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ルネサス、用途の幅が広い先進的センサシグナルコンディショナIC「ZSSC3240」

高性能かつ小型で高い柔軟性を持ち、センサプラットフォームの開発を容易化

2020年5月13日 発表

 ルネサス エレクトロニクスは5月13日、抵抗型圧力センサや医療用赤外線体温計などのセンサ用途に向け、高精度、高感度、および高い柔軟性を実現するSSC(センサシグナルコンディショナ)の新製品「ZSSC3240」を発売した。1万個一括購入時の参考価格は1.57米ドル/個(税別)。

 ZSSC3240は4mm×4mmの24ピンQFNパッケージで、クラス最高の性能と応答性となる最大24ビットのアナログ・デジタル変換(A/DC)分解能が特徴。また、柔軟性の高いセンサアナログフロントエンドと、さまざまな出力インタフェースを持ち、ほとんどの抵抗型および絶対電圧センサ素子での使用が可能。これによりユーザーは、単一のSSCデバイスから完全なセンシングプラットフォームの開発が可能になるという。

 さらにZSSC4320はコンパクトサイズなので、産業用圧力伝送器、HVACセンサ、重量計、ファクトリオートメーション機器、スマートメータ、ヘルスケアモニタなど、産業、コンシューマ、および医療分野の幅広いセンサ応用機器に利用可能。

 また、微細加工されたシリコンベースのセンサ素子は、ほとんどの場合、非線形で非常に小さな信号を出力することから、センサ素子開発にはセンサ信号を線形化した出力に変換するために特別な技術が必要となる。しかし、ZSSC3240はプログラム可能で精度が高く、ワイドなゲイン設定や量子化機能に、効率よく高次デジタル補正と線形化を組み合わせることで、センサインタフェースの設計と製造の両面の支援を可能とした。

 さらに、高性能で柔軟性の高いセンサフロントエンド設定とアナログ出力オプションにより、ZSSC3240を使用したセンサプラットフォームを容易に設計でき、ユーザーはSSCにかけるコスト効率を改善しながら、幅広いセンサ素子の開発も可能にする。

 ルネサスのエマージングマーケット事業部、センシングソリューション担当のシニアディレクターであるウーヴェ・ゲンサー氏は「ルネサスはクラス最高の技術とノウハウ、知見を結集し、1つのデバイスを幅広い機器に使用できる完全なセンシングプラットフォームをクライアントが容易に構築できるよう、パフォーマンス重視のオールインワンソリューションを作り上げました。ユーザはSSCの卓越した性能とコンパクトなサイズ、そして何よりも柔軟性の高い特徴を活かして、スマートファクトリ、スマートビルディング、スマートエネルギ、スマートヘルスケアなどの分野で、次世代のセンサ応用機器を実現することができます」とコメント。

ZSSC3240 SSCの主な特徴

・最大24ビットA/DC分解能でセンサ補正の高精度を実現
・最大540V/Vに対応する高利得アナログフロントエンド
・高精度のセンサキャリブレーションを実現する26ビットDSPを内蔵
・4-20mA電流ループ出力、アナログ電圧出力、およびI2C、SPI、OWIなどのデジタルインタフェースに対応
・医療およびセーフティ応用機器向けのオンチップ診断機能供給