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トヨタ新型「ハリアー」採用の前後方向映像を録画できる「デジタルインナーミラー」について聞いた
2020年6月4日 08:15
トヨタ自動車は、6月ごろの発売を予定する新型「ハリアー」と、“間もなく発表”とアナウンスされた新型「RAV4 PHV」(いずれもプロトタイプ)の試乗会を袖ケ浦フォレストレースウェイで開催した。
新型ハリアーの概要は4月13日に発表されたのだが、このリリースにはそっと「走行中の前後方向映像を録画可能なデジタルインナーミラーをトヨタ自動車初採用」との一文があった。デジタルインナーミラー自体は現行の「RAV4」(ガソリン車のG“Z package”に標準装備。その他グレードでは4万4000円~5万5000円のオプション)や、トヨタ以外のメーカーでも展開しているもので、徐々に定着しつつあるアイテムとなるが、“走行中の前後方向映像を録画可能”と書かれている。これはいったいどういうものなのだろうか。
今回のデジタルインナーミラーは、従来から同製品を使っているユーザーからの「録画機能を追加してもらいたい」という要望に応えた改良版。従来のデジタルインナーミラーは後方用のカメラを備え、そのカメラで撮っている映像をミラー部に映し出すというもので、メリットとしてはミニバンやSUVといったモデルに多くの人や荷物を載せた場合、従来のルームミラーでは後方の確認がしずらかったところ、カメラを使うことでそうした不便さがなくなるという点が大きい。
そのデジタルインナーミラーに新たに前方用のカメラを追加し、走行中の前後方映像をmicroSDカード(推奨16GB)に常時録画できるようにしたもので、いわばドラレコ付きのデジタルミラーといったところ。前方用のカメラは予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」で使われるものとは別で、車外から見てToyota Safety Sense用カメラの右側にレイアウトされる。
本体は従来品と同等のサイズとなる254×49×66mm(幅×奥行き×高さ)で、テレビやラジオといった車載電波機器の受信に影響を与えないように配慮して開発されるとともに、メーカー純正品らしく後付け感のないすっきりとした見た目に仕上がっているのが特徴だ。走行中に常に録画を行なうほか、衝撃などを検知して前後の映像を保護するイベント録画機能も備わるので、データが上書きされて万が一の事故の際に記録されていなかった、ということもない。ただし、フロント用とリア用それぞれ別のファイルとして保存されるので、前後方を1つのデータで見ることはできない。
一方、カメラの性能については「正直、フロント用はあまり高性能なものは積めていない」(小島氏)とのことで、フロント130万画素、リア200万画素(F値は不明)。水平方向の記録画角はフロント55度、リア49度とそこまで広くないが、「リアのカメラについては装着場所がいいので十分に後方画像が撮れます。夜の撮影にも強いです」とのこと。今回は価格の上昇を抑えるために必要最低限の性能にしたということだが、市場の声を聞きながら性能の向上も図っていきたいという。
新しいデジタルインナーミラーは新型ハリアーの中間グレード以上にmicroSDカードを含めて標準装備(その他グレードはオプション)される。オプションの価格は現時点で不明だ。