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ボッシュ、新型コロナを39分で判定できる迅速検査システム(PCR検査)
高速道路SAや空港に設置する移動式検査センター向きの装置
2020年10月2日 14:36
ボッシュは9月25日(現地時間)、新型コロナウイルス感染症の原因ウイルス(SARS-CoV-2)の検出を目的とした、Vivalytic分析装置向けの新しい迅速検査システムを開発し、39分で信頼できる検査結果が出せると発表した。
新しい迅速検査はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、高速道路のサービスエリアや空港に特設された移動式検査センター向きとなる。検査を受ける人は、検査場にいる間に信頼できる結果を得ることができ、CE認証を取得した本検査システムは現在欧州で使用可能なことから、患者の隔離までの時間短縮やラボへの負担軽減、さらに安全な旅行や仕事の再開に貢献するとしている。
ロバート・ボッシュGmbH取締役会会長のフォルクマル・デナー氏は「新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)と闘うためのカギのひとつは、感染源を素早く特定することです。そのため私たちは当社初の新型コロナウイルス感染症の検査システムの、一層の迅速化に集中しました。これにより私たちはより迅速に、人々の不安を取り除くことができます」と述べている。
ボッシュの新しいシングルプレックスPCR検査の開発は、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)による研究開発プロジェクトの一環で、ドイツ連邦教育研究省のAnja Karliczek大臣は「人々が一刻も早く自分自身の健康状態について明確に把握することが重要です。この点において、科学と研究からの洞察は、人々に恩恵をもたらすことができます。今後数カ月間は、さらに多くの人たちの検査が必要になるという特別な課題に直面することになるでしょう。BMBFの支援を受けてボッシュが改良開発した検査方法は、この複雑な課題に大きく貢献する可能性を秘めています。短期間での改善を実現した技術力は、危機の時代にあってなお、ドイツ企業がいかに革新的な成果を上げることができるかを示すものです。」とコメントしている。
PCR検査は検査方法のゴールドスタンダードと考えられていて、ボッシュの子会社であるボッシュ ヘルスケア ソリューションズは、ドイツのバイオ企業R-Biopharm(感度の高い手動PCR検査のリーディングプロバイダー)と協力し、この検査システムを開発。検査システムの感度は98%、特異度は100%だという。
世界初:同時に5つの検体を診断可能
ボッシュは2020年3月末に、6週間の開発を経てVivalytic分析装置用の最初の迅速検査システムを完成。この検査システムはマルチプレックス検査として、SARS-CoV-2ウイルスとその他の9種類の呼吸器病原体を2時間半で同時診断した。今回さらに迅速化された新しい検査システムは、SARS-CoV-2のみを対象としたモデルとなる。
ボッシュ ヘルスケアソリューションズGmbH社長のMarc Meier氏は「私たちは、当社のさまざまなコロナウイルス検査法と多彩な分析方式を駆使して、さまざまな状況においてVivalytic装置による検査を迅速化することで、類似した症状の疾患に対するスクリーニングや診断を支援します」と述べている。
ボッシュでは今もなお開発に注力していて、2020年10月上旬以降、世界で初め1つの検査カートリッジで5人分の検体を迅速に同時診断できるようになるという。これによりボッシュは可能な検査能力を引き上げ、Vivalytic装置を使用して1日に160以上の検体を完全自動検査できるようにするとしている。
さらに、今後数週間のうちにソフトウェアの最適化により、SARS-CoV-2検査での陽性判明にかかる時間がさらに短縮される見込みだという。