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豊田章男会長、ゴール後に「これがニュルです」とあいさつ 今後もニュル活動を続けていくと宣言

ニュルブルクリンク24時間レース 2026

最終スティントを走りきった直後、終礼にのぞむモリゾウ選手こと豊田章男会長

トラブル発生後、パワートレーン全交換で復帰。無事にチェッカーフラッグを受けた109号車 GRヤリス

 ニュルブルクリンク24時間レースは5月17日15時(現地時間、日本時間は17日22時)、ゴール時刻を迎えた。レース開始から24時間経過後、トップがチェッカーフラッグを受けた段階でレース終了となる。

 トップでゴールしたのは、Winward Racingの80号車 Mercedes-AMG Team RAVENOL。メルセデスがニュルブルクリンク24時間レースを優勝するのは2016年以来となり、10年振りの優勝となる。

チェッカーフラッグを受ける109号車 GRヤリス(2026年ニュル仕様)、110号車 GRヤリス(2025年ニュル仕様)

 このニュル24時間にトヨタ自動車とルーキーレーシングは「TOYOTA GAZOO ROOKIE Racing」(以下、TGRR)として参戦。同チームとしての参戦は2025年に続いてとなり、完走した2025年仕様からさらに進化した2026年のGRヤリスで、さらなる高みを目指していた。

 しかしながら、朝方に原因不明の前後振動が発生。部品を取り替えつつチェック走行をしなければならない状態に追い込まれ、チェック走行をしても原因が分からない状態に陥った。

エンジンやトランスミッションなどのパワートレーン、そして駆動系の全交換を行なったTGRR
作業時間の完了まで5~6時間は想定されるものを4時間で完了。チームの結束力・技術力の高さを示した

 この段階でチームは、エンジン、トランスミッション、プロペラシャフト、デフなど駆動系の全交換を決断。GAZOO Racing プレジデント高橋智也氏によると「5~6時間ほどかかる作業」とのことだったが、チームは4時間で対応。トラブル発生から約7時間後の13時過ぎにGRヤリスは走り始めた。

 ゴールは15時のため、残り時間は約90分ほど。ここで最終スティントを担ったのがモリゾウ選手ことトヨタ自動車 豊田章男会長になる。モリゾウ選手は110号車の佐々木雅弘選手とともに走行。佐々木選手が路面状況などを確認する先導走行をレーシングスピードで行ない、モリゾウ選手がフォローアップという形で最終スティントにのぞんだ。

 ニュルブルクリンク24時間レースの規定で、完走扱いになるにはトップの周回数の半分以上の周回数走行が必要になる。パワートレーン全交換という荒業を行なったTGRRは走り出した時点で周回数が足りず、その周回数を取り戻す走りも必要になっていた。

 佐々木選手とモリゾウ選手は途中で雨の強くなる中、しっかりとしたラップを刻む。雨でクラッシュするクルマもある中で、無事にゴールを迎えた。

 しかしながら、トップの80号車の周回数が156周に対して、109号車 GRヤリスの周回数は77周。わずか1周ではあるが、周回数が足りない状況となり、DNC(Did Not Classify、未完走)と、驚異的な決断でパワートレーン交換を行なったものの、完走扱いに届かなかった。

 レース後、チームテント内で終礼が行なわれた。各ドライバーがあいさつを行ない、最後にドライバー兼チームオーナーでもある豊田章男会長が締めのあいさつ。「これがニュルです」「いくら経理担当がグチグチ言おうが、それこそがニュルの原点です」と語るとともに、ニュル活動を続けていくと宣言。「お前ら最高!!」とあいさつを締めくくった。

各ドライバーによるあいさつ。左から石浦宏明選手、関谷GM、モリゾウ選手、大嶋和也選手、豊田大輔選手、佐々木雅弘選手

石浦宏明選手

 完走するのも大変なレースかなと思ってましたけど、トラブルがありながら最後チェッカーまで、モリゾウさんと佐々木さんがクルマを運んでくれて、本当に救われたなと思っております。

 メカさんたち本当に長いこと、エンジニアのみなさんもお疲れさまでした。ありがとうございました。

 ちょっと残念なところもありますけど、クルマをよくして速くしていくと新しい課題が出たり、負荷がかかってトラブルが出たりということは、今までも繰り返していいクルマにしてきたと思いますし、それは続けていかなければいけないことだと思うので、今回もこのニュルで、24時間レースに出て本当に意味がすごくあったなと思います。

 今回のことをフィードバックして、我々はすぐにまた富士24時間レースも控えてますので、クルマを改善して、どんどんいいクルマにしていきたいと。それに貢献できるようにドライバーたちも一所懸命これからも走っていきたいと思います。まずは今回みなさん、たくさんの準備と、ここまでありがとうございました。

大嶋和也選手

 みなさんお疲れさまでした。本当に悔しい24時間になってしまったと思いますが、昨年からクルマの方を本当にいろいろ変更してきて、これだけの変化の幅を持ってきたっていうのはすごいことだなと思ってますし、みなさんが本当にがんばってくれたなと、えー思ってます。

 ただただまだ、全然足りなかったということで、それぞれ反省点が一杯あると思いますので、また週明けから、みんなで一緒にビデオ見ながら話し合って、次に向けて、今回の経験を活かしていけるように、またがんばりましょう。

豊田大輔選手

 お疲れさまでした。完走したかったですけれども、残念ながら完走、難しかったかなと思います。

 今回、ニュルの洗礼を浴びさせていただいたかなと思いますし、この悔しさっていうところを、また一つのエネルギーの原動力として、今後の活動に活かしていくことができればなと思います。

 ずっとやってきた方々も、これからやる方々も、いろんな方々もいると思うのですけど、思いを一人一人託しながらがんばっていければと思います。

 みんなで活動を、もっとよくなるように願っていますし、自分も微力ながらできることは、ちょっと探してがんばっていきたいなと思います。

佐々木雅弘選手

 いつもと違う形でドライバーとして参戦させていただいて、モリゾウさんを安全に、速く、楽しく、ドライブできるような「クルマづくり」の役目をさせていただいたんですけども、最初のスティント、ちょっとモリゾウさんがスピンしてしまって、もう完全に僕のスピードコントロールが下手だったと、そういう風になってしまいました。

 本当にモリゾウさんには怖い思いをさせてしまったなと、本当に反省して、2回目は活かしてちょっとよくなったんですけども、安全にというところは達成できたかなと思います。

 110号車ですが、以前開発途中のクルマを乗らせていただいて走らせていたんですけど、かなりまた進化をしてました。

 そして今年の109号車は、まだ乗っていないのですが、もっともっと進化してるだろうなっていう予想ができるようなクルマになってます。

 また来年、みなさまがいいクルマをつくりながら、このニュルに挑戦するのを楽しみに応援しています。今日はありがとうございました。

モリゾウ選手(豊田章男会長)

 まずはありがとう、そしてご苦労さんでした。

 これがニュルだと思います。昨年、6年ぶりの復活をして、これから新たなメンバーで、新たな若手を中心にニュル活動を始めるよという宣言のもと、昨年のあんなにいい条件、続きません。

 これがニュルです。

 そういう意味では、今回で終わりなわけじゃない。昨年、続けるぞ、ニュルに戻ってきたぞという宣言を行なってから、私は70歳になっちゃいましたから。

 どこまでできるかは分かりませんが、このルーキーレーシング、GR、そしてトヨタ、ニュル活動、この活動は続けてまいります。

 いくら経理担当がグチグチ言おうが、それこそがニュルの原点です。

 (かつて)会社はお金を出してくれませんでした。それでもやったのがこのニュルの原点なんです。そしてあのときと違うのは、こんなに多くの仲間がいます。

 お前ら最高!!