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日産、「プロパイロット 2.0」搭載で大幅改良した新型「スカイライン」。405PS/475NmのV6ツインターボ搭載「400R」も
「NissanConnect」でナビのOTAアップデートもスタート
2019年7月16日 10:00
- 2019年9月 発売
- 427万4640円~632万7720円
日産自動車は7月16日、プレミアムセダン「スカイライン」に先進運転支援技術「プロパイロット 2.0」を搭載し、内外装の変更、エンジンラインアップの変更などを行なって9月に発売すると発表した。価格は427万4640円~632万7720円。
スカイラインは1957年4月に初代モデルが誕生し、62年が経過している日産の代表的車種。13代目モデルとして2014年2月に発売された現行型は、スカイラインの車名を継承しつつ、フロントグリルやホイールセンターキャップ、車内のホーンパッドなどにインフィニティのエンブレムを装着して注目を集めたが、今回の内外装変更に伴い、それぞれほかの日産車と同様の社名エンブレムに変更された。
モデル | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 | 燃費 |
---|---|---|---|---|---|
GT Type SP | V型6気筒DOHC 3.5リッター+モーター | 7速AT | 2WD(FR) | 6,048,000円 | 14.4km/L(JC08モード) |
GT Type P | 5,711,040円 | 14.4km/L(JC08モード) | |||
GT | 5,474,520円 | 14.4km/L(JC08モード) | |||
GT Type SP | 4WD | 6,327,720円 | 13.6km/L(JC08モード) | ||
GT Type P | 5,990,760円 | 13.6km/L(JC08モード) | |||
GT | 5,754,240円 | 13.6km/L(JC08モード) | |||
GT Type SP | V型6気筒DOHC 3.0リッターターボ(304PS/400Nm) | 2WD(FR) | 4,818,960円 | 10.0km/L(WLTCモード) | |
GT Type P | 4,554,360円 | 10.0km/L(WLTCモード) | |||
GT | 4,274,640円 | 10.0km/L(WLTCモード) | |||
400R | V型6気筒DOHC 3.0リッターターボ(405PS/475Nm) | 5,523,120円 | 10.0km/L(WLTCモード) |
5月に行なわれた2018年度の通期決算説明会で西川廣人社長が「新型『スカイライン』に搭載してまもなく発表する」と明言した、日産の次世代の運転支援技術であるプロパイロット 2.0は、その後に行なわれた報道発表や技術説明会の記事でも紹介しているように、「HDマップ」「360度センシング」「インテリジェントインターフェース」という3つの新技術を活用して運転をサポート。ハイブリッドモデル全車で標準装備となるプロパイロット 2.0の主な機能は以下の3点。
同一車線内でのハンズオフ機能
純正カーナビで目的地を設定し、ルート上にある高速道路の本線を走行している状態で車両がステアリング操作を担当。ドライバーが手放しで走行を続けられる。
ルート走行中の車線変更と分岐、追い越し時の車線変更の支援機能
ハンズオフ機能を利用した走行中に、設定速度よりも遅い先行車がいた場合や、道路が分岐した時など車線変更が必要になると、周囲の状況をセンシングして車両が適切な車線変更のタイミングを判断。画面表示によって車線変更をドライバーに提案し、ドライバーがステアリングに手を添えた状態でステアリングのスイッチを押して車線変更を承認すると、車線変更の支援がスタートする。
プロパイロット緊急停止時 SOSコール機能
プロパイロット 2.0が作動している状態で、ドライバーの前方注視が確認できない状況が続いたり、ハンズオンを促す警報に反応しないといった場合に、車両が周辺の状況を確認しつつ走行中の車線内で緊急停止。専用オペレーターに自動接続する。
なお、ハンズオフ機能は高速道路の走行中でも、中央分離帯のない対面通行路、GPS信号が途絶するトンネル内、ステアリングの操作が大きくなるカーブ、料金所や合流、車線数が減少する地点やその手前などでは利用できない。ハンズオフ機能が作動している状態で対象のポイントに接近すると事前にドライバーに通知を行ない、ドライバーがステアリング操作を引き継ぐことになる。
また、常に高い鮮度が求められるプロパイロット 2.0のHDマップを最新状態に保ち、高速道路以外での走行時にも最新地図データで安心・安全を提供するため、日産のコネクテッドサービス「NissanConnect」で新たに「OTA(Over The Air)自動地図更新」を提供開始。さらにNissanConnectでは、スマートフォンと純正カーナビを連携させ、クルマに乗る前から最終目的地までシームレスに道案内する「ドア to ドアナビ」、NTTドコモの有料オプション契約によって車内をWi-Fi環境にする「docomo In Car Connect」などのサービスも開始する。
“スカイライン史上最強”の405PS/475Nmを手に入れた「400R」
ターボエンジンは従来のダイムラー製 直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボから、2018年モデルとして北米市場などで発売した「インフィニティ Q50」で採用をスタートしたV型6気筒 3.0リッターツインターボエンジン「VR30DDTT」型にスイッチ。
国内販売の日産車で初となる「新ターボシステム」「水冷式インタークーラー」に加え、可変動弁システムの「電動VVT」、低フリクション化を図れる「ミラーボアコーティングシリンダーブロック」、軽量化と静粛性向上を実現する「エキゾーストマニホールド一体シリンダーヘッド」といったキーテクノロジーを採用。
新ターボシステムでは小径タービンとコンプレッサーを使って高いレスポンスを実現し、GT系グレードでは最高出力224kW(304PS)/6400rpm、最大トルク400Nm(40.8kgfm)/1600-5200rpmを発生。また、新グレードの「400R」では“スカイライン史上最強”という最高出力298kW(405PS)/6400rpm、最大トルク475Nm(48.4kgfm)/1600-5200rpmを発生する。
足まわりでも、国内販売の日産車で初採用の「IDS(インテリジェントダイナミックサスペンション)」を400Rに標準装備し、ターボエンジン搭載のGT Type SPにオプション設定。
スカイラインの特徴的な装備となっている「DAS(ダイレクトアダプティブステアリング)」との相互制御を行なうIDSは、ソレノイドアクチュエーターで減衰力を可変制御するセミアクティブタイプのショックアブソーバーを備えるシステム。常に車体姿勢を水平状態に保つよう姿勢制御を行ない、通常時は減衰力を低くして乗り心地を高め、コーナーリングなどのシーンでは減衰力を高めて操縦安定性を引き上げる。
一般的な加速度センサーを使う制御とは異なり、4輪の車輪速データによって減衰力を制御。日産では車輪速の微小な変動がサスペンションのストローク速度と相関関係があることを突き止め、加速度センサーを使うことなく車両の状態をロジックによって推定。減衰力を最適制御できるようにしている。
また、DASから「ステアリング操作でこれからタイヤに舵角が付く」といった情報がIDSの制御に送られ、実際にタイヤが動き始める前に低く設定していた減衰力を高め、ロールの発生を抑えるといった制御も行なわれる。
全車採用となったDASではステアリング操作初期の応答性を高め、ライントレース性を向上。低速域から中速域にかけては操舵に対する過敏さを抑制しつつ、車両の応答性を引き上げている。
外観では前出のエンブレム変更のほか、フロントグリルに日産ブランドの象徴である「Vモーショングリル」を採用。グリル形状が変化したことからフロントバンパーもデザインが改められ、ターン・フォグランプのフィニッシャーも変更。リアではスポーツエキゾーストフィニッシャーを装着し、リアコンビネーションランプはスカイラインのデザインアイコンとなっている丸目4灯スタイルに変更。フルLEDタイプの丸目4灯リアコンビネーションランプは均一な発光で先進性をアピールしつつ、後続車にひと目でスカイラインと分かるデザインとしている。ボディカラーには新色の「カーマインレッド」を追加して、全10色をラインアップする。
インテリアでは、ハイブリッドモデルにプロパイロット 2.0で必要なプロパイロットスイッチやドライバーモニター、国内販売の日産車初となるカラーヘッドアップディスプレイ、7インチアドバンスドドライブアシストディスプレイ、電動パーキングブレーキ(ターボモデルは足踏み式)などを装着している。