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日産、2026年度第1四半期決算は前年同期に赤字だった営業利益や純利益を黒字転換
売上高2兆9642億円、営業利益779億円、当期純利益38億円
2026年8月4日 00:00
- 2026年8月3日 開催
日産自動車は8月3日、2026年度第1四半期(2026年4月1日~6月30日)の決算を発表し、オンライン配信に加えて神奈川県横浜市のグローバル本社で決算説明会を開催した。
2026年度第1四半期の売上高は前年同期(2兆7069億600万円)から9.5%増となる2兆9642億300万円、営業利益は前年同期(-791億2400万円)から黒字化して778億8900万円、営業利益率は2.6%、経常利益は前年同期(-1092億3100万円)から黒字化して490億9400万円、当期純利益は前年同期(-1157億5800万円)から黒字化して37億6100万円。また、グローバル販売台数は前年同期(70万7000台)から6000台減の70万1000台となった。
売上高2兆9642億円、営業利益779億円、当期純利益38億円で主要財務指標をすべて黒字化
決算説明会では日産自動車 CFO(最高財務責任者)のジョージ・レオンディス氏が2026年度第1四半期の決算内容について解説。対前年同期比でほぼ同水準の70万1000台となったグローバル販売台数は、グローバル市場での競争が激化していること、中東情勢が不安定になっていることなどの影響を受けながらもしっかりとした結果を出すことができたと評価した。
市場別の販売状況も説明し、中国市場では新エネルギー車の販売が好調で前年同期比7.2%増の13万台、日本市場でも新型「キックス」などの新型車が好評を得て販売回復の兆しが見えはじめ、同1.3%増の8万8000台となった。
北米市場では同4.2%増の32万8000台で、とくに米国は「ローグ」「パスファインダー」「フロンティア」といったモデルが販売を牽引して同9.6%増の24万3000台を販売している。一方、欧州市場は競争の激化や商品ラインアップ適正化などの影響を受け、同14.6%減の6万4000台、その他市場は中東情勢の悪化が主な原因となって同16.8%減の9万1000台にそれぞれ減少している。
前年同期比で見た営業利益の増減要因としては、「原材料」の235億円と「インフレーション」の140億円が減益要因となっているものの、「為替変動」で350億円、「関税影響」で183億円、「販売パフォーマンス」で237億円、「モノづくりコスト」で816億円などの増益要因が積み重なり、前年度の赤字から778億8900万円の黒字に転換している。
2026年度の通期見通しは期初発表から変更なし
2026年度の通期見通しは、第1四半期の販売台数がほぼ横ばい状態で推移したことに加え、中国市場の全体需要減と中東情勢の混乱が続くとの見通しからグローバル販売台数と生産台数を期初発表の数値からそれぞれ15万台下方修正。一方で主要財務指標については期初発表の内容を据え置きとしている。
固定費と変動費で合計600億円をコスト改善
また、決算説明会では日産自動車 社長兼最高経営責任者 イヴァン・エスピノーサ氏もプレゼンテーションを実施。冒頭で7月28日に発生した令和8年熊本地震に触れ、犠牲になった人に対する哀悼の意を表し、被災者に対して心からお見舞い申し上げるとコメント。さらに、厳しい状況下でも不屈の精神と献身的な取り組みで力を尽くしている日産のスタッフ、パートナー企業などの関係者に心から感謝すると述べた。
本題として経営再建計画として取り組んでいる「Re:Nissan」の進捗状況を説明し、取り組みには弾みがついており、目に見えるコスト改善が進んでいるほか、重点市場に置ける販売も勢いが増していると強調。一方で業界を取り巻く複数の大きな課題に直面しており、「日産は断固たる対策を通じ、より柔軟で機敏な競争力の高い事業基盤の構築を図っている」と語った。
具体的な活動内容では、販売とコスト改善の効果について解説。まず、販売では米国や日本をはじめとする複数の重点市場でブランド力の向上とお客さま対応強化に向けた取り組みが成果を上げ、米国では引き続き小売販売が好調で、販売台数が対前年で9%以上伸びていると紹介した。
販売増を牽引したのは米国生産モデルで、「パスファインダー」は32%の台数増で四半期として過去最高の販売を実現。米国で40年に渡って販売してきたモデルとしてはまさに快挙だとアピールした。さらにピックアップトラックの「フロンティア」が35%増、「ローグ」も39%近く増加しおり、年後半には日産独自のハイブリッドパワートレーンであるe-POWERを搭載した「ローグ e-POWER」の発売も予定されているとした。
インフィニティブランドでも「QX80」が第1四半期として過去最高の販売を達成したほか、販売がスタートした新型「QX65 SUV」が新たなユーザーを手に入れているという。
日本市場では商品ラインアップとマーケティング活動の強化を進め、2026年度第1四半期は販売台数が前年から1%増加。軽スーパーハイトワゴンの新型「ルークス」は販売が52%伸びているほか、6月に発売した新型「キックス e-POWER」は1万1000台を超える受注があり、7月に発売した新型「エルグランド」も好調な滑り出しで8000台以上のオーダーが寄せられているという。
一方、従来から日産の重要市場である、自動車業界全体にとっても転換点となっている中国市場については、2026年度上期の全体需要が前年から22%減少。市況が急速に変化しながら競争は激化していると説明した。
しかし、日産では販売が比較的堅調に推移しており、2026年度第1四半期は販売台数が対前年比で7.2%増加。新たに市場投入した新エネルギー車の「Nシリーズ」が販売をけん引しているという。中国市場では新エネルギー車への移行がさらに加速しており、日産では複数の新型車を投入して足場を固めつつ、新エネルギー車へのシフトを加速させてチャンスを掴み取っていくことを計画。「N6」「N7」「NX8」「フロンティアプロ」といった新エネルギー車ラインアップが中国市場での販売を勢いづけるほか、7月からは中国からの輸出事業も始めて、他の仕向け地での拡販を図っていく。
このほか、中東における先行き不透明な状況も課題の1つとして解説。中東市場では日産車の需要が依然として堅調を維持しているものの、物流やサプライチェーンの寸断に直面。日産では複数の代替ルートを確立して影響の一部を打ち消しているものの、代替ルートの利用に伴う物流費の上昇、現在も続く地政学的な不確実性により、サプライチェーンが正常化されるまでは収益性を押し下げる環境が続くと見込んでいる。
コスト改善では第1四半期に活動がさらに進み、固定費と変動費で合計600億円を改善。「開発の平均労務費単価の20%改善」を目指す取り組みでは、予定より3四半期前倒しで目標を達成。経費管理の徹底で固定費削減も順調に進んでいるという。
変動費については「大部屋活動」で生み出した改善案を実行に移す段階となり、取引先を含めて全社を挙げて活動を推進。2025年度の1年間で実現した固定費と変動費による2550億円の改善を含め、これまでに累計で約3150億円の改善を果たしており、2026年度末までに固定費と変動費を合わせて5000億円を削減する目標の達成に向けて順調に進んでいると述べた。
最後にエスピノーサ社長は「Re:NISSANによる最大の変化は、当社の課題への即応性と市場の変化に対する迅速な適応力です。私は日々強い決意をもって取り組んでくれている世界中の日産の従業員の姿に力をもらっています。重点市場における成長を支え、日産車をお求めの中東のお客さまに対応し、事業全体の競争力向上を図るなど、日産はあらゆる活動を通じて通期目標の達成に向けて日々取り組んでおります」とコメントしてプレゼンテーションを締めくくった。













