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村田製作所、先進運転支援システムや自動運転に寄与する6軸3D MEMS慣性力センサー

優れたセンサー精度、小型ユニットサイズ、低消費電力を実現

2020年5月28日 発表

6軸ワンパッケージ、3D MEMS慣性力センサー「SCHA600シリーズ」

 村田製作所は5月28日、ASIL(Automotive Safety Integrity Level=自動車安全水準)の中でも、もっとも高いレベルの安全方策レベル「D」を要求されるシステムに対応可能な6軸ワンパッケージ、3D MEMS慣性力センサー「SCHA600シリーズ」の開発を発表した。量産開始は2020年12月末を予定。

 近年自動車業界では、先進運転支援システム(ADAS)の高精度化により、衛星測位システム(GNSS)だけでは測位できないトンネル内や橋梁下での正確な車両位置を検知するセンサー技術を求められている。SCHA600シリーズはシリコンを3次元構造に成形し、優れたセンサー精度、小型ユニットサイズ、低消費電力を実現する独自の静電容量型3D MEMS(3次元・マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)テクノロジーを活用。誤差数十cmレベルの測位を可能とし、先進運転支援システムや自動運転など、各システムの高精度化に貢献する。

 主に環境要件が厳しく、より高性能なセンサーが求められる「先進運転支援システム(ADAS)」「自動運転(AD)」「レーンキーピングアシスト(LKA)」「デッドレコニング」が用途対象となる。

「SCHA600シリーズ」の特長

車載システムの高性能化と設計自由度向上に貢献

・独自の3DMEMS構造により、優れたバイアス安定性、低ノイズレベル、高い耐振動性を実現
・3軸の角速度と加速度をワンパッケージ化したことにより、自由な設置が可能

自己診断機能

・SCHA600シリーズの特徴となるフェイルセーフ機能は、リファレンス信号を用いたモニタリング、通信異常やbitエラーを検証するためのチェックサム、およびサチュレーションやオーバーレンジなどの異常信号の検出が可能。また、特許取得済みの自己診断機能は、MEMS素子内部の動きから信号回路全体までの適切な動作検証が可能となる。

車載システムの安全性に貢献

・6軸慣性力センサーとしてASIL Dの機能安全開発に応じたISO26262に対応
・AEC-Q100規格に準拠(Automobile Electronics Council=車載電子部品評議会が定める集積回路・IC 向けの業界標準)