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トヨタ、4代目となる新型「ハリアー」の概要発表。6月ごろの発売を予告
走行中の前後映像を録画可能な「デジタルインナーミラー」トヨタ初採用
2020年4月13日 13:30
- 2020年4月13日 発表
トヨタ自動車は4月13日、新型SUV「ハリアー」を6月ごろに発売すると発表した。価格については未発表だが、グレード体系や主要諸元、内外装などの情報が明らかにされている。
ハリアーは1997年12月に初代モデルが発売され、それまで考えられていたカテゴライズに縛られない「都市型SUV」として新しいジャンルを切り拓いたモデル。2代目は2003年2月、3代目は2013年12月に発売され、今回のフルモデルチェンジで4代目となる。
新しいハリアーは見て、乗って、走り出した瞬間に心に響く“感性品質”を重視。実用性や数値だけに捕らわれず、人の心を優雅に満たしてくれるただ1つの存在を目指し、SUVというカテゴリーを超えて“より人生を豊かにするパートナー”という新たな価値を提示している。
ハイブリッドモデル
モデル | ハイブリッドシステム・駆動方式 | 駆動方式 |
---|---|---|
Z“Leather Package” | リダクション機構付のTHS II+直列4気筒 2.5リッター「A25A-FXS」型ダイナミックフォースエンジン2.5 | 2WD(FF)またはE-Four |
Z | ||
G“Leather Package” | ||
G | ||
S |
ガソリンモデル
モデル | エンジン | 変速機 | 駆動方式 |
---|---|---|---|
Z“Leather Package” | 直列4気筒 2.0リッター「M20A-FKS」型ダイナミックフォースエンジン2.0 | Direct Shift-CVT | 2WD(FF)または4WD |
Z | |||
G“Leather Package” | |||
G | |||
S |
外観では歴代モデルで受け継がれてきた、シンプルでありつつエレガントさと力強さを融合させたクーペフォルムを継承。フロントマスクではアッパーグリルからヘッドライトまで流れるような連続性が与えられ、2重のL字型に発光するデイタイムランニングランプ「シグネチャーランプ」などと合わせ、精悍でシャープな印象を強調。特徴的なデザインによって遠くから見ても新型ハリアーだと分かる個性と先進性を表現している。
サイドビューはシンプルな構成としつつ、ダイナミックに変化するボディ断面によって豊かな表情を創出し、強い躍動感を与えている。また、前後を絞り込んだクーペキャビンと左右に張り出したホイールハウスの組み合わせにより、リアビューで大らかなたくましさを演出。横方向に細く連続させたテールランプとハイマウントストップランプが存在感をアピールする。
ボディカラーには「プレシャスブラックパール」をはじめ、彩度を抑えたカラーを中心に全7色を設定している。
前後方向の録画が可能な「デジタルインナーミラー」トヨタ車初採用
インテリアは「心地よい、上質な室内空間」をテーマに、コントラストを抑えた「ブラウン」「グレー」「ブラック」の3色を内装色として設定。落ち着いた雰囲気でシックな大人の室内空間を表現している。
インパネから左右のドアトリムにかけたボリューム感豊かなラインにより、大らかに広がる雰囲気を演出して包み込まれるような安心感と居心地のいい空間を表現する。幅広く堂々としたセンターコンソールは乗馬用の鞍をイメージしたデザインで、左右につながるインパネとの組み合わせでたくましさを演出して個性を強調。
素材では厚手の革を曲げてできる自然なシルエットをイメージし、触り心地にもこだわったレザー調加飾のほか、「曲木(まげき)」の技法から着想したウッド調加飾やパイピング加飾などを多用して、さりげない上質感を演出している。
振動や遮音対策では吸遮音材、制振材の効果的な配置や高遮音ガラスの採用などを実施。さまざまな道路環境でさらに静かで心地よい車内空間の実現を追求した。
このほか車内の装備では、走行中の前後方向の映像を録画可能な「デジタルインナーミラー」と、調光機能で障子越しのような柔らかい光を車内の届けることも可能な調光ガラス採用の「電動シェード付パノラマルーフ」をトヨタ車として初採用。
12.3インチのTFTタッチワイドディスプレイを採用し、SDL(SmartDeviceLink)などのスマートフォン連携機能も備える「T-Connect SD ナビゲーションシステム」、9スピーカーによって臨場感のある音響空間を構築する「JBLプレミアムサウンドシステム」も採用している。
ブレーキ制御でアンダーステアを抑制する「アクティブコーナリングアシスト」
プラットフォームにはTNGA(Toyota New Global Architecture)の「GA-Kプラットフォーム」を採用。ボディの高剛性化と低重心化を図り、ドライバーの感性を重視した走行性能と乗り心地の両立を追求している。主要諸元の例では、Z“Leather Package”のボディサイズは4740×1855×1660mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2690mm、車両重量は1620kg~1770kgとなっている。
サスペンションはフロントにマクファーソンストラット式、リアにダブルウィッシュボーン式を採用。前後のサスペンションジオメトリーをGA-Kプラットフォームの高剛性ボディとの組み合わせで最適化。徹底的な走り込みとチューニングを重ね、重厚感としなやかさを併せ持つ独自の世界観を手に入れた。
ショックアブソーバーは走り出しの瞬間や高速走行時といったシーンで車両挙動の収束性を向上させるため、極微低速域でもスムーズにストロークするよう設定。これにより、接地感のあるフラットな乗り心地を実現している。
このほかに電子制御では、ブレーキ制御によってコーナーリング中のアンダーステアを抑制する「アクティブコーナリングアシスト」を搭載。ステアリングの切り始めでレスポンスを高め、軽快な操舵感を発揮する電動パワーステアリングの制御との相乗効果により、意のままに車両をコントロールする心地よい走りを実現する。
エンジンはTNGAで生み出された新世代の「ダイナミックフォースエンジン」の、直列4気筒 2.5リッター直噴自然吸気エンジン「A25A-FXS」型、直列4気筒 2.0リッター直噴自然吸気エンジン「M20A-FKS」型の2種類を用意。
2.5リッターのA25A-FXS型は最高出力131kW(178PS)/5700rpm、最大トルク221Nm(22.5kgfm)/3600-5200rpmを発生するほか、リダクション機構付の電気式無段変速機を備えるハイブリッドシステム「THS II」を採用。2WD(FF)車では最高出力88kW(120PS)、最大トルク202Nm(20.6kgfm)を発生する「3NM」型フロントモーターを備え、4WD車ではさらに最高出力40kW(54PS)、最大トルク121Nm(12.3kgfm)を発生して後輪を駆動する「4NM」型リアモーターも組み合わせ、システム最高出力は2WD車が160kW(218PS)、4WD車が163kW(222PS)となる。
2.0リッターのM20A-FKS型は最高出力126kW(171PS)/6600rpm、最大トルク207Nm(21.1kgfm)/4800rpmを発生。トランスミッションには発進用ギヤを備える「Direct Shift-CVT」を搭載し、駆動方式は2WD(FF)と「ダイナミックトルクコントロール4WD」の2種類を用意する。
ADAS(先進運転支援システム)では、夜間を含めた歩行者や自転車運転者(昼間)も検知できる「プリクラッシュセーフティ」を採用した予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を搭載。駐車場などの低速走行時における衝突緩和、被害軽減に寄与する「インテリジェントクリアランスソナー」(パーキングサポートブレーキ[静止物])など、安全・安心をサポートする装備も充実している。
ハイブリッド仕様ではAC100V/1500W対応の「アクセサリーコンセント」も設定。家庭用と同じコンセントで電化製品を使用でき、停電時などの非常時に発電機として使用可能としている。
Z“Leather Package”の主な仕様
仕様 | ハイブリッド仕様(2WD) | ハイブリッド仕様(4WD) | ガソリン仕様(2WD) | ガソリン仕様(4WD) |
---|---|---|---|---|
全長×全幅×全高[mm] | 4,740×1,855×1,660 | |||
ホイールベース[mm] | 2,690 | |||
前後トレッド[mm] | 1,605/1,625 | |||
最低地上高[mm] | 190 | 195 | ||
重量[kg] | 1,710 | 1,770 | 1,620 | 1,680 |
最小回転半径[m] | 5.7 | |||
乗車定員[名] | 5 | |||
駆動方式 | 2WD(FF) | E-Four | 2WD(FF) | ダイナミックトルクコントロール4WD |
4WD統合制御システム | ― | AIM | ― | AIM |
エンジン | 直列4気筒 2.5リッター直噴「A25A-FXS」型 | 直列4気筒 2.0リッター直噴「M20A-FKS」型 | ||
排気量(cc) | 2,487 | 1,986 | ||
最高出力 | 131kW(178PS)/5,700rpm | 126kW(171PS)/6,600rpm | ||
最大トルク | 221Nm(22.5kgfm)/3,600-5,200rpm | 207Nm(21.1kgfm)/4,800rpm | ||
フロントモーター | 3NM | ― | ||
最高出力 | 88kW(120PS) | ― | ||
最大トルク | 202Nm(20.6kgfm) | ― | ||
リアモーター | ― | 4NM | ― | |
最高出力 | ― | 40kW(54PS) | ― | |
最大トルク | ― | 121Nm(12.3kgfm) | ― | |
システム最高出力 | 160kW(218PS) | 163kW(222PS) | ― | |
トランスミッション | 電気式無段変速機(THS II) | Direct Shift-CVT | ||
サスペンション(前/後) | マクファーソンストラット式/ダブルウィッシュボーン式 | |||
ブレーキ形式(前/後) | ベンチレーテッドディスク式/ディスク式 | |||
タイヤ | 225/55R19 |
【訂正】トヨタ自動車による発表が訂正されたため、記事内容の一部を修正しました。主な仕様内の最小回転半径は5.5mではなく5.7mで、ハイブリッド仕様の最低地上高は195mmではなく190mmとなります。