ニュース
オーテックオーナーズグループ湘南里帰りミーティング2023、寄贈された「ザガートステルビオ」の展示や「パトロールニスモ」日本初公開も
2023年10月10日 18:09
- 2023年10月7日 開催
10月初旬の連休初日となった10月7日に、日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)は神奈川県の大磯ロングビーチにて「オーテックオーナーズグループ 湘南里帰りミーティング2023」を開催した。
「オーテックオーナーズグループ 湘南里帰りミーティング」とはNMCのクルマを愛用しているユーザーを対象にしたオーナーミーティング。略してAOG湘南里帰りミーティングと呼ばれる。
初回は2004年に開催されていて、そのときの参加者は100名を少し越えたところだったが、年々参加者が増え、2023年は参加者数が743名、車両数は377台の参加となっている。なお、現在は自動車メーカーが主催する同様のイベントはほかにも開催されているが、「湘南里帰りミーティング」はそのはしりとも言えるものということだ。
朝10時から開始されたAOG湘南里帰りミーティングの模様を紹介していこう。
開会式ではNMCの代表取締役社長兼最高経営責任者の片桐隆夫氏によるあいさつがあった。片桐氏は「本日はオーテックオーナーズグループ湘南里帰りミーティングにご参加いただきまして本当にありがとうございます。このイベントは今回で16回目と言う長きにわたって開催できております。これほど長く続けてこられたのもオーナーの皆さまのおかげということで感謝を申し上げたいと思います。さて、このように長くやっているイベントではさまざまなエピソードがありますが、私どもNMCの今年の新入社員に子どものころ、親御さんに連れられてAOG湘南里帰りミーティングに参加したことが入社の動機になったものがいます。会社とお客さまの距離が近いと感じたことがその理由とのことですが、これはイベントを続けてきた私どもにとってうれしいことでありました。“長くやっているといろいろいいことがあるな”と改めて感じたことでもありました。そしてこれからも続けていきたいとも思うものでもあります」とあいさつをした。
片桐氏は続けて「本日はNMCからもいろいろなクルマを持ってきましたが、そのなかで2台を紹介させていただきます。まずはスカイラインNISMOです。オーテックとNISMOが合併してNMCとして再スタートを切ったわけですが、NMCが総力を挙げて送り出すクルマの第一弾がスカイラインNISMOになります。茅ヶ崎にあるオーテックの事業所で企画と開発、エンジンは鶴見にあるニスモの事業所が開発しました。そしてクルマとしての仕上げは栃木のテストコースの実験部隊が行なうというNMCの総力を挙げて作ったクルマとなります。そしてもう1台はオーテックザガート ステルビオです。こちらは私どものルーツとも言えるカスタム車両になります。このクルマは1991年に宮城県にお住まいのお客さまが新車で購入したものです。大切に乗っていただいていましたが、東日本大震災にて発生した津波で海水に水没してしまいました。しかし、オーナーさまは手放すことなくエンジンルームや内装のクリーニングを行ない大切に保管されていたクルマですが、維持していくのが困難になってきたと言うことから、私どもに寄贈のお話がありました。オーナーさまからは“部品取りでもなんでもいいので、このクルマがなんらかのカタチで後世に残してほしい”というお申し出でした。そしてわれわれはその気持ちを謹んで受けさせていただきました。そして本日はオーナーさまの気持ちとともにAOG湘南里帰りミーティングに里帰りをさせました。こちらのクルマもぜひご覧いただきたいと思います」と見どころを紹介した。
AOG湘南里帰りミーティングの会では参加車両は車種ごとにわけて駐めるようになっているので、初めて会うオーナー同士の交流がしやすい環境になっていた。今回最も多かった車種はノート。ついでマーチ、そしてセレナという順でこの3車種で全体の約3分の1を締めるほどだった。また、広い会場は参加者の車両を囲うようにNMCの車両や協賛メーカーブース、飲食のキッチンカーが配置されていた。
海外市場向けのカスタマイズ仕様車も展示
AOG湘南里帰りミーティングでは国内で販売されているNMC車両のほかにも海外市場向けの車両が2車種展示されていた。どちらも日本で公開されるのは初めてのため、参加者からの注目度は高いものだった。そこでここからはNMCが展示した海外向けモデルについて紹介していこう。
まずは中近東向けの「PATROL NISMO」。ベースは海外市場向け大型SUVのPATROL。仕様はGT-RやスカイラインNISMOと同じくエンジニアによる手組みの「巧エンジン」が搭載される。
排気量は5.6リッター、V型8気筒のガソリンエンジンで、ノーマルパワーは約400PSだが、精密組み付けとECUデータの最適化によって428psとなっている。吸排気パーツやカム、圧縮比を変えずにこれだけのパワーを上げているのは(純正としての信頼性も持ちながら)大きな魅力だ。
外装、内装も標準車とは差別化されていてNISMO製エアロパーツが装着される。さらにサスペンションも専用セッティングのビルシュタイン製ショックアブソーバーとスプリングが使われている。
NMCの解説によるとこちらのモデルは中東の王族や富裕層向けに用意したグレードということ。当初は500台の生産予定だったが、予想以上の人気となり1500台ほど生産しているという。また、少数生産の予定だったので当初は手作業で仕上げるパーツも使っていたが、生産が間に合わないので量産化したパーツもあるそうだ。
もう1台は北米で販売されている「PATHFINDER」の特別仕様車「PATHFINDER Rock CREEK」。外装はダーク仕上げのVモーショングリルにバンパー開口部のデザイン変更。ルーフには専用品となるチューブ式のルーフラックを装備。そして専用の18インチアルミホイールにATタイヤを組む。なお、標準車はオールシーズンタイヤを履いているそうだ。
また、サスペンションはオフロードイメージにあわせてリフトアップサスペンションになっているとのこと。
内装はシート生地が専用。センター部分は滑りにくいファブリックで両サイドが革張りだ。センターコンソールやシートに「Rock CREEK」のオレンジ色の刺しゅうが入り、ステアリングやシート、ダッシュパネルのステッチも同様にオレンジ色となる。
機能面では走行モードをオフロードに設定するとアラウンドビューモニター機能が立ち上がり、ボディ隅のドライバーから死角になる部分の状況(タイヤと道の状況)が確認できるよう、映像をモニターに表示するOFFLOAD AVMも装備する。
エンジンはNA(自然吸気)3.5リッター。標準車はレギュラーガソリン仕様だが、Rock CREEKはECUを変更してハイオク仕様になっている、そのため出力も若干違うそうだ。なお、ミッションはR53型と呼ばれるこのモデルから9速ATとなった(前型はCVT)。
以上がAOG湘南里帰りミーティングの主な内容だ。このAOG里帰りミーティングは来年も開催する予定なので、NMCのクルマに乗る人、これからオーテック仕様車やNISMO仕様車、マルチベッド仕様などNMCのクルマを購入予定の人は、来年を楽しみに待っていてほしい。
そのほかの展示車や催しは、写真で紹介する。