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日産/ニスモ、フォーミュラEやSUPER GTなど2022年のモータースポーツ活動概要を発表

2022年2月18日 発表

SUPER GT GT500クラスに参戦する「Nissan Z GT500」

 日産自動車およびニスモ(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)は2月18日、2022年のモータースポーツ活動概要を発表した。

ABB FIAフォーミュラE世界選手権

 参戦4年目となるABB FIAフォーミュラE世界選手権のシーズン8は、現行のフォーミュラEレギュレーションで開催される最後のシーズンとなり、Gen2マシンはこれまで以上に高いパフォーマンスを発揮するとしている。また、フリー走行の時間が短縮され、予選では直接対決が行なわれるなど、チームやドライバーが新たなチャレンジに挑むことで、ファンにとってはさらにエキサイティングなレース展開が期待される。

フォーミュラEに参戦する日産e.damsチームが走らせているGen2マシン

 ドライバーは、2018年より日産e.damsチームから参戦しているセバスチャン・ブエミ選手と、そのパートナーとして今シーズンよりマクシミリアン・ギュンター選手が新たに加入。日産は、ゼロエミッションで走る電気自動車の楽しさを世界中のユーザーに届けするために、フォーミュラE世界選手権に参戦。サーキットと公道を走るクルマの間で知識や技術を共有し、よりよいEV(電気自動車)を提供することを目指すとしている。

SUPER GT GT500クラス

SUPER GT GT500クラスに参戦する「Nissan Z GT500」

 日産/ニスモは、日産ブランドの“挑戦するDNA”を象徴する新型スポーツカー「Nissan Z」のグローバルローンチに合わせ、同車をベースにした「Nissan Z GT500」を開発し、SUPER GT GT500クラスに参戦。最高峰のGTレースで勝利に向かって挑戦することで、日産ブランドが目指す、イノベーションを通じたワクワクする体験をさらに推し進めていきたいという。各チームの体制および車両名は以下のとおり。

・NDDP RACING(監督:島田次郎氏)3号車「CRAFTSPORTS MOTUL Z」:千代勝正選手、高星明誠選手(ミシュラン)
・TEAM IMPUL(監督:星野一義氏)12号車「カルソニック IMPUL Z」:平峰一貴選手、ベルトラン・バゲット選手(ブリヂストン)
・NISMO(監督:中島健氏)23号車「MOTUL AUTECH Z」:松田次生選手、ロニー・クインタレッリ選手(ミシュラン)
・KONDO RACING(監督:近藤真彦氏)24号車「リアライズコーポレーション ADVAN Z」:佐々木大樹選手、平手晃平選手(ヨコハマ)

 上記の4チームをまとめる総監督は、ニスモCOOの松村基宏氏が続投。また、ミハエル・クルム氏も引き続きエグゼクティブアドバイザーとしてチームおよびドライバーの支援を行なう。

SUPER GT GT500クラス チーム体制
3号車 NDDP RACING「CRAFTSPORTS MOTUL Z」イメージ
12号車 TEAM IMPUL「カルソニック IMPUL Z」イメージ
23号車 NISMO「MOTUL AUTECH Z」イメージ
24号車 KONDO RACING「リアライズコーポレーション ADVAN Z」イメージ

カスタマーレーシングプログラム

カスタマーレーシング「GT3 プログラム」

 ニスモはFIA GT3規定の「NISSAN GT-R NISMO GT3」で参戦するチームの支援を引き続き行なう。

 SUPER GT GT300クラスでは、今シーズンは6台のNISSAN GT-R NISMO GT3がSUPER GT GT300クラスに出場。GT3オフィシャルパートナーチームであるGAINER(監督:藤井一三氏)からは、10号車「TANAX GAINER GT-R」:富田竜一郎選手、大草りき選手、塩津佑介選手(ダンロップ)と、11号車「GAINER TANAX GT-R」:安田裕信選手、石川京侍選手(ダンロップ)の2台、KONDO RACING(監督:近藤真彦氏)からは、56号車「リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R」:藤波清斗選手、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手(ヨコハマ)の1台のNISSAN GT-R NISMO GT3が参戦する。また、NILZZ Racing、RUNUP、BUSOU Drago CORSEがエントリー。

SUPER GT GT300クラス チーム体制

 スーパー耐久シリーズでは、ST-Xクラスに、MP Racing、HELM MOTORSPORTS、GTNET MOTOR SPORTSからそれぞれ1台のNISSAN GT-R NISMO GT3が出場予定。また、ST-3クラスには、OKABEJIDOSHA motorsportとFKS Team FukushimaからFAIRLADY Z NISMO RCが出場を予定している。

 日産自動車と日産自動車大学校は、レース活動を通じた人財育成プログラム「NISSAN MECHANIC CHALLENGE」を今シーズンも引き続き実施。参加する日産自動車大学校の学生や販売会社のテクニカルスタッフの経験値をさらに深めるために、今年はGT300に加え、新たにスーパー耐久シリーズを追加し、「NISSAN MECHANIC CHALLENGE」のさらなる拡大に取り組むとしている。

カスタマーレーシング「エンジンサプライプログラム」

 日産/ニスモは、今シーズンもVK56エンジンをカスタマーチームに供給し、技術支援を実施するとしている。同エンジンは、北米ではデイトナ24時間レースを含むIMSAウェザーテックスポーツカー選手権、IMSAプロトタイプチャレンジ、欧州ではヨーロピアン・ルマン・シリーズ、ミシュラン・ルマン・カップ、アルティメイト・カップ・シリーズ、ドイツ・プロトタイプ・カップ、そしてUAEで開催されるアジアン・ルマン・シリーズなど、世界各地で開催される全てのLMP3クラスのレースに出場するチームに供給されている。

その他の活動

ニスモドライビングアカデミー

 ロードカーユーザーとモータースポーツをつなぐ活動として「NISMOロードカー」や「NISSAN GT-R」「フェアレディZ」「スカイライン 400R」のユーザーを対象に2016年から開催され、多くのユーザーが参加しているイベント。2022年度もミハエル・クルム氏が校長、ニスモ契約ドライバーが講師を務め、日本各地のサーキットで開催する予定という。

NISMO Festival(ニスモフェスティバル)

 ファン感謝イベント「NISMO Festival」の開催に向けて準備を進めるとしている。(日程は決定次第発表)

過去のニスモドライビングアカデミーの様子
2019年のニスモフェスティバルの模様

 日産COOのアシュワニ・グプタ氏は、「日産は熱い情熱と高度な専門技術、そして積み重ねた経験を活かし、モータースポーツへ挑戦し続けています。日産がワクワクとスピードを追求するのは、『他がやらぬことをやる』という創業以来のチャレンジ精神があるからです。また、日産は人々の暮らしをより豊かにしていきたいという熱い情熱を胸に、より速く、より安全で、そして楽しいクルマを今後も数多く提供していきます。そして、この情熱こそが、私たちをモータースポーツへと向かわせているのです。今後もSUPER GTやFormula Eをはじめとするモータースポーツ活動を通じて、より多くのワクワクを提供していきます」と述べている。