試乗記

スバル「クロストレック」に乗って、スノーピークのキャンプ用品が借りられる「手ぶらCAMP」に行ってきた

SUBARUとスノーピークがコラボ

 もうずいぶん前に、筆者は2週間ほどかけて北海道をバイクで1周したことがある。そのときはたまにライダーハウスも使いつつ、ほぼ持って行った小さなテントで、あるときは湖畔で、あるときは山あいのキャンプ場で寝泊まりした。

 基本的にはそういうことが好きなほうの人間なのだが、今では手元に道具もなく、使い方もよく覚えておらず、行きたいと思いながら足が遠のいている。それでも潜在的にアウトドアを楽しみたいという思いはずっとある。

 そんな中、スバルから「クロストレックに乗って『手ぶらCAMP』をしてみませんか?」と声がかかり、喜んで引き受けた。「手ぶらCAMP」というのは、「人生に、野遊びを。」を掲げるスノーピークが直営もしくは提携するキャンプフィールドで提供している、道具を持っていない人でも手軽にキャンプ体験できるようにした画期的なサービスだ。キャンプ道具の貸し出しから、スタッフによる設営、撤収のアドバイス、キャンプ場でのおすすめの過ごし方まで全面的にサポートしてくれるという、まさに筆者と似たような境遇の人にもってこいの話ではないかと思う。

 まず2022年の夏から秋にかけての4か月間、マイスバル会員向けに、本社併設のヘッドクオーターキャンプフィールで「手ぶらCAMP」を実施したところ、想定を超える反響があったことを受けて、今年は通年で拠点を全国8か所の直営キャンプフィールドに拡大して実施する運びとなったという。

「SUBARU手ぶらCAMP By Snow Peak」は、そんなスノーピークの「手ぶらCAMP」を、1人でも多くのスバルに乗るユーザーに味わってほしいとの思いから企画されたもので、カーライフを楽しむとともに、ドライブの目的地として“野遊び”という選択肢を提供することで、より身近に自然を感じてもらいたいとの思いによる。

 さらに、それをわれわれにも味わってもらおうと用意されたのが、今回の企画だ。そこでCar Watch取材班は、アクティブマインドを後押しするクルマである「クロストレック」を駆り、長野県北部の「LAND STATION HAKUBA」(ランドステーション白馬)を目指すこととした。

今回の旅のお供となった「クロストレック Limited」

的確なアドバイスのおかげでスムーズに設営

 早朝に都内を出発し、関越自動車道~上信越自動車道を走って長野方面へ。クロストレックのよさはすでにこれまで何度か味わっているが、扱いやすい手ごろなサイズながら編集担当氏とカメラマンと計3人が乗車して、荷物と撮影機材もたっぷり積める高い利便性がありがたい。

 走りのよさにも改めて感心した。第2世代のSGPによるしっかりとした基本骨格に支えられ、サスペンションストロークをたっぷり確保した足まわりと大径タイヤが路面からの入力をうまく吸収してくれるので、いたって快適に走れる。さらには、2ピニオン式の電動パワステ採用によるスッキリとしたステアリングフィールや、より優れた直進安定性と正確な操縦性を実現したハンドンリングのよさも光る。

 高速道路をおりてしばらく一般道を走る。あらかじめ何時ごろに到着できそうかを現地のスタッフに伝えておく。目的地が徐々に近づいてワクワク感が高まってくるのもクルマ旅の醍醐味の1つだ。

 14時をメドに現地に到着しなければいけないが、だいぶ早く着いたので、まずは周辺を散策。長野オリンピックでスキージャンプ競技の会場となったことでも知られる白馬周辺は、風光明媚な景観もまた魅力で、冬場だけでなく季節を問わず海外からも多くの観光客が訪れるという。

 ランドステーション白馬は、人里離れた場所という感じではなく、JR白馬駅から八方へ向かう途中の、思ったより市街地の中にあることが意外なのだが、ひとたび敷地の中に入ってしまうと別世界だ。天気がよければ敷地内のどこからでも八方の勇壮な山々の姿を眺めることもできる。

 チェックインしてざっと説明を受けたのち、スタッフの小山さんの手ほどきのもと、テントを設営したりキャンプ道具の使い方を教わったりした。筆者らが設営したのは、正確にはテントではなくシェルターと呼ぶ、寝室とリビングのあるタイプの「ランドロック」という、なかなか見栄えも立派な、オプション含め約20万円の人気の定番商品だ。

今回はランドステーション白馬の小山さんに設営アドバイスをしていただいた。「手ぶらCAMP」のいいところは、キャンプの得意なスタッフが一緒に設営を手伝ってくれるところ。初めてでも安心してキャンプを楽しめる
スノーピークの人気アイテムとなる「ランドロック」。設営前はとてもコンパクト
小山さんに手ほどきをしてもらい、「子供にはきっといい思い出になりそう」と思いながら、着々と設営を進める

 これだけ大きなシェルターになると2人がかりでもそれなりに時間を要するが、それもまた楽しい。地盤がしっかりしているため最後のペグ打ちはけっこう苦労したものの、小山さんの的確な指導のおかげでスムーズに設営することができた。中に入ってみると期待どおり広々としていた。通気性を確保しつつも虫が入ってきにくいような工夫がされている。

完成!

 また、貸し出されるシュラフの下に敷くためのマットにバルブが付いていて、収納袋でエアをラクに注入できてクッションをたっぷり確保できることにも驚いた。今回のサイトは地面が平らだったが、これならゴツゴツした場所でも快適に寝られそうだ。その他のもろもろも含め、筆者が知っている時代と比べてイマドキのキャンプ用品がものすごく進化していることに感心せずにいられなかった。

クロストレックのよさを再確認

 一段落したところで、夕食の前に入浴することに。店内に24時間使えるシャワーもあるのだが、すぐとなりにある「みみずくの湯」という温泉施設サービス券がもらえたので、もちろん使わない手はない。入浴すると、本当に肌がツルツルする系の本格的な強アルカリ泉質であることにビックリ。露天風呂もあって、八方尾根を背景に白馬三山の眺めを楽しむこともできた。

 夕食にはバーベキューが用意される。大自然の中で食す味は格別だ。日中は東京と変わらないほどの暑さだったが、標高が高いので、夜になると一気に涼しくなって過ごしやすかった。

夕食はバーベキュー。メニューはキャンプフィールドごとに異なるので、事前にご確認いただきたい。豚肉、おいしかったなぁ
バーベキューのあとは、焚き火で焼きマシュマロ!

 翌朝は店内にあるスターバックスのメニューから選んだ朝食をいただいたのち、帰路につく。青木湖や木崎湖を眺めつつ国道を南下して長野自動車道の安曇野インターチェンジを目指し、中央自動車道ルートで都内に向かう。

朝食はスターバックスのコーヒーとフード。キャンプサイトへ持って行くこともできるし、店頭のテラスで山々を見ながらいただくこともできる

 クロストレックは市街地での取り回しがよいことに加えて、広角単眼カメラの採用によって認識性能を大幅に向上させた新世代アイサイトは、幅広いシーンで安全運転をサポートすべく、一般道やちょっとした駐車の際などにも、周囲の危険をこれまでにも増して的確に知らせてくれるよう進化していることが、よりリアルワールドで長い時間をともにした今回のドライブではよく分かった。インフォテインメント系も使いやすく進化し機能が充実したのもありがたい。

 もちろん、往路でも感じたとおり、クロストレックがこうした高速道路を使った遠出の旅にも向いていることも改めてよく分かった。非日常的なひとときを楽しみ、クロストレックの真価をより深く知ることのできた、充実した2日間であった。

スバル「クロストレック」概要

クロストレック Limitedは、ボディサイズ4480×1800×1580mm(全長×全幅×全高、全高はルーフレールを含む)、ホイールベース2670mm、最小回転半径5.4mと、取り回ししやすいサイズのクロスオーバーSUV
エクステリアはクロスオーバーSUVとしての頼もしさと、ラフロードもダイナミックに走り抜けるような、身軽で躍動的なスタイリングを表現。足下の18インチアルミホイール(ダークメタリック塗装+切削光輝)には、オールシーズンタイヤとなるファルケン「ZIEX ZE001A/S」を装着
クロストレックは、最高出力107kW(145PS)/6000rpm、最大トルク188Nm(19.2kgfm)/4000rpmを発生する水平対向4気筒DOHC 2.0リッター直噴「FB20」エンジンと、最高出力10kW(13.6PS)、最大トルク65Nm(6.6kgfm)を発生する「MA1」モーターを組み合わせるハイブリッドのe-BOXERモデル。組み合わせるトランスミッションはリニアトロニックCVT
オプションの11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステムを標準装備。シートはオプションのブラックとグレーの本革(シルバーステッチ)。ステアリングヒーターとフロントシートヒーター、サンルーフもオプション装着アイテムとなる。リアにはType-AとType-CのUSB電源が設定されるが、エアコンダクトは設定されない
定員乗車時で、トノカバーまでの荷室容量は319L(VDA方式。サブトランクを含む)。3人分の荷物と撮影機材を余裕で積めて、旅のお土産もしっかり飲み込めるほどのスペースが確保されている
スバル独自のシンメトリカルAWDをベースとした本格的なSUV性能を持ち、シートの固定構造の変更や、高減衰マスチックによるルーフの共振抑制/音の収束性向上により、快適な乗り心地を実現。「スバルグローバルプラットフォーム」をさらに進化させるとともに、ボディ全体の骨格部材を強固に組み立ててから、外板パネルを溶接する「フルインナーフレーム構造」を採用することで、サスペンションやエンジンマウントが本来の機能をあますことなく発揮できるようにし、操縦安定性を向上させるとともに路面からの振動の収束性を高め、質感が高くフラットで快適な乗り心地とした
岡本幸一郎

1968年 富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報ビデオマガジンの制作、自動車専門誌の記者を経てフリーランスのモータージャーナリストとして独立。国籍も大小もカテゴリーを問わず幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもさまざまなタイプの25台の愛車を乗り継いできた。それらの経験とノウハウを活かし、またユーザー目線に立った視点を大切に、できるだけ読者の方々にとって参考になる有益な情報を提供することを身上としている。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

Photo:中野英幸