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ルネサス、LD/PD事業撤退を決定。滋賀工場の生産ラインを停止

2020年5月15日 発表

 ルネサス エレクトロニクスは5月15日、LD(レーザーダイオード)、PD(フォトダイオード/フォトディテクタ)事業からの撤退を決定し、化合物半導体製品を生産している同社100%子会社ルネサス セミコンダクタマニュファクチュアリング(RSMC)の滋賀工場(滋賀県大津市)の生産ラインを停止すると発表した。

 なお、滋賀工場については、2018年6月の発表で2年から3年後にシリコン製品の生産ラインを停止する方針を伝えていたが、今般のLD/PD事業からの撤退に伴う生産ラインの停止決定を受けて、同工場における全ての生産ラインを可及的速やかに停止する予定。

 今後の見通しとして、供給停止対象製品の扱いについては、今後の対応について同社担当営業を通して顧客と相談する方針。

 また、滋賀工場の運営については、顧客との協議を踏まえながら同拠点における全ての生産活動を可及的速やかに停止予定。従業員については原則として同社の他の事業や工場に再配置することを予定している。

 LD/PD事業撤退の背景や理由については、滋賀工場におけるシリコン製品の生産停止と同時に生産ラインをコンパクト化し生産効率を維持・改善することで、光通信市場での事業拡大が見込めると判断していた。

 しかし、近年の技術・価格競争の激化に伴う既存製品のシェア低下や、次世代通信に向けた新商品開発の遅延などにより、当初期待していた売上の確保が困難な見通しとなった。そのため、滋賀工場における生産ラインの合理化を行なっても、同拠点を活用したうえでの継続的な収益確保は極めて厳しいとの判断に至った。

 同社としては、LD/PD製品の製造・供給体制を維持するため、可能性のあるルネサスグループ内の他拠点や国内・海外のパートナー企業を模索し、さまざまな観点から移管可能性を鋭意検討してきたが、当該事業や製品の特性上、合理的時間軸の中で生産移管を実現することは極めて困難であり、事業撤退せざるを得ないとの結論に至ったとしている。