日産の運転支援システム「プロパイロット 2.0」中核的機能にルネサスの「R-Car」など採用

新型「スカイライン」に搭載される運転支援システム「プロパイロット 2.0」に、ルネサスの「R-Car」と「RH850」が採用

　ルネサス エレクトロニクスは8月7日、日産自動車から9月に発売される新型「スカイライン」のハイブリッドモデルに搭載される世界初の運転支援システム「プロパイロット 2.0」に、ルネサスの車載用製品が中核的機能として採用されたと発表した。

　プロパイロット2.0で走行判断と制御を行なう「運転支援システムECU（電子制御ユニット）」に採用されたのは、ルネサスの車載用SoC（System on Chip）である「R-Car」と、車載制御用マイコンの「RH850」の2つ。

　プロパイロット2.0が実現する「インテリジェント高速道路ルート走行技術」では、「同一車線内のハンズオフ機能」「ナビ連動ルート走行機能」などが利用可能となっており、同一車線内のハンズオフ機能では、カーナビ情報として車載しているHDマップ（3D高精度地図データ）に、カメラとフロントレーダなどを使って把握した自車の周辺状況などをR-Carが合成して「周囲の環境マップ」を生成。ここに地図データとレーン情報を組み合わせて自車位置を定める。これらの情報を利用してR-Carが車両の行動計画を判断し、その情報がRH850に送られ、ステアリングやアクセル＆ブレーキなどを操作する各ECUに制御指令を発信するという。

プロパイロット2.0は、写真の「スカイライン GT Type SP」といったハイブリッドモデルに標準装備される

プロパイロット2.0で車両周辺状況を把握する「トライカム」

ステアリングスポーク右側にプロパイロット 2.0などの操作スイッチをレイアウト

　発表内で日産自動車 電子技術・システム技術開発本部 理事/VPの吉澤隆氏は、「スカイラインのプロパイロット 2.0を実現するためには、従来の何倍ものセンサー情報をリアルタイムに処理して性能と信頼性を確保するという技術革新が必要でした。日産は、ルネサスなどパートナーさまとの長年に渡る協力関係の下、先進運転支援技術の実用化に向けた技術開発を推進しており、成果として、世界に先駆けてプロパイロット2.0を実現できたことを嬉しく思います」とコメント。

　また、ルネサス エレクトロニクス 執行役員常務 兼 オートモーティブソリューション事業本部長の山本信吾氏は「今回、ルネサスの車載半導体がスカイライン搭載のプロパイロット 2.0に採用されたことを光栄に思います。半導体の処理性能や品質のみならず、先進運転支援システムECUのシステム全般のプロジェクトのパートナーとして信頼していただき、技術力を結集して共に開発できました。今後も引き続き関係を強化、継続してまいります」と述べている。