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三菱自動車、10月1日予約スタートの新型「パジェロ」の特徴をチーフプロダクトスペシャリスト板垣邦俊氏が詳説

2026年10月1日 予約注文開始
10月1日からいよいよ予約注文が開始される新型「パジェロ」

新中長期ビジョンを具現化するフラグシップ。パジェロシリーズ展開の第1弾

 三菱自動車工業は、9月2日に世界初公開した新型「パジェロ」の事前説明会で、商品企画を担当するチーフプロダクトスペシャリストの板垣邦俊氏によるプレゼンテーションを行なった。

 新型パジェロは、三菱自動車が掲げる新中長期ビジョンを具現化するフラグシップモデルの第1弾。国内市場では2006年の4代目登場以来、実に20年ぶりのフルモデルチェンジとなり、「どんな路面や天候でも誰しもが安全・安心・快適に、自信を持って楽しめる走り」を届けるべく開発が進められてきた。

三菱自動車工業株式会社 商品戦略本部 チーフ・プロダクト・スペシャリストの板垣邦俊氏

 登壇した板垣氏は、冒頭で新中長期ビジョンにおける新型パジェロの位置づけについて言及。「激化するグローバル市場において存在感のある企業として勝ち抜いていくため、ブランドを軸にした成長戦略と、競争力強化に向けた構造改革を両輪として、持続的成長を目指す」と述べた。

 新型パジェロは、その中長期ビジョンを具体化する製品ラインアップの第1弾であり、「今後は新型パジェロを皮切りに『パジェロシリーズ』を順次グローバル展開していく」と説明した。

新中長期ビジョンを具現化するフラグシップモデルとして登場する新型「パジェロ」

 続けて板垣氏は、「われわれ商品企画担当として非常に大切にしているのが『三菱自動車らしさ』の価値で、三菱自動車の強みである悪路走破性、耐久性、環境性能といった技術・商品特徴をベースにしながら、地域ごとに最適な価値提供を行なっていくことこそが三菱自動車らしさの本質である」と強調。

三菱自動車らしさの価値の概念

 さらに、1982年に誕生した初代パジェロからの歴史についても回顧。当時は特殊な車両と位置づけられていた本格4WDを、乗用車感覚で扱える多目的4WDというまったく新しいコンセプトで世に送り出し、クロスカントリーSUVブームを牽引してきた経緯を振り返った。

初代パジェロは当時まったく新しい多目的4WD(クロカン車)として登場した

 また板垣氏は、「悪路走破性、耐久信頼性、そして快適性を高次元で両立するという基本コンセプトを、それぞれの時代に合わせて進化させてきたのがパジェロの歴史であり、パジェロはいつの時代も三菱自動車らしさを最も具現化したモデルで、われわれのDNAそのもの。お客さまとの絆を深めてきた特別な存在です」とパジェロの存在価値を説明した。

パジェロの歴史

商品コンセプト「ファーストクラス・アンド・オールランダー・カリスマ」

 続いて、新型パジェロが投入される市場環境についての分析が示された。三菱自動車の社内データによると、パジェロが属するオフロードSUVカテゴリーの需要はグローバル全体で着実に伸長し続けているという。

 近年では新たなブランドの参入も相次ぎ、モデル数が大幅に増加。選択肢が広がったことでユーザーの目が厳しくなり、車両に対する先進性や品質感への期待が高まっているという。さらに、近年のアウトドアレジャー人気の高まりに加え、日常における悪天候や予期せぬ路面環境への備えから、安心感や信頼性の高いクルマへの価値評価が再認識されているとのこと。

オフロードSUVの市場は右肩上がりで成長している

 こうした市場背景を踏まえ、5代目となる新型パジェロでは、伝統の基本コンセプトである「悪路走破性」「耐久信頼性」「快適性」をさらに研ぎ澄ますとともに、現代が求める先進性と上質さを融合。ブランドを牽引するフラグシップとして開発された。

 商品コンセプトは「ファーストクラス&オールランダー・カリスマ」で、ファーストクラスのような満ち足りた上質な時間と安心感を持ちながら、どんな場所でも発揮される卓越した走行性能と信頼性、フラグシップとして人を引きつける存在感といった商品価値を備えつつ、「継承と革新」をテーマに掲げ、高い質感と圧倒的な走破性、そして愛着の湧く上質さを目指して開発を行なったという。

パジェロのポジショニングの変遷

信頼感のある専用設計ラダーフレームと新世代2.4リッタークリーンディーゼル

 商品特徴の第1の柱として挙げたのが「信頼感(Confidence)」で、世界中のあらゆる過酷な路面や使用環境に耐えうる基本構造として、新型パジェロにはラダーフレーム構造を採用した。

トライトンの骨格をベースに専用設計が施された新世代ラダーフレーム

 フレームのベース構造にはピックアップトラック「トライトン」で刷新された新世代フレームを使用しているが、単にショートホイールベース化するにとどまらず、パジェロ専用の開発を実施。専用クロスメンバーの追加や構造変更、サイドメンバーの断面拡大などを施すことで、耐久性、ねじり剛性、曲げ剛性を大幅に向上させている。

耐久性、ねじり剛性、曲げ剛性を大幅に向上させて悪路走破性を向上している

 サスペンション形式は、フロントに横剛性の高いハイマウント・ダブルウィッシュボーン(専用チューニング)を採用。リアにはトライトンとは異なる専用開発の「5リンク・リジッドサスペンション」を新採用した。これにより優れた悪路走破性はもちろんのこと、路面の凹凸をしなやかにいなし、フラット感に満ちた上質な乗り心地を実現している。

リアには専用開発となる5リンク・リジッドサスペンションを採用

 開発で特に注力したのが、三菱自動車が独自指標として策定した「悪路快適性」という概念。単に悪路を走り切る(走破する)だけでなく、乗員が安心・心地よく快適に移動できることを追求。乗車するユーザーの姿を開発陣全員でイメージしながら徹底的に作り込まれたという。

 パワートレーンには、新世代の2.4リッタークリーンディーゼルエンジン「4N16」を搭載。厳しい排出ガス規制に対応しながら、ワイドレンジのシングルVGT(可変容量型ターボチャージャー)を採用することで、リニアでレスポンスの良好な加速フィールを両立。先代パジェロと比較してダウンサイジングを果たしながら出力・トルクともに向上しており、トライトンと比較してもトルクがさらに引き上げられている。

新世代の2.4リッタークリーンディーゼルエンジン「4N16」を搭載

 組み合わせるトランスミッションは新世代の「8速AT」となり、ギヤ比の幅(レシオカバレッジ)をワイド化することで、発進時のパワフルな力強さと、高速巡航時の静粛性・燃費向上を高次元で両立させた。

 また、信頼感を支える中核技術として、同社最高峰の車両運動統合制御システム「S-AWC(スーパー・オール・ホイール・コントロール)」を搭載。S-AWCは、前後駆動配分を担う4WD機構、左右の駆動配分および旋回方向を制御する「AYC(アクティブ・ヨー・コントロール)」、そして「ブレーキ制御」の3つを統合制御するシステム。

 長年のモータースポーツや研究で培われた制御ロジックにより、路面状況が激変してもドライバーが意識することなく自然に追従し、「誰もが運転がうまくなったように自然に走れる」という“意のままの走り”を実現する。また、4WDシステムには「スーパーセレクト4WD-II」を採用した。

トルク配分やブレーキを統合制御する四輪制御技術「S-AWC」を搭載
4WDシステムには「スーパーセレクト4WD-II」を採用

 さらに、路面状況に合わせて選択できる「7つのドライブモード」を用意。4WD制御、パワートレーン、AYC、ステアリングアシスト、トラクションコントロールの5つのパラメーターを最適に統合制御し、あらゆる悪天候や過酷な路面で絶大なる安心感をもたらすという。

路面状況に合わせて選択可能な7つのドライブモードを設定

 パッケージングも専用設計が徹底されており、ピックアップ派生SUV(PPV)ではフロントまわりの構造をベース車からそのままキャリーオーバーすることが一般的だが、新型パジェロでは専用のアイコン変更に伴い、1列目着座位置の変更やステアリング位置の最適化を実施。ワイドな視界(見切り感)と車両感覚の把握しやすさを実現した。また、堂々たる大型ボディでありながら、最小回転半径は「5.8m」に抑えられており、取り回しのよさも高水準で維持している。

高い着座位置としたことで、見晴らしがよくなっている

居住性の追求と「ダイナミックサウンド ヤマハ アルティメイト」の装備

 商品特徴の第2の柱が「快適性(Comfort)」で、プロポーションの美しさと広い室内空間を高次元で両立させるため、トライトンと比較してAピラーの角度を大きく立て、フロントドア構造を変更してドアガラスを立てる専用ボディ設計を採用している。

 室内空間は、足下配置や室内形状の最適化によりクラス最高レベルの居住性を確保。2列目シートには「150mmのロングスライド機構」と「タンブル機構」を両立して搭載し、さまざまなシートアレンジや3列目への優れた乗降性を実現した。

 一般的に窮屈になりがちな3列目シートも、足入れ性やフロア形状の工夫により、体育座りにならず自然な体勢で着座できるよう設計。座面位置を高めに設定し、窓配置も工夫することで、開放感のある見晴らしと圧迫感の少ない居住空間を作り上げている。

1列目から3列目までクラストップレベルの共住性を確保している

 快適装備としては、運転席・助手席・後席をそれぞれで独立した温度設定が可能な「3ゾーン独立温度コントロール式フルオートエアコン」や「電動パノラマサンルーフ」も用意。さらにオーディオシステムには、ヤマハと共同開発した「ダイナミックサウンド ヤマハ アルティメット」を採用。まるでアーティストが目の前で演奏しているかのような圧倒的な臨場感とクリアな音質を提供し、ドライブの感動を高める空間演出を可能としている。

「3ゾーン独立温度コントロール式フルオートエアコン」や「電動パノラマサンルーフ」を用意
ダイナミックサウンド ヤマハ アルティメイトを搭載

徹底された遮音構造と現代に蘇る「3連マルチメーター」

 特徴の第3の柱が「上質さ(Prestige)」で、フラグシップにふさわしい静粛性と手触り感、製品クオリティが徹底的に追求されている。

 遮音性能は「自然に会話ができる室内空間」を開発テーマに設定。フロントウィンドウシールドに加え、前後のドアガラスにも「遮音ガラス」を採用した。さらにトリム内部の防音材を最適配置することで、走行中であっても車外の喧騒から切り離されたかのような高い静粛性を実現。すべての座席で大声を出さずに自然な会話が楽しめる室内環境を完成させた。

静粛性を極め、上質な素材で包み込まれた新型パジェロのインテリア

 インテリアの質感でも、触感の設計、スイッチ類の操作感、グローブボックスが開くスピードにいたるまで、細部のニュアンスを1つひとつ検証して作り込みが行なわれた。ダッシュボードには、メーター用とセンターディスプレイ用にそれぞれ「14.3インチ」の画面を配した「モノリスパネル」を採用。14.3インチのスマートフォン連携ナビゲーションには、時間帯の経過に合わせて背景の壁紙が自然に変化する「ライブバックグラウンド機能」を搭載し、時間の移ろいを感じさせる先進的な演出が施された。

14.3インチの画面を2枚並べた「モノリスパネル」と先進的なインフォテインメントシステムを搭載

 そして、ヘリテージの継承として注目なのが「マルチメーター」の搭載。初代および2代目パジェロでアイコンとなっていたインパネ中央の「3連メーター(高度計・傾斜計・コンパスなど)」を、14.3インチの液晶デジタル表示として現代風に進化させて復刻。過酷な環境下でもひと目で車両状態を把握できる機能を備え、ドライバーの自信ある運転をサポートする。

初代・2代目の歴史を継承し、現代のデジタル技術で蘇った「3連マルチメーター」を現代版としてデジタルで再現

本質を受け継ぎ、フラグシップへと進化を遂げた新型パジェロ

 最後に板垣氏は、「新型パジェロは、初代から一貫して受け継がれてきた本質をしっかりと継承しながら、現代のお客さまにふさわしい形へと上質に進化を遂げました。名前や見た目といったわかりやすい部分だけでなく、見て、触れて、実際に運転して感じるすべての領域で『やっぱりパジェロだよね』と実感していただける仕上がりになっています。開発・企画陣が徹底的に議論を重ねて作り上げたこのパジェロを、これからの時代を切り拓くパジェロとして、自信を持ってお届けしたい」と思いを述べた。

 なお、新型パジェロは10月1日より、予約注文が開始される。気になる人はぜひディーラーへ足を運んでみていただきたい。