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【正式結果確定】角田裕毅選手、F2で3度目の優勝 3位のマゼピン選手はペナルティで9位に

年間ランキング3位でF1に向け大きく前進

2020年12月4日~6日 開催

F2最終戦のフューチャーレースで優勝(暫定)した角田裕毅選手 (c)Getty Images / Red Bull Content Pool

 12月4日~6日(現地時間)、バーレーン王国にてF2最終戦「第12戦サヒール」がバーレーン国際サーキットにおいてF1サヒールGPと併催で開催されている。第12戦サーヒルは、第11戦バーレーンに続いて同じサーキットで行なわれているが、コースはF1と同じく外周路を利用するレイアウトへと変更。第11戦とはまた違った形となっている。

 12月5日にはレース1(フィーチャーレース)が行なわれた。F1の免許にあたるスーパーライセンス獲得を目指していた日本の角田裕毅選手は、ポールポジションからスタートして、一度順位を落としたもののその後挽回して優勝した。これにより角田選手は自身に課せられたスーパーライセンス獲得の条件となっているランキング5位以上を確定。F1昇格に向けた最後の条件となっていたスーパーライセンスを獲得し、2021年のアルファタウリ・ホンダからのF1デビューに向けて大きく前進することになった。

ポールからスタートするものの、マゼピン選手、シュワルツマン選手に抜かれて序盤3位に

 角田選手は、ポールポジションからスタート。しかしながら、2位のマゼピン選手が1コーナーでかなり強引にインに突っ込んできた。マゼピン選手はアグレッシブなドライビングで知られており、無理をすれば両者リタイアということも容易に想像できる展開だ。しかし角田選手は、そこは一歩引き、無理せず前に行かせる動きを見せた。

 その後ろにいたロバート・シュワルツマン選手に行かれてしまったのは想定外だが、着実に3位をキープして1周目を終えた。

 レースは年間ランキング3位のマゼピン選手、年間ランキング5位のシュワルツマン選手、年間ランキング4位の角田選手がトップ3を構成。2位のシュワルツマン選手のペースが上がらず、トップのマゼピン選手に引き離される展開になったが、角田選手は13周目の1コーナーでDRSを利用した見事なオーバーテイクを見せて2位に上がった。

 トップ3がピットストップを終えると、角田選手はマゼピン選手とシュワルツマン選手の目の前に出る。しかし、タイヤが暖まっていない角田選手は前にとどまることはできず、2台に抜かれタイヤ交換したグループのなかでは3位に位置した。

レース後半に、シュワルツマン選手、マゼピン選手を次々とオーバーテイクして優勝。ランキング5位以内を確定し、F1昇格が目の前に

 31周目に全車がピットストップを終えると、1位マゼピン選手、2位シュワルツマン選手、3位角田選手の順位に戻り、徐々に2位のシュワルツマン選手が遅れ始める。

 角田選手は、そのシュワルツマン選手に対して差を詰めていく。さらに4位のフィリペ・ドゥルゴビッチ選手も追いつき、3台から4台のトップ争いに代わってきた。シュワルツマン選手を36周目に抜き、2位に上がった。

 残り5周でマゼピン選手を1コーナーでオーバーテイク。トップに浮上した。その後、2位にルノージュニアのガンユー・ジョー選手が上がってきて角田選手に追いついてくる。しっかりジョー選手を押さえた角田選手は、結局そのまま優勝した。

 これで角田選手は優勝の25ポイントに、ポールポジションの4点と合わせて29点の荒稼ぎ、合計186点となりランキング3位に浮上した。ランキング6位だったクリスチャン・ルンガー選手がノーポイントとなったことでランキング5位以上を確定し、F1スーパーライセンスの獲得、そしてその先にあるアルファタウリ・ホンダからのF1デビューを確実にする勝利となった。

 角田選手は公式インタビューの中で「とてもうれしい、フィニッシュラインをP1で通過したときは最高だった。チームに本当にお礼を言いたい、自分をサポートしてくれる人に感謝を言いたい。明日のレースも優勝できるようにかんばりたい」と述べ、優勝の興奮を隠しきれない様子だった。

 日曜日はタイヤ交換のないスプリントレース(レース2)が予定されており、1~8位までの順位がリバースグリッドとなるため、角田選手は8位からスタートする。日曜日のレースでも確実にポイントを獲得し、今シーズンデビューしたドライバーの最上位でシーズンを終えたいところだ。

追記

 レース後に、角田選手がマゼピン選手をオーバーテイクするときにコース外を走行したという件と、最終ラップにマゼピン選手が4位を走るドゥルゴビッチ選手をコース外に押し出した件が審議され、前者に関してはマゼピン選手が角田選手を押し出した結果角田選手はコース外を走らざるを得なかったとして角田選手には一切のおとがめなしでマゼピン選手に5秒のタイムペナルティが出された。後者に関してもマゼピン選手のドライビングに問題がありとしてこちらも5秒のペナルティが出され、都合10秒が結果に加算されることになった。

 その結果マゼピン選手はチェッカー時の順位である3位から9位に転落し、ポイントランキングでもロバート・シュワルツマン選手に抜かれ5位に転落することになった。さらに、3位角田選手とマゼピン選手の差はレース2(スプリントレース)で獲得できる最大ポイント(17点)以上となったため、角田選手の年間ランキング4位以上が確定した。

 F2シーズン最後の決勝レースとなるスプリントレースは、日本時間で12月6日21時20分からDAZNで配信(解説:中野信治、実況:市川勝也)される。

DAZN | F2 第12戦 バーレーン : レース2

https://www.dazn.com/ja-JP/home/1xsz1g3zuzeyu4n2kb0lopyc4

F2第12戦サヒール フィーチャーレース(正式)
順位ドライバーチーム周回数(2位以下は1位とのタイム差)
1角田裕毅カーリン48
2ガンユー・ジョーユニビルトーシ5.6
3フィリペ・ドゥルゴビッチMPモータースポーツ6.6
4ロバート・シュワルツマンプレマ7.4
5カラム・アイロットユニビルトーシ8.1
6ミック・シューマッハプレマ10.3
7ジェハン・ダルバラカーリン11.8
8ダン・ティクタムDAMS14.6
9ニキータ・マゼピンハイテック16.2
10ペドロ・ピケチャローズ17.5
11マーカス・アームストロングART17.7
12ルイ・デルトラチャローズ19.3
13アーテム・マルケロフHWA31.9
14ラルフ・ボシュンカンポス34.3
15ジュリアーノ・アレジMPモータースポーツ35
16ルカ・ギヨットハイテック38.1
17佐藤万璃音トライデント39
18テオ・プルシエールHWA41.7
19ショーン・ゲラエルDAMS45.8
20ロイ・ニッサニートライデント50.3
21クリスチャン・ルンガーART59.2
22ギリェメル・サマイアカンポス1周
年間ランキング(正式) F2第12戦サヒール フィーチャーレース終了時点
順位ドライバーポイント
1ミック・シューマッハ215
2カラム・アイロット201
3角田裕毅186
4ロバート・シュワルツマン171
5ニキータ・マゼピン164
6クリスチャン・ルンガー149
7ガンユー・ジョー143.5
8ルイ・デルトラ134
9フィリペ・ドゥルゴビッチ120
10ルカ・ギヨット104
角田裕毅選手 (c)Getty Images / Red Bull Content Pool