ジェイテクト、ECU開発拠点譲受によりグローバルな開発体制を強化

MCU（Motor Control Unit）はモーターとその作動を制御するコンピューター（ECU）が一体となったモーターユニット

　ジェイテクトは5月13日、連結子会社であるKCI（KOYO CANADA）がKSR（KSR International）の保有するECU開発拠点Halifax R＆Dを譲受したと発表した。これにより自動車部品事業（ステアリング、駆動）のグローバルなECU開発体制が強化され、電子関連部品のさらなる高性能化に取り組むとしている。

ECU 開発拠点拡張の目的と今後の展望

　自動運転化への対応、ステアバイワイヤ、高出力システムなどの新規システムや要求拡大に対応するため、冗長設計、機能安全設計、高電圧対応など、電動パワーステアリング（EPS）に関連する技術ニーズはより高度化し、クライアントである自動車メーカーごとにそのニーズは多様化。

　Halifaxは従来から欧米市場向けにH-EPS用のMCUを開発するなど、ステアリング業界で15年以上の市場実績があるうえに、近年の高電圧システムの要求に対応する高電圧対応のECUの開発にも着手している企業。ジェイテクトはハードウェア/ソフトウェア/機能安全など電子部品の総合技術を持つHalifaxをグローバル拠点に加えることで、ステアリングに加えて駆動部品も含む自動車用電子部品用ECUのグローバルな開発体制強化の実現を目指す。

　今回の開発拠点譲受により、ジェイテクトは北米における自動車部品用ECU開発のリソース増強が可能となり、欧米を含む既存顧客へのサポート体制を充実させるとともに、乗用車のみならず、オフロード車両用を含めた新規商談に向けた開発体制が整ったとしている。今後はステアバイワイヤや高出力システムといったど新規システムの開発を強化し、欧米OEMへのステアリング製品の供給体制のさらなる強化を図るという。

事業譲受の概要