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三菱自動車、デザイン思想「格・鍛・純」を具現化した新型「パジェロ」の開発秘話を渡辺誠二デザイン本部長が明かす
2026年9月22日 07:00
三菱自動車工業は、9月2日に世界初公開した新型「パジェロ」の事前説明会にて、デザイン本部 部長の渡辺誠二氏によるデザイン戦略のプレゼンテーションを実施。デザイン思想「格・単・純」の落とし込みや、2006年の4代目登場から20年ぶりとなる5代目新型パジェロの開発秘話を明かした。
「トライトン」派生モデル計画から「パジェロ」への方針転換
渡辺氏はプレゼンテーションの冒頭、開発当初のエピソードを披露。もともとはピックアップトラックの「トライトン」をベースとした派生モデルPPV(ピックアップ・パッセンジャー・ビークル)としてプロジェクトがスタートし、名前もパジェロではなかったことを明かした。
しかし開発が進むにつれ、社員1人ひとりの「三菱の象徴となる本物のSUVを作りたい」という熱い想いが社内ムーブメントへと拡大。開発途中で大がかりな方向転換を行ない、「パジェロ」として世に送り出すことが決定したという。この一連の流れについて渡辺氏は、「こっくりさん現象だと思っている」と語り、プロジェクトに関わる人間の熱意が、自然とパジェロを生み出す方向へと進んでいったと説明。
三菱自動車は、2023年3月に策定した中期経営計画「Challenge 2025」で、「環境×安全・安心・快適技術に支えられた信頼感によって、冒険心を呼び覚ます、心豊かなモビリティ」を提供すると提唱しており、渡辺氏は、「冒険心を呼び覚ますというワードは突然出てきたわけではなく、2020年ごろから社内で考えられていた」と述べた。
また渡辺氏は、「パジェロという名前が決まってからの開発エネルギーはすさまじいものがありました。エンジニアリング陣も伝統あるブランドの継承者として強い誇りを持ち、そのエネルギーが新型パジェロを作り上げた」と当時を振り返った。
三菱自動車のデザインの本質を表す「格・鍛・純」
続いて渡辺氏は、三菱自動車のデザイン思想「格・鍛・純(かく・たん・じゅん)」について言及した。
格は、人格や風格、格式を意味し、「フロントフェイスに宿る自信や大胆さ、寛容さ」、そのクルマが持つ個性(パーソナリティ)を表現。高い技術力に裏打ちされた圧倒的な性能が乗る人に余裕を与え、いかなる困難にも挑む勇猛さと寛容さを示し、自信をもってより先へと進もうとする勇敢さを芽生えさせる。さらに、未来に起こりうる困難を予見する鋭いまなざし、その困難に挑む勇敢な表情、それさえも楽しめる余裕を感じさせる態度を表現しているという。
三菱自動車では車種ごとに個性を設定しており、アウトランダーは「威風堂々」、トライトンは「勇猛果敢」、デリカミニはやんちゃ坊主感のある「無我夢中」という言葉で表現。そして新型パジェロは、剣道の面越しに見える沈着冷静さや武道の精神性をイメージした「泰然自若」をテーマに掲げている。
鍛は、「動きに宿る運動神経のよさ」を表現。高い走破性、動力性能を示す力強さ、たくましさなど、アスリートのような頼もしさをクルマを通じて提示。身体能力の高さを備えるプロポーションをつくりあげることから始まり、S-AWCに代表される車両運動制御技術のパフォーマンスや、四隅のタイヤがしっかりと大地に踏ん張った力強く安定感のあるプロポーション、パワフルで筋肉質な塊感あるボディ造形で「鍛」を体現している。
純は、「魂に宿る無駄のない本物感」を表現。厳選されたテーマをシンプルに表現することで、象徴的でメッセージの強いデザインを提供しつつ、無駄な要素を排除し、作り手の意図がストレートに伝わるシンプルな造形美を追求。研ぎ澄まされた機能美がそこにあり、本物を追求したかたちには意味が生まれ、どこから見てもひと目で「三菱のクルマ」と分かるアイコニックさと、先進テクノロジーの分かりやすい表現を両立させている。
20年の技術蓄積を結集した「独創的な進化」
最後に渡辺氏は、1983年の初代パジェロ誕生からの歴史を振り返りつつ、5代目となる新型パジェロの進化を「独創進化」と定義した。
1983年の初代、1991年の2代目(スーパーセレクト4WD採用)、1999年の3代目、そして2006年の4代目とコンスタントに世代を重ねてきたパジェロだが、4代目から現在までは20年という歳月が経過している。
そのことについて渡辺氏は、「この20年間、冒険を豊かにするというわれわれの方向性は全くぶれておらず、エンジニアリング技術の進化は絶えることなく続いてきました。世界に名をはせるオフローダーが数多く存在する中で、他車とは違う“日本のパジェロ”、“三菱のパジェロ”としての独自性とアイコニックさを追求した結果が、今回の独創進化だと私は定義しています」と締めくくった。

















