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ロータス初のSUV「エレトレ」、608.3PSのハイパフォーマンスバッテリEV

2022年3月29日(現地時間) 発表

SUVスタイルのハイパフォーマンスBEV「エレトレ」公開

 ロータスは3月29日(現地時間)、同社初のSUVとなるハイパフォーマンスBEV(バッテリ電気自動車)「Eletre(エレトレ)」を公開した。販売は米国・中国がメインでスタートする予定で、日本での導入時期は未定。

 コードネーム「タイプ132」のプロダクションモデルとなるエレトレでは最新のロータススポーツカーであるエミーラの魂、オールエレクトリック ハイパーカーのエヴァイヤのエアロパフォーマンスを取り入れ、それをもってハイパーSUVと位置付けられる。「初の5ドアプロダクションカー」「スポーツカーセグメント以外の初のモデル」「初のライフスタイルEV」「ロータス史上最もデジタルでコネクトされているモデル」など、ロータスにとって多くの初体験を提供するクルマになるという。

 エレトレは前後にモーターを備える4WDで、100kWhを超えるバッテリ容量と608.3PSのパワーを備える。最高速は260km/hで、0-100km/h加速は3.0秒以下とした。350kWの充電器を使えば400km(248マイル)の航続距離を20分で達成でき、WLTPで目標とする最大航続距離は約600km(約373マイル)。また、22kWのAC充電も標準装備する。

 エレトレは中国 武漢に新しく建設された最先端の施設で製造され、ロータスの本拠地であるへセルのチームが企画開発を実施。エクステリアとインテリアは、英国ウォリックシャーにある最近名前が変更されたロータステクノロジークリエイティブセンターに拠点を置く国際チームによってデザインされる。

エレトレのボディサイズは5103×2231×1630mm(全長×全幅×全高。電動リアミラーディスプレイ車の全幅は2135mm)、ホイールベースは3019mm

 ボディサイズは5103×2231×1630mm(全長×全幅×全高。電動リアミラーディスプレイ車の全幅は2135mm)、ホイールベースは3019mm。キャブフォワードのスタンス、ロングホイールベース、フロントとリアのショートオーバーハングなどを特徴とし、短いボンネットはロータスの象徴であるミッドエンジンレイアウトのスタイリングを踏襲。視覚的に軽快さがあり、SUVというよりもハイライディング・スポーツカーのような印象を与えており、これにはクルマを通り抜けるだけでなく、クルマの下、上、周囲にも流れるという空力学的な理論「ポロシティ」が寄与。ポロシティが最も顕著なのはクルマの前縁の下で空気が流され、ボンネット上部に組み込まれた2つの出口から排出されるところとしており、フロントホイールアーチの前方や後方、リアホイールの後方、さらにはDピラーの上部にも見て取ることができるという。

 また、エレトレのアクティブフロントグリルは三角形の花びらが連結したネットワークで中央部分をコントロール。複雑なデザインで、静止時や走行中の空気抵抗を減らす必要があるときは閉じたままになり、電気モーター、バッテリパック、フロントブレーキの冷却が必要なときには、独特のパターンで開いて空気をラジエーターに送り込み、クルマが「呼吸」できるようにする。ボディの黒い部分はすべてカーボンファイバーで仕上げられ、ボディパネルはアルミニウム製を採用。さらに空気の流れをよくするためにカーボンファイバーが挿入された23インチのマシンカット分割仕上げ5スポークアロイホイールと、セラミックコンポジット10ピストンキャリパーブレーキが装着される。

 フロントウィンドウの上部、フロントウイング両側、リアウィンドウの上部などに今後展開可能なLiDARセンサーを備え付け、自律走行機能を実現する。また、各ドアミラーの代わりに電動リバースミラーディスプレイ(ERMD)を採用し、バックミラー用カメラ、駐車を支援する360度上方カメラ、そしてインテリジェントドライビングテクノロジーの一部である3つのカメラを搭載した。

開閉式のフロントグリル
23インチのマシンカット分割仕上げ5スポークアロイホイール
エレトレでは通常のドアミラー車に加え電動リアミラーディスプレイ車も用意
WLTPで目標とする最大航続距離は約600km

 インテリアでは5シーターまたは4シーターを選択でき、手に触れる主要な箇所にはプレミアム感と耐久性の高い人工マイクロファイバーを使用し、シートには高度なウール混紡生地を採用。ドライバー重視のコクピットとハイセンターコンソールはエミーラとエヴァイヤにインスパイアされたもので、落ち着いた雰囲気を演出。

 インストルメントパネル上部にはフラットなライトが室内を横切って走り、ライトはくぼみに収納される。くぼみはドア部分に向かうにつれて広がっており、その間にエアコンの吹き出し口をレイアウト。浮かんでいるように見えるがライトは装飾的なものではなく、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)の一部を形成する。例えば電話がかかってきた場合、車内の温度が変更された場合、車両のバッテリ充電状態を反映した場合などに色が変わって変化を知らせる。

エレトレのインテリア

 なお、最新の先進運転支援システムについてはOTA(Over The Air)によるアップデートを可能にしており、インテリジェントアダプティブクルーズコントロール(ACC)、衝突軽減サポートフロント(CMSF)、交通標識情報(TSI)、ドアオープン警告(DOW)、リアクロストラフィックアラート(RCTA)、フロントクロストラフィックアラート(FCTA)、レーンチェンジアシスト(LCA)、幼児置き去り検地システム(CPD)、レーンデパーチャーワーニング/プリベンション付きレーンキープエイド(LKA+)、パーキングエマージェンシーブレーキ(PEB)、衝突軽減サポートリア(CMSR)、エマージェンシーレスキューコールがオプションで選択できる。