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ジェイテクト、「ステアリング」「駆動系部品」「軸受」3分野など事業戦略説明会
安形社長直轄で開発に取り組むパワーアシストスーツ「J-PAS」紹介
2018年12月25日 00:00
- 2018年12月12日 開催
ジェイテクトは12月12日、2018年度中間決算を踏まえた各事業の事業戦略について説明会を開催した。
説明会では、ジェイテクト 取締役社長の安形哲夫氏が会社概要や業績、中期経営計画などについて解説。軸となる「ステアリング」「駆動系部品」「軸受」の3つの分野に加え、自動運転によるバス停とバスの間が40mm(±20mm)という距離で停止できるバスの正着制御、通常は65℃のところ85℃までの耐熱性能を持つリチウムイオンキャパシタなどの技術を紹介した。
ジェイテクトは1921年創業の光洋精工と、1941年設立の豊田工機が合併して2006年に発足。ベアリング(軸受)の「Koyo」ブランド、工作機械の「TOYODA」ブランド、ステアリングや駆動系部品といった自動車用部品を「JTEKT」ブランドでそれぞれ製造している。
説明の中で安形氏は、現在約25~26%というステアリングのシェアについて、2位メーカーのシェアは約13%というところから「ダントツの1位」と話し、「これを死守しないと会社のアイデンティティが危うくなると考えています。25%を死守するだけでもかなりの大型投資をしなければならないのですが、まずはNo.1であり続けることが命題です」と今後について述べた。
駆動系部品については、パワーステアリングが徐々に電子化していく中で、これまで培ってきた油圧に関する技術をモーターの冷却に応用したり、「少し開発が出遅れてしまった」という4WDシステム開発において電動化を進めたりして「減ってしまった受注を取り返して、元に戻そうという取り組みを行なっています」と話した。
軸受けに関しては、「現在の世界で5番目のシェアというところから、トップシェアにしたい」と述べ、生産能力や生産性、現場力といった自力を付けてオペレーションをレベルアップしていくとしたほか、工作機械や宇宙、航空などの分野で活用を見込む「サブミクロンの高精度」という日本初の超高性能軸受けを開発して、生産に向けた設備投資を行なっているとした。
説明の後には、安形氏が直接指揮をして開発を行なってきたというパワーアシストスーツ「J-PAS(ジェイパス)」シリーズの第2弾となる「J-PAS LUMBUS(ジェイパス ランバス)」の紹介も行なわれた。
J-PASは、電動パワーステアリングの技術を応用して、人の動きに調和するパワーアシストスーツ。重い物を持ち上げる際などにアシストをして、少ない力で身体に負担をかけないようにすることができる。
第2弾のJ-PAS LUMBUSは、業界最大クラスのアシストトルクを持つJ-PASが「大きすぎる」「そこまでの大きなトルクはいらない」という声を受けて小型・軽量化した中出力タイプ。2019年春の販売開始を予定している。