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ルネサス、2020年第2四半期決算。自動車向け事業は減少ながらも産業・インフラ事業で盛り返す

第3四半期もほぼ横ばいと予想

2020年7月30日 発表

 半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスは7月30日、2020年12月期 第2四半期決算説明会をオンラインで開催した。登壇したのは、代表取締役社長兼CEOの柴田英利氏、執行役員常務兼オートモーティブソリューション事業本部長の山本信吾氏、執行役員兼CFOの新開崇平氏。

 まず柴田社長より「今回は5月下旬の説明会に比べると、いい意味で特に何もなく、安心して臨めている。また、8月6日に中期経営計画“Strategy Update説明”を控えているので、今日はあくまで決算中心の説明会となります」と挨拶があり、続いて新開氏より説明が行なわれた。

 新開氏は、第二四半期(4月~6月)の売上収益は1667億円、売上総利益率は47.5%、営業損益率302億円(18.1%)、当期損益237億円。5月29日に発表した予想に対して、マイナス要因が発生しなかったことで102億円ほど増収したと報告。

 売上収益の四半期推移では、全体としては2019年比マイナス13.5%、自動車向け事業は同マイナス23.2%、産業・インフラ・IoT向け事業は同マイナス2.1%。営業利益率が14.0%→18.1%と、5月に発表した予想より4.1%高まった要因として、製品ミックスの改善と製造費用等がプラスに寄与したことを挙げた。また営業費用も減少したことで、結果的に利益率を高める要因となったという。ただし対前四半期では、生産回収が減少、製造費用等も増加したことで結果的に減少に作用し、マイナス0.7%での着地となった。

売上収益 四半期推移
2020年12月期 第2四半期 売上総利益率・営業利益率
売上総利益率・営業利益率・OPEX推移

 また、在庫状況は2020年度に入り増加を続けていて、自動車向けが6割、産業・インフラ向けが4割。販売チャネル在庫に関しても第二四半期で増加。特に自動車向けについては在庫過剰と認識していると報告した。6月に一部工場の生産調整を実施しているため第2四半期は対前四半期で20%程減少し、50%という結果になったが、第3四半期では微増する予定という。

 第2四半期をセグメント別で見ると、自動車向け事業の売上総利益率36%程度。営業利益率は10%強、産業・インフラIoT向け事業の売上総利益率は57%程度、営業利益率は26%強となった。

在庫状況
前行程稼働率四半期推移
NON-GAAP EBITDAおよびGAAPキャシュ・フローの状況
セグメント別の売上収益・利益・EBITDA四半期推移

 第3四半期の予想については、対前四半期でほぼ横ばい程度だが、自動車向け事業はマイナス、産業・インフラ・IoT向け事業は微増を見込み、売上収益は1630~1710億円。また、約半分が過剰生産による利益の先食いの掃き出しに相当するため、売上総利益率は45.5%。営業利益率は14.5%程度での着地を予想していると報告した。

2020年12月期 第3四半期予想
2020年12月期 第2四半期・第3四半期売上総利益率の増減