日産、「シーマ」レストア完成お披露目会 伊藤かずえさんがピカピカになったエンジンルーム公開

お披露目会で伊藤かずえさんがピカピカになったエンジンルームも公開

　日産自動車は12月7日、女優の伊藤かずえさんの愛車「シーマ」のレストア完成車両を公開する「シーマレストア完成お披露目会」を開催。4月26日の入庫式から約8か月、レストア作業を終えたシーマと伊藤さんが初対面、新車のように蘇ったシーマとの対面に伊藤さんは涙した。

　伊藤さんの誕生日でもある12月7日、東京銀座にある日産のギャラリー「NISSAN CROSSING」にシーマが展示された。伊藤さんの愛車シーマは、最高出力187kW（255PS）を発生するVG30DET型のV型6気筒 3.0リッターターボエンジンや電子制御エアサスペンションを採用する最上級グレード「タイプIIリミテッド」。

　伊藤さんはこのシーマを30年以上、愛車として乗り続け、その走行距離は26万kmを超えている。日産の関連会社オーテックジャパンで行なわれたレストア作業では、エンジンやトランスミッション、内装などをボディから取り外して、ボディの再塗装やシート生地の張り替えなどのリフレッシュ作業が実施された。

　お披露目会には、伊藤かずえさんのほか、日産自動車 マーケティング本部 松村眞衣子氏と、オーテックジャパン 生産技術・製造部 一品手配設計Gの松木良晃氏が登壇して、レストアプロジェクトへの取り組みに対する思いなどが語られた。

シーマのレストア費用は当時の新車価格以上

日産自動車株式会社 マーケティング本部 松村眞衣子氏

　今回の日産によるシーマレストアプロジェクトは、伊藤さんが30年以上乗り続けている愛車「シーマ」への想いに感謝し、今後も長く乗り続けてもらいたい、との気持ちを込めて実施されたもの。気になるシーマのレストア費用については「当時の新車価格以上」という。

　お披露目会の中で、日産の松村氏は「多くの自動車会社は日頃から技術革新で人々の生活に貢献することを第一に、最新技術、先進技術の開発を行なっております。ですけども、死亡事故ゼロを目指す日産としましては、先進技術のクルマを新しく市場に投入するだけではなく、今長く愛用いただいているお客さまにも安全に長くご利用いただくことも大切であるということで、今回の取り組みにさせていただいております」と説明した。

オーテックジャパンのテストドライバーによる評価、調整も実施

株式会社オーテックジャパン 生産技術・製造部 一品手配設計Gの松木良晃氏

　今回のレストアでは、生産が終了している部品の入手や作業方法の確認など、当初想定していた以上に時間が掛かり、思うように進まない部分もあったという。日産社内やオーテックジャパンのほか、以下の企業などの協力により完了することができたとしている。

・オートリブ株式会社
・セーレン株式会社
・住友電気工業株式会社
・株式会社 ネットワーク
・株式会社 日南
・メリオス 有限責任事業組合
・カーインテリア 小安
・株式会社ガレージ城
・株式会社 ダムド
・矢崎総業株式会社
・南デザイン株式会社
・株式会社 ゼロ
・株式会社ハタダ
・株式会社 ルマン
・菊地工業株式会社

　オーテックの松木氏は「エンジンを下ろしまして、ドアとかも外してホワイトボディに近い状態まで持っていって、全塗装しております。エンジンの乗せ降ろしなど非常に気を使った作業が多く発生しておりました。それと、伊藤さんがシートとシートベルトを気にされていましたので、新しいものを新たに作りまして取り付けてあります。さらにシートベルトに関しましては、安全の評価をしたものを協力会社の方に作っていただきまして、なんとか取り付けることができました」と説明。

　松木氏は「クルマの走りのところに伊藤さんがかなりこだわりを持たれていたと聞いています。われわれとしてもこだわりを入れております。エアサスペンションの交換は当然ですが、弊社に40年間、シャシ評価をしているテストドライバーがいまして、その方に乗ってもらって評価、調整までしてありますので、非常にクルマとしてはコンディションのよい状態になっております」と話した。

伊藤かずえさんの「シーマ」をNISSAN CROSSINGで12月8日～22日の期間展示

伊藤かずえさん

　レストアされたシーマは、お披露目会場となった「NISSAN CROSSING」で12月8日～22日の期間、展示されるとともに「レストアプロジェクトの軌跡」と題してレストアの模様を記録した映像や画像の特別展示も実施される。

　伊藤さんは「最初は1週間の予定だったんですけれども、1週間だと土日が1回しかないので、2週間にしてできれば遠方の方も来られるように、皆さん注目してくださっているので、ぜひ画面だけではなく実物の細かいところまで、見てほしいと思います」とのメッセージを語った。

　なお、日産自動車の公式Webサイトにおいても、レストアプロジェクトの進捗状況を伝える「伊藤かずえさんのシーマ レストアの取り組み」を公開。これまでのレストア作業風景など、そのダイジェストを確認することができる。