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「パトロール NISMO」日本初公開 過去最高388台が集結した「オーテック 湘南里帰りミーティング2025」レポート
2025年11月17日 10:48
- 2025年11月15日 開催
NMC(日産モータースポーツ&カスタマイズ)は11月15日、神奈川県中郡の大磯ロングビーチ 第1駐車場で「オーテックオーナーズグループ 湘南里帰りミーティング 2025」を開催した。
2004年12月に初開催された湘南里帰りミーティングは、コロナ禍の影響によるオンライン開催を挟みつつ、今回で18回目の開催となるメーカー主導のオーナーズミーティング。
日産車をベースとしてさまざまな架装、改造を行なった“オーテック車”と、現在は同じNMCの車両である“NISMOロードカー”などが一堂に会するイベントで、ノート86台(AUTECH 27台、NISMO 50台)、セレナ78台(AUTECH 53台、NISMO 11台)、マーチ54台(NISMO 16台、12SR 23台、A30 8台)、ノート オーラ48台(AUTECH 7台、NISMO 41台)、エクストレイル25台(AUTECH 21台)、スカイライン24台(4ドアGT-R 10台、NISMO 7台)、ステージア18台(260RS 16台)、シルビア17台(ヴァリエッタ9台、オーテックver.6台)などを中心に、車両388台とNMC車オーナー634人(車種別の内訳は申し込み受理数)が参加して開催された。なお、参加台数388台は過去最高となっている。
車両展示ではNMCが手がける最新ラインアップ車が多数用意され、先日開催されたジャパンモビリティショー2025での車両展示に合わせて日本市場でも2027年前半から販売を開始することがアナウンスされ、話題を集めているラージクラスSUV「パトロール」をベースにパフォーマンスアップを図った「パトロール NISMO」をNMCとして日本初公開。
このほかにも10月から受注をスタートして2026年2月のデリバリー開始を控えた新型「リーフ AUTECH」の実車展示も実施されて多くのNMC車オーナーが車両の内外装を見学していた。
「子供たちの世代までAUTECH、NISMOの両ブランドを届けていくことが自分たちの使命」だと真田社長
開会式では最初に、先代の片桐隆夫氏の後任として2025年6月からNMCの代表取締役社長兼CEOを務める真田裕氏があいさつを実施。今回で21年目の開催となったこのイベントでは、NMC側としてもユーザーと直接会話して意見交換できることが大きな開催意義となっており、さまざまな意見を遠慮なくぶつけてほしいとコメントした。
この1年で発売されたニューモデルでは、9月のマイナーチェンジで「エクストレイル」に追加されたNMC扱いの新グレード「ROCK CREEK(ロッククリーク)」が評判となっており、11月下旬の発売を前に予想を大幅に上まわる注文が寄せられていると紹介。会場内でも車両展示しているのでぜひチェックしてほしいと語った。また、10月から受注を開始した新型「リーフ」でも「リーフ AUTECH」が同時発売され、湘南の海と風の雰囲気を再現する“オーテックらしさ”を細部までこだわって造り込んでいるので、実車を見ながら説明員の解説を聞いてほしいとアピールした。
このほか、閉幕したばかりの「ジャパンモビリティショー2025」で日産自動車が世界初公開した新型「エルグランド」をベースとする「エルグランド AUTECH」を「会場で見られるよう持ってきている」と説明。集まった参加者からどよめきと拍手が起きた。
また、オーテックは1986年10月の設立から40周年を迎えることに触れ、このイベントに集まってくれたユーザーをはじめ、さまざまなパートナーとの協力にも支えられてここまで続けられてきたことに感謝しつつ、40年という歴史の重みを受け止め、この会場にもやってきているたくさんの子供たちの世代までAUTECH、そしてNISMOの両ブランドをしっかりと届けていくことが自分たちの使命だと意気込みを語った。
白バイ隊&“4ドア GT-Rパトカー”の先導でスペシャルゲスト登場
真田社長のあいさつに続いてゲストの入場パレードを実施。2024年同様に地域の所轄署である大磯警察署の協力により、白バイ2台と“4ドア GT-Rパトカー”の先導により、スペシャルゲストとしてイベントに参加したSUPER GT 2025 MOTUL AUTECH Z(#23)ドライバー 高星明誠選手、AUTECHレースアンバサダー 高岡みほさんの2人が登場。BGMも2024年と同じく、日産自動車の従業員などで構成される公認文体サークル「日産自動車吹奏楽団」による「西部警察メインテーマI」の生演奏が行なわれた。
子供たちには早い段階から目標を見つけて取り組んでほしいと高星選手
午後に実施された高星選手と高岡さんによるスペシャルトークショーは、2週間前に最終戦を終えたSUPER GTの2025年シーズンについての振り返りからスタート。
2025年シーズンからNISMOチームに移籍してGT500クラスに挑んだ高星選手だったが、シーズン前半は日産系各チームでマシンセッティングが決まらず苦戦が続き、気温が低い序盤戦は空力の助けもあってポイントを拾うことができたが、気温上昇によって苦しさが増したと説明。3戦目が終わった時点で「現状のままではまったくダメだ」とチーム全体で考えるようになり、マシンやセッティングの抜本的な見直しを行なって、中盤戦以降は戦闘力が上向きになる希望が見えてきたと語った。
シーズン折り返し後の第5戦では「NISMO」の23号車が高星選手の移籍後初となる優勝を飾り、続く第6戦でも「KONDO RACING」の24号車が優勝して反撃が始まり、シーズン最終戦でも「TEAM IMPUL」の12号車が2位、23号車が3位で表彰台に上がり、結果的にNISMOチームは日産勢最上位のクラス7位でシーズンを終えることになった。
最終戦について高星選手は、ハンデウェイトなしで行なわれるレースではトヨタ・スープラ勢に太刀打ちできないのではないかと考えていたものの、結果として善戦することができたのは1年を通してマシンを進化させ続けてくれた開発スタッフ、セッティングを突き詰めてくれたチームメンバーなどのおかげだと感謝の言葉を述べ、レギュレーションで大きな変更が認められる来シーズン向けてポジティブになれる要素だと説明。このモチベーションと勢いをキープして来年も取り組みを続けたいと展望を語った。
また、2025年シーズンは第3戦が12年ぶりのマレーシア開催となったが、高星選手は「同じSUPER GTなら国内でも海外でもあまり大きな違いは感じない」とコメント。マレーシアでは例年マレーシアのセパンサーキットでテストを行なって走り慣れていることも違和感が少ないことの要因として挙げ、セパンサーキットはSUPER GTが開催されるサーキットでも一番好きで走っていても楽しいコースだと語ったほか、マレーシアは治安もよいのでレース観戦に来てほしいとアピールした。
高岡さんは同じGT500 23号車でAmbassadeur de MOTULを務める密照幸映さんとのエピソードとして、マレーシアラウンドはレース期間が長かったことで1週間に渡り同じ部屋で寝起きすることになったことから、コンビを組むことになった当初から仲はよかったものの、それからは気兼ねなく話せる間柄になったとコメント。
この話を聞いた高星選手は、自分たちドライバーも高岡さんたちとホテルのフロアが同じで、自分たちがレースで思うような結果が出せずに落ち込んでいる状況で高岡さんたちが仲よさげにしている姿を見て「めっちゃ楽しんでるじゃん」と内心思っていたと明かして会場の笑いを誘った。
第4戦の振り返りでは、レース中に高星選手が目前を走るマシンのスピンに巻き込まれないようギリギリで回避したシーンが取り上げられ、これについて高星選手は「クラッシュを回避するようなトレーニングをしているわけではなく、速く走ることだけを訓練している」と述べつつ、神回避ができる秘訣について「痛いのが嫌だから」と冗談を交えたあと、「SUPER GTでは1レースで2人が乗るので、自分がクラッシュしてしまうと相棒がドライブする機会を奪ってしまう。独りよがりで攻めすぎてはいけないのがSUPER GTというレースなので、安全マージンをみんなが考えているんじゃないか」「順位も守らなきゃいけないし、クルマのコンディションも守らなきゃいけない」とSUPER GTの難しさについて語った。
会場を歩いて気になったクルマがあったか問われた高星選手は、初代エルグランドのライダー仕様について言及。高星選手の父親がこのクルマに乗っていて、子供のころはエルグランドのラゲッジスペースにレーシングカートを載せてサーキットまで通っており、20年以上ぶりに見て懐かしい記憶が蘇ったとコメント。一方、司会者が古くなったモデルを維持しながら大切に乗り続けているオーナーの存在はありがたいと口にしたところで、高星選手は「新車も買ってください」とメーカー側に立ったリクエストを参加者に投げかけて場を盛り上げた。
また、来場している子供たちに向けたメッセージとして、高星選手は「小さいころから何かに興味を持つことがとても大事だと思っていて、小さいときは自分がなりたいものを感じるのは難しいことですが、そういったものをどれだけ早い段階で考えられるかが人生が大きく変わっていくと思います。それに向けて努力し始める年齢が早いほど目標にたどり着ける可能性も上がると思う。ただ、見つけるためにはいろいろな経験をする必要があって、そこにはお父さんやお母さんに手伝ってもらって、いち早くなりたいものを見つけてほしいなと願っています」とコメント。自分が子供のころにレーシングカートに触れてレーシングドライバーになりたいと考え、早い段階から目標に向けて取り組んできたことで現在があると述べ、子供たちにも何か目標を見つけて取り組んでほしいと語った。
NMCエンジニアトークショー
2024年開催で好評だったことを受け、NMCで車両開発に携わる現役エンジニアがゲスト出演する「NMCエンジニアトークショー」を今年も実施。前回も登壇した髙澤氏と成富氏に加え、新たにNMC車の内外装デザインを手がけているカスタマイズデザイン部 デザインマネージャーの山本健司氏も出席して3人をゲストに実施された。
3人のなかで唯一新卒採用でオーテックジャパン(当時)に入社して現在に至る成富氏は、「一番好きな日産車は何ですか?」との質問に対して「スカイライン」と回答。スカイラインに憧れたことがオーテック入社の志望理由となっており、そこからエンジン設計などを経験して、2003年の全日本GT選手権でチャンピオンを獲得した「ザナヴィ NISMO GT-R」に搭載されたエンジン(VQ30DETT)も担当。開発作業はとても大変だったものの、憧れのスカイラインのレース用エンジンということで非常にモチベーションが高く、感無量だったとふり返るほか、近年では「スカイライン NISMO」も担当して心血を注いでおり、会場に足を運んだスカイライン NISMOオーナーと会話して「よいクルマです」という言葉を聞き、なによりの喜びでエネルギーになったと語った。
デザイナーの山本氏は「人生の最後に乗りたいクルマ」という質問に対し、まずは自身が日産自動車所属時代に手がけた4代目「マーチ」(K13型)をもう1度手に入れて乗ってみたいということに加え、デザイナーとして長年憧れているクルマであるロールス・ロイスの「ファントム」の名前を挙げた。デザイナーはラインを引くことが仕事で、ファントムは大きなボディサイズで側面に長いボディパネルを持ち、ここに長く続くカーブを描いていることを紹介。非常に長い時間をかけて車両後方に向かって曲がり落ちていくカーブがとてもかっこよく、見とれてしまうものだと説明し、ファントムが走ってくると立ち止まって見惚れてしまい、魂が奪われたような状態になると述べ、「(ファントムを手に入れたら)ローダウンさせてオラついて乗りたいですね」と会場の笑いを誘った。
動的性能の評価を担当している髙澤氏は、「ソロ活動とチームプレイのどちらが好きですか?」という質問に答え、どちらかと言えばソロ活動の方が好きだが、クルマの開発は絶対に1人ではできないのでチームプレイを大切にしているとコメント。チームプレイにもいろいろな種類があり、このイベント会場にも日ごろからお付き合いのあるヤマハ発動機やカヤバといったサプライヤーが協賛企業として出展しているおり、「餅は餅屋」という言葉にもあるように、サプライヤー企業では各製品ごとに自分たちよりも深いノウハウを持っていると説明。製品化に向けて仕様を決める場合にはサプライヤーの担当者もチームとして力を合わせてもらっており「ソロでやりたいけどチームじゃなきゃできない」と協力の大切さを語った。
新型「エルグランド AUTECH」を来場者の目だけに公開!?
開会式で真田社長が「会場で見られるよう持ってきている」と言及した新型エルグランド AUTECHだが、その実態はHMD(ヘッドマウントディスプレイ)に表示した新型エルグランド AUTECHのCGムービーを見学するというもの。高速道路のような状況で新型エルグランド AUTECHが走行する1分ほどのCGムービーで、AUTECH仕様となった新型エルグランドの外観を楽しむことができた。「CGは撮影厳禁!」という残念な状況だったが、体験した来場者からは「かっこいい!」といったリアクションが聞かれた。
多彩な新旧NMC車を展示
【お詫びと訂正】記事初出時、密照幸映さんの肩書きに誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。








































































































































