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日産、“スカイライン史上最強”の405PSモデルも追加された新型「スカイライン」発表会

プロパイロット 2.0はフェンシング 太田雄貴氏も「言葉を失うぐらい感動した」と絶賛

2019年7月16日 開催

新型「スカイライン」発表会でフォトセッションに立った「Nissan Excitement Ambassador」の太田雄貴氏(左)、日産自動車株式会社 執行役副社長 星野朝子氏(中央)日産自動車株式会社 執行役副社長 中畔邦雄氏(右)

 日産自動車は7月16日、同日に発表した新型「スカイライン」の発表会を神奈川県横浜市にあるグローバル本社で開催した。

 13代目となる現行型スカイラインは2014年2月に発売された日産のプレミアムセダン。新たに「高速道路でのハンズオフ走行」などを実現する先進運転支援技術「プロパイロット 2.0」を採用し、ターボモデルのエンジンを変更。内外装も改めて9月から販売が開始される。価格は427万4640円~632万7720円。

 このほか、グレード展開などの詳細は、関連記事の「日産、『プロパイロット 2.0』搭載で大幅改良した新型『スカイライン』。405PS/475NmのV6ツインターボ搭載『400R』も」「写真で見る 日産『スカイライン』(プロパイロット 2.0搭載)」を参照していただきたい。

 また、日産のYouTubeチャンネルでは発表会の模様をライブ配信。現在もアーカイブ動画として視聴可能となっているので、合わせてご確認いただきたい。

【中継】新型「#スカイライン」発表記者会見(1時間15分13秒)
スカイライン GT Type SP(ハイブリッド)
ボディサイズは4810×1820×1440mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2850mm
ボディカラーはGT Type SPと400R専用の新色「カーマインレッド」
フロントグリルを「Vモーショングリル」に変更し、中央に日産の社名エンブレムを装着
リアコンビネーションランプは丸目4灯タイプに変更された
フロントウィンドウの「トライカム」
ハイブリッドモデルのエンジンルーム。V型6気筒DOHC 3.5リッターエンジン「VQ35HR」型は最高出力225kW(306PS)/6800rpm、最大トルク350Nm(35.7kgfm)/5000rpmを発生し、モーターでは最高出力50kW(68PS)、最大トルク290Nm(29.6kgfm)を発生する「HM34」型を採用する
新グレードの400Rも初公開
「ブリリアントホワイトパール」の400R
400R専用のガンメタ塗装19インチアルミホイールと4輪アルミレッドキャリパー対向ピストンブレーキを採用
ブラック塗装のドアミラーも400R専用アイテム
デュアルエキゾーストのテールパイプフィニッシャーが400R専用デザインとなる
トランクリッドの右上に400Rのエンブレムをレイアウト
400Rに搭載するV型6気筒 3.0リッターツインターボエンジン「VR30DDTT」型。最高出力298kW(405PS)/6400rpm、最大トルク475Nm(48.4kgfm)/1600-5200rpmを発生

「スカイラインは技術に挑み続ける特別なクルマ」と中畔副社長

日産自動車株式会社 執行役副社長 星野朝子氏

 発表会では最初に、日産自動車 執行役副社長 星野朝子氏が登壇。星野副社長は「本日発表いたしました新型スカイラインは、まさに日本のクルマ社会を作り、切り拓いてきたクルマで、長い日産の歴史を象徴するモデルと言えます。そして何度モデルチェンジを繰り返しても、常に日本のお客さまの憧れのクルマとして存在し続けてきたのがこのスカイラインです。これまでに国内では300万台以上が販売され、現時点でも20万台以上のスカイラインが日本の道路を走っています。今年で62年目、62歳になるスカイラインは、日産車の中で最も古い歴史を持つモデルとなっています。同じ名称で60年以上もの長い期間にわたって存在し続けるクルマは、自動車の歴史の中でも貴重な存在と言えると思います」。

「個人的な話になりますが、私も実は学生時代に免許を取って最初に乗ったのが、家にあったスカイラインでした。社会人になって、自分のお金で初めて買ったクルマもR32型のスカイライン GTS-tというターボモデルでした。私にとってもスカイラインは本当に憧れのクルマであり、自分の人生とともに存在し続けてくれた愛おしい存在と言えます」。

「日産にしかできない技術、日産が持つあらゆる安全技術を詰め込んだ新型スカイラインは、必ずや多くのお客さまに『さすが日産』『やっぱり日産だね』と思っていただけると自負しております。また、もちろんスカイラインのDNAである走りも、さらに磨きがかかっておりまして、皆さんの期待を超える“速いスカイライン”が完成いたしました」と語り、新たに生まれ変わるスカイラインについて説明した。

日産自動車株式会社 執行役副社長 中畔邦雄氏

 星野副社長に続いて、日産自動車 執行役副社長 中畔邦雄氏が登壇。日産の製品開発について統括している中畔副社長は「われわれ日産のエンジニアにとって、スカイラインは技術に挑み続ける特別なクルマです。歴代スカイラインはすべてのモデルで、その時代ごとに持つ日産の最新技術を搭載してきました。もちろん、走る、曲がる、止まるという基本性能でアップデートを繰り返し、常に最高のドライビングフィーリングを提供してきました。だからこそスカイラインは、日本の自動車市場においてトップランナーとして走り続けることができたと考えています」。

「今日発表いたします新型スカイラインでも、最先端テクノロジーがドライバーの心を高揚させる歴代スカイラインの志を受け継ぐモデルとして仕上がりました」とコメント。新型スカイラインに搭載している「DAS(ダイレクトアダプティブステアリング)」「IDS(インテリジェントダイナミックサスペンション)」で“スカイラインらしい”ハンドリングと乗り心地を両立していることを解説し、すでに技術発表も行なっているプロパイロット 2.0で日産が追及している「ゼロ・フェイタリティ」(交通事故の死亡・重傷者数をゼロにする取り組み)に1歩近づいたと述べた。

日産自動車株式会社 チーフビークルエンジニア 徳岡茂利氏

 新型スカイラインの車両解説は、チーフビークルエンジニアを務めた徳岡茂利氏が実施。スカイラインは常に最新技術を搭載し、“技術の日産”を象徴するクルマであると徳岡氏は語り、新型スカイラインは今後の「ニッサン インテリジェント モビリティ」の核になるプロパイロット 2.0と進化した「NissanConnect」を搭載。また、改めて「日産のスカイライン」であることを宣言するため、デザインで自分たちの意思を表現していると説明した。

フロントマスクではVモーショングリルと日産のエンブレムなどで日産車であることをアピール。リアコンビネーションランプは丸目4灯のデザインに改めてスカイラインのヘリテージを強調する
新型スカイラインの進化ポイントとなる4点
プロパイロット 2.0のキー技術は「3D高精度地図データ」「360度センシング」「インテリジェントインターフェース」の3点
3D高精度地図データを備えることで自車位置を「センチメーター級」の精度で測位し、カメラでは認識できない位置にあるカーブに備えた車速制御やレーンレベルの走行計画を立案できる
車両から次のアクションをドライバーに提案し、ドライバーの承認アクションを経て実際にアクションを行なう「対話型」のインターフェースも大きなポイントになると徳岡氏
プロパイロット 2.0による車線変更のシークエンス
進化した「NissanConnect」でポイントになる4つの機能
ドライバーモニターがドライバーの異常を検知した場合、ハザードランプを点灯させながら車線内で停車。専用オペレーターに自動接続され、オペレーターが必要に応じて緊急要請などを行なう「プロパイロット緊急停止時 SOSコール機能」
スマートフォンと純正カーナビを連動させてスタート地点から目的地まで案内する「ドア to ドアナビ」
新採用のV型6気筒 3.0リッターツインターボエンジン「VR30DDTT」型では、国内販売の日産車で初となる「新ターボシステム」「水冷式インタークーラー」などの採用で405PS/475Nmを実現
400Rで標準装備、GT Type SP(ターボエンジンモデル)にオプション設定する「IDS(インテリジェントダイナミックサスペンション)」は、DASと連動する相互制御で安定した車両挙動を実現する

プロパイロット 2.0は「言葉を失うぐらい感動した」と太田雄貴氏

太田雄貴氏がゲスト出演したトークセッション

 発表会の後半には、7月12日から「Nissan Excitement Ambassador」に就任した元フェンシング選手で日本フェンシング協会会長の太田雄貴氏がゲスト出演し、星野副社長、中畔副社長、司会者の4人でトークセッションを実施した。

 トークセッションの冒頭では、ひと足早く新型スカイラインに試乗し、プロパイロット 2.0を体験した太田氏にその簡潔な感想が求められ、「凄い! 言葉を失うぐらい感動しました」と太田氏はコメント。続けて実際の試乗シーンが動画で紹介された。

日産「プロパイロット 2.0」を体験する太田雄貴氏(3分32秒)

 動画が紹介されたあと、太田氏は「まだ皆さん乗られていないと思うんで、『大げさだな』『うるさいヤツだな』と思われるかもしれませんが、本当に凄いんですよ。まるで道路に線路があるかのように、こんなにも正確にビシッと走っていくのかと驚くぐらい走るんです。自分で運転するとどうしてもフラフラしちゃうんですけど、そういったものがまったくと言っていいほどないので、驚きと感動でいっぱいでした」と感想を紹介。

 このコメントを受けて星野副社長は「目の付け所が『さすがスポーツマン』って感じですね」と評価しつつ、自身がプロパイロット 2.0を体験した感想について、とにかくステアリングが動くことにも驚いて悲鳴を上げていたという。また、太田氏と星野副社長は「最初は怖い」と共通する感想を述べつつ、しばらく乗り続けると大きな安心感が出てくると説明。星野副社長はこの状況を「自分の運転よりはるかに信頼できる“私の愛車君”って感じ」と表現した。

プロパイロット 2.0を体験した感想で「最初は怖い」と一致する太田氏(左)と星野副社長(右)。しかし、乗っているうちに信頼度が高まっていき、クルマのことを「かわいい」と感じるとも2人で語っていた

 プロパイロット 2.0の技術詳細を中畔副社長が解説しながらトークセッションが進み、技術面について太田氏が車線変更の支援について、ただボタンを押すだけで追い越しが行なわれてとくにドキドキした技術だったと感想をコメント。車線変更支援について中畔副社長に詳しい解説を求めるシーンもあった。

 また、太田氏は新型スカイラインの試乗と自身の活動についての共通点として「フェンシングでも前例にとらわれないさまざまなチャレンジを続けています。例えば、日産の『リーフ』から電源を取ってフェンシングをするといった取り組みをしています。運転してあらためて思ったんですが、クルマを運転する喜びとプロパイロット 2.0で人間が楽をさせてもらっている安心感を同時に体験できるのがこのスカイラインなんだろうと思います。僕たちも感動体験を提供しつつ、どきどきわくわくを提供できるような競技団体になりたいと思いました」とコメントした。

「まず、僕にだまされたと思ってぜひ(新型スカイラインに)試乗してみてください。本当に、いかに運転というものが楽しくもあり、また体に負担がかかっているのかということがプロパイロット 2.0で体験できると思います。また、皆さんの感想をいろんな人に伝えていってほしいと思っています。本当に心からお薦めです」と太田氏
「スカイラインは、かつて海外のスポーツカーをレースで1周だけですが抜いたことがあって、日本中が湧き上がって日本の技術に高揚感やプライドを持ったというDNAを持っているクルマです。技術者がそれを継承して、どんどん新しく生み出していく積み重ねがスカイラインです」と星野副社長
「今日説明したような機能は、太田さんもおっしゃっていただきましたが、100回聞くより自分で運転して体感いただくのが一番です。せひ皆さんに体感いただいて、できれば好きになっていただきたいと思います。また、今後も日産の技術はこれ以外にももっともっと進化させていきますので、引き続きご期待をよろしくお願いします」と中畔副社長
GT Type SP(ハイブリッド)のインテリア。内装色はベージュ
本革巻ステアリングの中央にあるエンブレムが「インフィニティマーク」から「NISSAN」に変更された
ステアリングスポーク左側のスイッチはオーディオやハンズフリー通話などに対応。右側はプロパイロット 2.0などの操作スイッチとなる
インパネ中央に設置されるドライバーモニター
センターコンソールのツインディスプレイ
ハイブリッドモデルは全車電動パーキングブレーキを採用
400Rのインテリア。サイドサポートがキルティングステッチ入りとなる本革スポーツシートを専用装着
ステアリングやシフトセレクター、シートドアトリムなどにレッドステッチが施される
「VR30DDTT」型エンジンの単体展示
DASの技術解説用のカットモデル
IDSはソレノイドアクチュエーターで減衰力を可変制御

 また、発表会が行なわれた日産グローバル本社ギャラリーでは、同日から「新型『スカイライン』展示イベント」をスタート。1957年の「初代スカイライン デラックス」など貴重な車両が一堂に展示され、スカイラインが持つヘリテージを体感できるようになっている。

「初代スカイライン デラックス」(1957年)
「プリンス スカイラインスポーツ クーペ 1960年 トリノ国際自動車ショー出品車」(1960年)
「4代目スカイライン ハードトップ 2000GT」(1974年)
「6代目スカイライン ハードトップ 2000ターボ GT-E・S」(1981年)
「7代目スカイライン 4ドアハードトップ GT ツインカム24Vターボ パサージュ」(1985年)
「9代目スカイライン GT-R ニュルブルクリンク タイムアタック車」(1994年)