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ジェイテクト、新領域分野での研究開発・事業化を加速するため徳島大学と包括連携協定締結
「外部の先端技術の力を借りて積極的に連携し、新しい領域の技術の創出を加速させたい」
2019年6月12日 08:00
- 2019年6月11日 発表
ジェイテクトは6月11日、徳島大学と包括連携協定を締結した。今後、ジェイテクトが持つ既存事業での共同研究のほか、新領域分野での研究開発・事業化を加速するために横断的産学共同研究事業を立ち上げ、包括連携を通じて研究分野での交流を推進し、SDGs(持続可能な開発目標)の貢献に向けて既存事業に止まらない新産業創出と進行を目指していく。
具体的には、新領域分野での「横断的産学協同研究事業JTRP(JTEKT&Tokushima univ. Research Project)」を創設し、徳島大学では既存の学部と産業院、ジェイテクトは研究開発本部を中心としたメンバーで共同研究を実施。数年前から研究を進めている農工や理工に加え、ライフサイエンスなどでもテーマの探索を加速させ、共同研究を実施。
さらに、社会(地域)に貢献する新産業の創出や研究成果の還元、イノベーションにチャレンジする人材の育成と交流、教育などを、連携しながら進めていくとした。
同日に東京 銀座の東京ジェイテクトビルで行なわれた記者説明会では、ジェイテクトと徳島大学のつながりや、包括連携の内容などが紹介されたほか、調印式が行なわれた。
記者説明会ではまず、ジェイテクト 専務取締役 宮﨑博之氏が「ジェイテクトの前身企業である光洋精工の創業者、池田善一郎が四国の出身です。徳島では1960年代に工場や生産拠点を興して生産活動をしていますし、グループ会社の光洋シーリングテクノも徳島に本社を構えております。さらには、関係会社や取引先さまも四国、徳島に多数会社がありますし、生産拠点だけではなく、開発や技術のことでも徳島県や徳島大学にはお世話になっております。いろいろな協力関係をさらなる発展系という形にしたいということで、われわれの既存事業にとらわれることなく、目標達成に向けて共同研究や人材の交流・育成も含めて徳島大学との間で包括連携協定を結ぶ運びになりました」とあいさつ。
次に、徳島大学 学長 野地澄晴氏が「本学とジェイテクトさまは長年にわたり協力関係とさせていただいております。本学は理系を中心とした総合大学でございますが、農工や理工、医工といういろいろな分野の連携を行なっておりまして、異分野融合による共同研究を推進することが重要と捉えております。そのことが新たな産業の創出や地域への社会貢献をできると確信しております。徳島の活性化には新産業の創出が不可欠であると大学としても考えております。本協定の締結によりまして、ジェイテクトさまと一緒に新産業を創出していければと期待しております」とあいさつを行なった。
続けて、徳島大学 産業院長 森松文毅氏が徳島大学について、ジェイテクト 執行役員 林田一徳氏がジェイテクトについてそれぞれ紹介を行なった。
徳島大学は2019年に創立70周年を迎え、3つのキャンパスと、3つの研究フィールドを持つ。「地域社会に新産業を創出すること」を目標に、基礎研究と応用研究を社会に還元し、企業を対象に新しいイノベーションを生み出す場として「徳島大学産業院」を設立。「企業の方にも大学に入っていただき、一緒に研究を行なっている」という。
ジェイテクトは1921年に創業した光洋精工と、1941年に設立した豊田工機を前身とした企業で、世界のトップシェアを誇るステアリングや駆動系部品を中心とした「JTEKT」ブランド、軸受けを中心とした「Koyo」ブランド、工作機械・メカトロニクスを中心とした「TOYODA」ブランドで事業を行なっている。また、研究開発本部の事業部として新規分野の開拓を目指すFFR(Future&Frontier Research)部を3年ほど前に立ち上げ、新領域分野の研究開発と事業化を目指しているという。
また、林田氏はジェイテクトが考える新技術領域創出のビジョンについて「モノづくり、コトづくりを通じてSDGsの貢献を目指すところへ持っていきたい」と説明。「既存事業が持つ技術や、研究開発本部が持っている技術・研究領域といったところに加え、外部の先端技術の力を借りながら、積極的に連携してスピーディに推進することで新しい領域の技術の創出を加速させていきたい」とした。