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ヤマト運輸、冷蔵/冷凍スペースを変更可能な「クール宅急便」新型車両を公開
クール宅急便荷物を常温保管した問題に対応するため開発
(2014/4/24 15:20)
ヤマト運輸は4月22日、「クール宅急便」向けの新型車両を公開した。新型車両は荷物の積載量に合わせて冷蔵/冷凍庫室の大きさを変更可能で、旧型車両と比べて最大で約4倍の積載容量を誇る。開発に協力したのは北村製作所、東プレ、トヨタ車体、日本フルハーフの4社。
ヤマト運輸では、2013年11月にクール宅急便の荷物を常温で管理していた問題が発生しており、今回の車両開発はその再発防止策の一環として行われたもの。開発期間は約4カ月と急ピッチで進められた。
従来のクール宅急便車両は荷室のレイアウトが固定であり、季節ごとの積み荷の変化に対応できなかったが、これを可変式にすることで積み荷の種類に応じて柔軟に対応できるようにしたのが新型車両の特徴となっている。新型車両では車載保冷スペース内の間仕切りを取り外して冷蔵/冷凍スペースを拡大したり、荷室内の扉を開閉してスペースを確保するなど柔軟にレイアウトを変更できる。
荷物の積載容量そのものも増加しており、旧型車両の積載容量は冷蔵容積が920L、冷凍容積が800Lと、合計1720Lであったが、新型車両ではレイアウトを変更しない最小の状態でも冷蔵/冷凍ともに1662Lの合計3324Lで、従来比193%に増加。これをレイアウト変更することで、最大で冷蔵/冷凍ともに3187L、合計6374Lで、従来比371%にまで増やすことができる。
大型の集合住宅や商業施設などでは長時間エンジンを止めているケースが多く発生するため、この対策として保冷スペースに蓄冷板を搭載する車両も用意された。エンジンを切っていても庫内の温度を約8時間にわたって維持することが可能になっている。また、大口契約者向けの幹線輸送で使用している大型のコールドボックスをそのまま積載することも可能になった。
また、こうした車両では断熱材を多く使用することから車高が高くなる傾向にあるが、今回の新型車両では従来からあるドライ車両とほぼ同じ車高となっており、乗り降りしやすくドライ車両同様の作業効率を維持できるという。
冷蔵・冷凍機も性能が向上した。従来は1つの室外機に対して1つの室内機を使っていたため、冷凍/冷蔵ともに同じ室内機で温度管理を行っていたが、新型車両では1つの室外機に対して2つの室内機を搭載する形式に変更。冷凍/冷蔵で別々の温度管理が可能になった。室外機の馬力も従来の1.6馬力から3.2馬力に向上し、よりきめ細かな温度管理ができるという。
新型車両は6月末までに全国で57台を導入し、その後も順次増強していく予定だ。