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ヴァレオ、第3世代LiDAR「SCALA 3」や「パントマイム」など新技術をデモ

2023年5月19日 発表

ヴァレオジャパンのデモ

 ヴァレオジャパンは5月19日、茨城県にある「ヴァレオジャパン つくばテクノセンター」において、第3世代の長距離用LiDAR「SCALA 3」やCES 2023で発表された技術「パントマイム」のデモンストレーションを実施、自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2023横浜」(パシフィコ横浜:5月24日〜26日開催)に出展する技術を先行公開した。

AIを活用して交通整理員などの動作を読み取る「パントマイム」

道路ユーザーとアクション

 パントマイムは、自動運転車が警察官や工事現場の作業員などの交通整理の動作を理解し、指示に従うようにするソリューションで、CSE 2023での発表後、日本で初めて実演された。

自転車が左折をしようとしているのを認識
自転車が右折をしようとしているのを認識
交通整理員が停止を求めているのを認識している
交通整理員が前進するよう求めているのを認識している

 デモカーに用意されたモニタを確認すると、道路にいるユーザーが「交通整理員(建設作業員、警備など)」「警察」「自転車」「歩行者」なのかを検出し、そのユーザーが行なっているアクションとして、「停止」「左折」「右折」「前進」「路肩に停車」「アクション未検出」なのかを読み取っている。

 ヴァレオでは、パントマイムは自動運転車が突然の道路工事などに遭遇する、複雑な道路環境下において運行する際に重要な技術といい、引き続き精度を高めるよう開発を進めている。

2024年量産開始予定の第3世代長距離用LiDAR「SCALA 3」

ヴァレオ SCALA 3のデモ走行

 続いて、ヴァレオが2024年より量産開始予定の第3世代長距離用LiDAR「SCALA 3」のデモ走行が行なわれた。

デモカーのルーフ部分に装着されたヴァレオ「SCALA 3」

 ヴァレオのSCALA 3においては、欧州の高速道路の交通事情を反映して、最高速130km/hで自動走行する場合も想定している。高速走行時の緊急事態にも対応するため、反射率の高い物体で300m、反射率の低い物体でも200mという検出範囲を実現させる。

 ヴァレオ SCALA 3では、従来モデルよりも高感度なイメージセンサーに変更され、前方のカバーレンズの形状もラウンドしたものからフラットなものとなり、光が透過しやすい設計とされた。これらの技術により、毎秒1200万ピクセル以上という高解像度を実現。照明のない真っ暗な状況においても、アスファルト道路にある物体を、150m離れた場所から識別することができるとしている。

 デモカーに用意されたモニタを見ると、車両周辺の3D画像を滑らかに生成しながら走行していることが確認できる。従来のLiDARの3D画像と比較すると、SCALA 3の3D画像はパッと見て、クルマなのか建物なのか、大まかな認識ができるほど高精細になっているのが印象に残った。

 ヴァレオはパシフィコ横浜で5月24日〜26日に開催される自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2023横浜」に出展し、今回デモが実施された技術のほかにも、持続可能なモビリティへの4つのメガトレンドである「電動化の加速」「ADAS(先進運転支援システム)の加速」「インテリアエクスペリエンスの再創出」「ライティング・エブリウェア」に関する最新のイノベーションを披露する。