ボッシュ、スマホアプリ活用した2輪車向け自動緊急通報システム「ヘルプコネクト」開発

　ボッシュは6月3日（現地時間）、車両の慣性計測センサーユニットとスマートフォンアプリを活用して、緊急時に事故現場とライダーに関するデータを送信する、2輪車向けの自動緊急通報システム「ヘルプコネクト」を開発したと発表した。

　ヘルプコネクトは、車両に搭載された慣性計測センサーユニットに組み込まれた衝突検出アルゴリズムにより事故を検知すると、スマートフォンアプリを介して事故現場とライダーに関する情報をボッシュ カーサービスステーション経由で救急サービスに送信。これにより、事故に遭遇したライダーの発見にかかる時間を短縮することを目指す。

アプリが緊急時に事故現場とライダーに関するデータを送信

　ヘルプコネクトは、ボッシュのモーターサイクル用スタビリティコントロール（MSC）の主要構成コンポーネントである慣性計測センサーユニットからの情報を活用。

　同センサーは加速度と角速度を毎秒100回測定し、車体角度や車体方向が変化する速度を把握。こうしてセンサーは、2輪車の車体の向きとリーン角を正確に計算。さらに、センサーに組み込まれたアルゴリズムによって、2輪車が事故に巻き込まれたのか、または駐車中に車両が転倒しただけなのかを自動的に検出するという。

　ヘルプコネクトは、Bluetooth経由でボッシュの緊急通報用アプリ「Vivatar」に接続するほか、2輪車メーカーが提供する専用アプリなど、Vivatar以外のスマホアプリもヘルプコネクトと連携可能。追加のコントロールユニットが不要なため、2輪車に簡単にヘルプコネクト機能を搭載できるとしている。

　ヘルプコネクトが提供するデータは、位置情報のほか、ライダーから提供された救命活動において極めて重要な役割を担う可能性のある医療関連データもボッシュ カーサービスステーションに送信。また、要望に応じて事故の発生を第三者に自動的に通知することもできる。

　自動緊急通報サービスは、まずドイツのユーザー向けに提供可能となる予定。ボッシュ カーサービスステーションとの連絡は、欧州各国からドイツ語または英語で行なうことができ、事故が深刻でライダーからの応答がない場合には、救急隊が直ちに現場に向かうとしている。

　ヘルプコネクトについて、ボッシュの取締役会メンバーであるハラルド・クローガー氏は「ヘルプコネクトによって、ボッシュの2輪車向けセーフティシステムの幅広い製品ポートフォリオに、デジタル版の守護神が加わります」とコメントしている。