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au、KDDI新社長 松田浩路氏の就任会見で日本全国どこでもつながる「au Starlink Direct」発表 50機種600万台が対応し当面無料
2025年4月11日 12:16
- 2025年4月10日 発表
空が見えればどこでもつながる
auブランドでスマートフォン事業を展開するKDDIおよび沖縄セルラーは、衛星とauスマートフォンの直接通信サービスである「au Starlink Direct」を4月10日発表した。この発表はKDDI新社長に就任した松田浩路氏の就任会見に合わせて行なわれ、通信サービスも同日から開始。通信料金は当面無料となっている。
au Starlink Directは、「従来の静止衛星よりも100分の1の高さ、高度にある。約340km上空、だいたい東京から名古屋あたりの距離」(松田社長)にある、Starlinkを利用した衛星との通信サービスになる。
一般的に通信衛星は静止軌道と呼ばれる高度約3万6000kmの高さにあり、距離があることから大型の通信アンテナを用いて通信が行なわれている。一方Starlinkでは、低い高度に多数の通信衛星を飛ばし通信距離を短縮。スマートフォン内蔵アンテナでも通信できるようにした。
このサービスは、将来はデータ通信を見すえてはいるとのことだが、スタード時はテキストメッセージのやり取りや位置情報のやり取り、緊急地震速報の受信が可能という。さらにAndroid端末であれば、質問をテキストで送ることでGoogleのAIアシスタント「Gemini」が調べ物などをしてくれる。
「誰よりも先んじて全社員の夢中のパワーで信じるものを形にしていきます」と、松田新社長
松田社長は、「私どもはつながる体感世界評価ナンバーワンを獲得し、世界に誇れるネットワークを構築してまいりました。人口カバー率も99.9%を超えて実現しておりますけれども、日本は自然に囲まれた自然あふれる大地、国土の面積カバー率で言いますと60%になっております。今やモバイル通信は社会インフラ、この残り40%をなんとかしたいという思いで衛星通信を使った方法をずっと考え、検討を進めてまいりました」と、サービス開始に至った思いを説明。このau Starlink Directでは、「空が見えればどこでもつながる」が訴求タグとなっており、日本全国をカバー。具体的には日本の12海里の領海までをカバーし、離島に対する接続区域にも対応する。
対応端末は、GalaxyやiPhoneなど50機種600万台。いわゆるキャリアアップデートの仕組みを使い、アップデートすることで対応端末とすることができる。
auの端末であれば、これまではつながることが難しかった山間部、離島などでメッセージの送受信が可能となる。松田社長は今後のau/KDDIの事業方針として「夢中に挑戦できる会社」を掲げ、大規模データセンターへの投資や衛星通信など通信の力を進化し、つなぐ力をアップグレードしていくという。「実現する原動力は夢中になること。失敗を恐れず、新しいことを作り続けていく準備を怠らず、誰よりも先んじて全社員の夢中のパワーで信じるものを形にしていきます」と、今後への取り組みを語った。