ニュース
ヴァレオとNTTデータ、エンボテックの3社で自動駐車システム構築を目指す共同事業体「VEN.AI」を設立
2023年1月6日 10:30
- 2023年1月4日(現地時間) 発表
ヴァレオ(Valeo)とNTTデータ、エンボテック(Embotech)は1月4日(現地時間)、自動駐車システムを提供するためのコンソーシアム(共同事業体)「VEN.AI」を結成したと発表した。
VEN.AIは、所有するIP、最新のテクノロジ、販売とサポート体制、強力な運用サービスなど各社の得意分野を組み合わせたコンソーシアム。センサーやコネクティビティ(5Gなど)および、オフボードコンピューティングを利用して車両を専用駐車場に誘導するため、車両側からの要件が非常に少ないインフラベースのソリューションを提供。グローバルでの展開も目指していく。
また、この自動駐車システムは、車両を製造する組立工場、ロジスティクス(物流)拠点、車両輸送拠点、小売店舗、自動バレー駐車サービスを備えた駐車場など、さまざまなユースケースが想定できるとしている。
初期段階では製造現場のユースケースに注力し、製造ステーション間で車両を自動的に誘導することで、自動車メーカーが組立工程の効率を向上させるのに役立てるという。また、組み立てラインの最後から出荷エリアの専用スポットまで車両を移動させることで、時間とコストを節約できるようになるとのこと。
ヴァレオは、駐車システムを適切に機能させるために必要な技術を提供するとしていて、使用されるセンサーによって駐車場内で車両を検出して位置を特定、周囲の環境も認識させるという。この情報はアルゴリズムによって利用可能な駐車スペースに車両を正確に誘導するために使用される。
安全性に関しては、カメラ、光検出、低遅延のコネクティビティ、センサーなど最新技術を統合したクラス最高の安全性を誇るビルディングコンポーネント「エンボテック プロドライバー(Embotech PRODRIVER)」を採用し、搭載するSAE(Society of Automotive Engineers)レベル4のバーチャルドライバーは、人間のようにフレキシブルな運転ができ、交通量が混在する忙しい物流エリアでの自動運転や、非常に狭いスペースへの駐車も可能とし、駐車スペースの効率も高めるとしている。
ヴァレオのコンフォート&ドライビング・アシスタンス・システム・ビジネスグループのプレジデントであるMarc Vrecko氏は「完全自動駐車は、顧客からの需要の高まりにより成長しており、ヴァレオはこの市場に対応するために必要なすべてのアセットを持っています。市場で最も包括的なセンサーポートフォリオを有しており、車両に完全なビジョンを提供しています。車両を安全かつ効率的に駐車するには、正確な認識が重要なのです」とコメントしている。
NTT Data ServicesのPresident of ManufacturingであるPrasoon Saxena氏は「VEN.AIは、NTTデータが自動車業界のお客さまのためにインダストリー4.0に向けて効率性と生産性を向上させるために行なっている投資の一例です。エッジコンピューティング、ネットワーク監視、高度なコネクティビティの進歩など、NTTデータのイノベーションにより、VEN.AIは消費者や自動車メーカーなどにとってのモビリティをより簡単にし、エネルギー効率を高めます」と述べている。
エンボテックのCEOであるAndreas Kyrtatos氏は「VEN.AIは、自動運転が適切な状況で採用された場合、自動車の製造と流通の未来を一変させる可能性を秘めた、すぐにでも使えるビジネスケースがあることを証明しています。このベンチャーはイノベーションを核としており、自動車の製造と流通に持続可能な自律性をもたらすことに専心しています」と述べている。