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ダンロップ、“長持ちする低燃費タイヤ”「エナセーブ EC203」発表会
転がり抵抗性能を「AA」に引き上げ、ライフ性能を進化
(2013/12/2 21:48)
ダンロップ(住友ゴム工業)は12月2日、スタンダード低燃費タイヤ「エナセーブ EC203(イーシーニーマルサン)」を2014年2月に発売すると発表。発表日に、エナセーブ EC203の説明会を都内で開催した。
エナセーブ EC203は、EC202の後継製品となる低燃費タイヤ。転がり抵抗を12%低減し、ラベリング制度の転がり抵抗性能を「A」から「AA」に引き上げた。ウェットグリップ性能は、据え置きの「c」。ダンロップは、昨日閉幕した東京モーターショー2013で、100%石油外天然資減タイヤ「エナセーブ 100」に続くエナセーブ第2世代製品と位置づけている。第2世代エナセーブの特徴となるのが“ロングライフ”で、発表会においてはハート型の「ロングライフ低燃費タイヤ」ロゴの説明などが行われた。
進化したエナセーブはロングライフを手に入れる
発表会では、エナセーブ EC203の技術面から説明が行われた。住友ゴム工業 取締役 常務執行役員 タイヤ技術本部長 西実氏は、自動車販売のトレンドから解説。環境性能に優れるエコカーの普及が進み、軽自動車やハイブリッドなど次世代自動車の保有台数が順調に増えているという。ダンロップが販売する夏タイヤの8割以上が低燃費タイヤとなっており、低燃費タイヤであることは当たり前の性能になったとし、ユーザー調査を実施。軽・コンパクトユーザーも、セダン・ミニバンユーザーも“長持ちする”が、低燃費タイヤに加わって欲しい性能の第1位となっており、エナセーブ EC203は、そうしたユーザーの声に真摯に応えたタイヤだという。
低燃費タイヤとして転がり抵抗をより低減するために投入したテクノロジーが「新マルチ変性SBR」と、タイヤのサイドウォール部のゴムに「末端変性ポリマー」を用いたこと。新マルチ変性SBRは、前世代のEC202で用いられていた「マルチ変性SBR」から、タイヤ材料開発技術「4D NANO DESIGN」によって変性基の位置・種類を最適化することで、ポリマーが変性基経由でシリカと効率よく結合するようにしたもの。これにより、ポリマーの不要な発熱が抑制され転がり抵抗の低減につながっている。
これまでの転がり抵抗低減の取り組みは、主にトレッド面のゴムを改善することに注力していたが、EC203ではサイドウォール部のゴムに末端変性ポリマーを採用して転がり抵抗を低減。転がり抵抗低減の寄与率が低い個所にも手を入れてきた。また、近年のダンロップタイヤで用いられている真円プロファイルを採用し、トレッドパターンとともにタイヤ剛性の適正化が図られている。
とくにトレッドパターンについては、軽・コンパクトカー用のタイヤ(タイヤ幅175以下)を4リブに、それ以外を5リブにすることで、クルマの大きさ(荷重)に応じた剛性バランスを構築。ロングライフ化を実現する耐摩耗性能を向上している。このサイズ別適正化により、175以下のタイヤでは耐摩耗性能が17%向上、175より幅広サイズでは9%向上している。
ロングライフ低燃費タイヤという価値
この新しいエナセーブ EC203のコミュニケーション戦略については、住友ゴム工業 常務執行役員 ダンロップタイヤ営業本部長 山本悟氏が説明。山本氏はこれまでを振り返り、エナセーブが低燃費タイヤの代名詞に育ったことが、ダンロップのブランド価値の向上につながっているとし、販売本数についてもカー用品量販店上位2社で3年連続No.1を獲得した。
その上で、これからのエナセーブの価値(新ベネフィット)は「低燃費+ロングライフ」であり、それをユーザーにしっかり伝えていくことが必要という。そのため、ロングライフ性能を持っていることを知ってもらえるようにハート型の“ロングライフ低燃費タイヤ”マークをデザイン。ロングライフという価値は、低燃費と同様環境負荷を下げることにつながり、安全と環境をしっかり守る強さとやさしさをハートで表現したという。
ダンロップは、エナセーブの売り上げの一部を、タイやインドネシアでのマングローブの植樹活動に供している。すでに発表されているが、日本でもユネスコと共同で同様な活動を行っていくほか、地域密着の店頭キャラバンとして「エコキャンプ」を実施していくことが紹介された。このエコキャンプは、販売店の店頭で環境について学習する「エコ学級」などを行うもので、山本氏は「よりよい社会の実現に取り組んでいきたい。より親近感を持っていただくブランドとして『エナセーブ』を知らしめる活動に取り組んでいきたい」と語った。
その後、EC203のCM制作を行ったクリエイティブディレクターの箭内道彦氏と山本氏のトークショーを実施。EC203のCMにも登場すると言う福山雅治さんとの制作エピソードが紹介された。