ニュース

ロータス「エミーラ」、ドア、リアクォーター、テールゲートに帝人の超軽量成形部材「TCA Ultra Lite」採用

2023年4月26日 発表

ロータス・カーズの新スポーツカー「エミーラ」

 帝人は4月26日、同社グループが展開するGF-SMC(Glass Fiber Sheet Molding Compound)がロータス・カーズの新スポーツカー「エミーラ」のドア、リアクォーター、テールゲートの部品に採用されたと発表した。

 GF-SMCは帝人グループで自動車向け複合成形材料事業を展開するTAT(テイジン・オートモーティブ・テクノロジーズ)が手掛けるもので、熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させ、シート状にした中間材料。TATのポアンセ工場(フランス)で製造するGF-SMC基材を、レサ・デ・バリオ工場(ポルトガル)で成形する。

 エミーラのドア、リアクォーター、テールゲートの外板パネルには、GF-SMCをベースにした超軽量成形部材「TCA Ultra Lite」を使用。TCA Ultra Liteは、樹脂充填剤として表面処理を施した微小な中空状のガラス材を用い、TAT独自の真空技術や接着処理を組み合わせた成形部材。従来のコンポジット部品よりも最大約4割の軽量化を達成してアルミと同等の重量を実現したのに加え、強度や耐久性に優れ、へこみが発生しにくく、かつ錆びないという特性を有するという。

 また、従来の金属製のパネルと同等の表面平滑性を有していることから、自動車の量産ラインにおいて必須である電着塗装にも適応し、外板部品の塗装に要求される「クラスA」品質を実現。さらにドア部分からリアクォーター部分にかけては、金属素材では困難な薄肉かつ複雑な形状を一体成形することで、吸気口に向かう空気の流れを確保し、エンジン部分が適度に吸気・冷却される構造になっているという。

 一方、テールゲートの内板パネルには、構造部材向けに強度を最適化した低密度 GF-SMCを使用することで、車体骨格に求められる強度を確保しているとのこと。

エミーラ