racing Company President 友山茂樹氏(トヨタ自動車 副社長)が登壇し、2019年シーズンを振り返った。全13戦で幕を閉じることになった2019年のWRCは、欧州、アジア、南米、北米の4大陸にまたがって開催され、延べ日数48日間、スペシャルステージの全距離は4114.8kmにもおよんだと前置き。
「極寒のアイスバーンから灼熱の台地まで、さまざまな道を走破する過酷なものでしたが、TOYOTA GAZOO Racingは6度の優勝と12の表彰台を獲得する素晴らしい成績を残すことができました」と述べるとともに、表彰台を独占したラリードイツをはじめ「全238ステージ中、107のステージでトップタイムを叩き出し、卓越した走行性能と速さを証明」「マニュファクチャラーズタイトルこそ逃しましたが、ドライバーズタイトルはオイット・タナック選手が第12戦のラリースペインで早々と世界チャンピオンを決める」など、素晴らしい成績を残したことを会場のファンに報告。「WRC復帰から3年になりますが、2年目でマニュファクチャラーズタイトル、3年目でドライバーズタイトル獲得と、ここまで順調に成果を挙げてこられたのも、ここにいる皆さまの応援とご支援のたまものでございます」と感謝を述べた。
2020年シーズンに関しては、新たにラリージャパンが開催されることに触れ、フィンランドに加えて日本で行なわれる最終戦が新たなホームグランドになるとコメント。「世界に2つのホームグラウンドを持つアドバンテージを最大限に発揮して、最終戦 ラリージャパンではドライバー、コ・ドライバー、そしてマニュファクチャラーズ、トリプルタイトルを獲得することを目指していきたい」と抱負を述べた。
友山氏のあいさつに続き、ステージにはトミ・マキネン代表、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンの各選手、勝田貴元選手、“モリゾウ”こと豊田章男氏が登壇。
豊田氏は新チームについて「誰がいつ勝ってもおかしくない布陣が整えられた」と述べ、昨シーズンより総合力がアップしたと評価。また、「今度のWRCの道ではどういうことをやってくれるんだろうなぁ」という期待値が上がってくると、毎戦毎戦が楽しみだとコメントした。
セバスチャン・オジエ選手:(トヨタを選んだ理由は)一番強いチームで戦いたいと現役である限り思い続けている。このチームで戦えることを光栄に思っている。今シーズン、強いクルマを用意してもらったので、その中で自分の力を発揮して精いっぱい戦いたい。
ジュリアン・イングラシア選手:モリゾウ選手が「負けるのが嫌い」と言っているので、自分もその精神で今シーズンを戦いたい。
エルフィン・エバンス選手:ヤリスは反応がよく、自分にはマッチしているマシン。強いマシンを用意していただいたのでこれで戦い抜きたい。
スコット・マーティン選手:クルマは速さを見せているし強さも見せている。TOYOTA GAZOO Racingで戦えることを光栄に思う。新コンビとなるエルフィン・エバンスと力を合わせて戦いたい。
カッレ・ロバンペラ選手:(WRCにフル参戦するのは)緊張している。ステップアップしてきたので学ぶことがたくさんある。周りに学びながら頑張りたい。
ヨンネ・ハルットゥネン選手:TOYOTA GAZOO Racingで戦えることを光栄に思っている。みんなで戦い、いい成績を出していきたい。
今シーズンの全8戦に「ヤリスWRC」で出場する勝田貴元選手は「そうそうたる3クルーと一緒にここに立っていることは光栄。自分自身、経験値をしっかり積んで、今年の後半から来年に向けて、この選手たちと同じようなところで争えることが目標」と述べるとともに、11月に開催されるラリージャパンでは「多くの人に見に来てほしい、その前でいい走りを見せられるように頑張りたい」と抱負を語った。
トミ・マキネン代表:テストでは強さを見せており、チームのモチベーションは高い。これまで4年やってきた中で成績が上がりはじめ、立ち上げ当初とはまったく違う気持ちで2週間後のモンテカルロに乗り込める。
最後に豊田氏が再びマイクを握り、「2017年から18年ぶりにWRCの道に復帰してまいりました。私の期待を大きく超えて、エキサイティングな、アメージングな結果を残してくれている」と述べるとともに、2020年はさらに力が加わるため期待してほしいとコメント。最後に「街を大きな音を立てて速く走ります。彼らはプロですので安全に試みます。大きい音を立てても楽しいよね、という世界を皆さんで作り上げていただきたいと思います」とファンにメッセージを送った。