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トヨタ新型「ハリアー」で初採用の「電動シェード付パノラマルーフ」は障子のようなやわらかな光を演出

透過状態と調光状態の変化を動画でチェック

新型ハリアーにトヨタ車として初採用された「電動シェード付パノラマルーフ」の概要

 トヨタ自動車は、6月ごろの発売を予定する新型「ハリアー」と、“間もなく発表”とアナウンスされた新型「RAV4 PHV」(いずれもプロトタイプ)の試乗会を袖ケ浦フォレストレースウェイで開催した。

 新型ハリアーの試乗記や「写真で見る トヨタ『ハリアー』」、プレゼンテーションや走行中の前後方向の映像を録画可能な「デジタルインナーミラー」についての紹介をしたが、本稿ではもう1つ、トヨタ車として初採用された「電動シェード付パノラマルーフ」に触れてみたい。

 電動シェード付パノラマルーフは、「やわらかな光がひろがる、心地よい室内空間を作りたい!」との思いから開発されたもので、サンルーフのガラスに調光フィルムを挟み込み、フィルムに電圧をかけることで液晶が同じ向きに整列して光を通す状態になり、ガラスは透明になる。逆に電圧をかけないと液晶がランダムに並ぶため外からの光が散乱し、ガラスは不透明になるというギミックだ。

電動シェード付パノラマルーフの切り替えは、室内上部にある「SOS」ボタンの右側のスイッチで行なう

 電動シェードを閉めた状態の「暗」に加え、透過状態の「明」、調光(不透明)状態の「和」という3パターンの室内空間を作り上げることができ、調光状態の「和」では障子のようなやわらかな光が通るようになり、透明ガラスでは感じることができない落ち着いた大人の空間を実現している。

 この技術はボーイング787に使われているものと基本的な考え方が同じだそうだが、ボタンを押した瞬間に「明」と「和」が切り替わる(下記の動画参照)のが特徴。飛行機の調光ガラスは明るい状態から暗い状態に変化させるものなので、新型ハリアーで使われているのとは若干方向性が異なるといったところだろうか。

透過状態の「明」
調光状態の「和」

 この点について、トヨタ自動車 MS製品企画 ZD 主査の小島利章氏は「どちらがいいかは色々と議論を重ねまして、もともと障子のようなやわらかな光が通るようにという“和のテイスト”を与えるところから開発がスタートしているので、(新型ハリアーで採用した「明」と「和」を切り替えるという)こちらの方が面白いのではないかとなりました。暗くするだけでは驚きが分かりにくいのではないかというところからこちらを採用しています」と説明していた。

 なお、この電動シェード付パノラマルーフは音声認識機能を備え、テレマティクスサービス「T-Connect(ティーコネクト)」に加入することで同機能を使えるようになるとのこと。今回のプロトタイプでは「空を見せて」でシェードが開くとともに「和」から「明」になり、逆に「明」から「和」にするときは「調光をOFFにして」で切り替わるなど、使える言語が絞られていたものの、市販モデルではもう少し言葉の数を増やして音声認識機能をより便利に使えるようにするとのことだ。

電動シェード付パノラマルーフの「明」と「和」の切り替え(8秒)

【お詫びと訂正】記事初出時、電動シェード付パノラマルーフの調光技術について「ボーイング787に使われているものと基本的に同じ」と記載しましたが、ボーイング787のものはGentexの技術であり、トヨタ自動車からも「ボーイング787に使われているものと基本的な考え方が同じ」と説明を受けているので本文を修正しました。お詫びして訂正させていただきます。