写真で見る

写真で見る スバル「レヴォーグ」(2017年大幅改良モデル)

 スバル「レヴォーグ」は、長年スバルの基幹モデルとして人気を博していた「レガシィ」の大型化に伴い、日本市場での使い勝手を考えたボディサイズを持つ国内専用ステーションワゴンとして、2013年の東京モーターショーで世界初公開されたモデルだ。

 スポーツカーとステーションワゴンという2つのカテゴリーの融合から生まれた“スポーツツアラー”という位置付けで登場したレヴォーグは、1.6リッターと2.0リッターの2種類の水平対向直噴ターボエンジンをラインアップ。スバルの誇る運転支援技術「アイサイト」は、最新のVer.3をほかのモデルに先がけて搭載し、2014年より発売が開始された。

 その後、ほかの多くのスバル車の例にもれず毎年改良を重ね、今回は環境性能や快適性の向上とともに、アイサイトには新機能「ツーリングアシスト」を採用。加えて外観ではフェイスリフトも行ない、ビッグマイナーチェンジと呼ぶにふさわしい大幅な進化を遂げた。

エクステリア

 フロントマスクは従来型のイメージを残しつつも、変更点は多岐にわたる。バンパー、グリル、ヘッドライトは全て新デザインとなり、LED化されたフォグランプも異形デザインとなった。また、従来型ではバンパー内に独立して設置されていたウインカーがヘッドライトユニットに内蔵されたことにともない、ロービームのみを受け持っていたプロジェクターヘッドライトはハイ/ロー切り替え式のLEDタイプとなり、ステアリング連動機構も加わった。また、乗り心地と舵の正確性向上のために前後ともサスペンションが変更され、「1.6GT EyeSight」「1.6GT EyeSight S-style」「1.6GT-S EyeSight」は従来より全高が10mmアップしている。

今までのイメージを踏襲しながら、フロントグリル、フロントバンパー、ヘッドライトの全てが新デザインとなった新型レヴォーグ。写真のボディカラーは新設された「ストームグレー・メタリック」で、今までのイメージカラーであった「スティールブルーグレー・メタリック」より青みが強い
リアデザインは変更なし
サイドのデザインも大きな変更はないが、「1.6GT EyeSight」「1.6GT EyeSight S-style」「1.6GT-S EyeSight」は従来より全高が10mmアップしている
外観上の変更点のほとんどがフロントマスクに集中している。グリル、バンパー、ヘッドライト、全てが新デザインとなり、従来まで独立していたウインカーはヘッドライトユニットに内蔵された。また、バンパー下部の開口部にメッキパーツが追加された
2016年に追加されたSTI Sportも、今回の変更に伴いフェイスリフトを行なった
ウインカーが内蔵されたヘッドライトユニット。コの字型の車幅灯のLEDが従来型より増えている
フォグランプが異形タイプに変更され、その直上にあったウインカーはヘッドライトユニットに内蔵された
新デザインの18インチアルミホイール(2.0GT-S EyeSight)
新デザインの18インチアルミホイール(1.6GT EyeSight S-Style)
STI Sportの18インチアルミホイールは変更なし
バンパー下部の開口部にメッキパーツが追加された
新デザインのヘキサゴングリル(写真は1.6GT EyeSight S-Style)
リアのテールランプまわりは変わらず、従来型と同じくバックフォグは右側
ハイマウントストップランプ
2.0GT-S EyeSightのマフラー
STI SportのマフラーにはSTIのイニシャルが入る

インテリア

見える部分だけでなく、見えない部分にも変更が行なわれた新型レヴォーグ

 エクステリア同様にインテリアも従来型のイメージを踏襲しながら、その細部の変更は多岐に渡る。クローム調加飾のデザインが変わり、ナビは8インチモニターに対応。インパネのセンターに位置するMFD(マルチファンクションディスプレイ)は5.9インチに大型化して画質も向上した。シート形状に変更点はないが、フロントシートヒーターが本革シートだけでなくファブリック/トリコットシートでも選択できるようになった。また、後席はダンパー付きの4:2:4分割可倒シートとなり、使い勝手が向上している。

 なお、今回の大幅改良でドアガラスの板厚は前後ともに3.5mmから4.0mmに、リアゲートガラスは2.8mmから3.5mmに変更。フロントウィンドウには遮音中間膜を採用し、インパネ先端には制振材、荷室まわりには吸音材、ピラー各部には防音材を追加するなど、室内の静粛性向上のため見えない部分にも多くの変更を行なっている。

運転席シートポジションメモリー機能付き本革シートは全てフロントシートヒーターが装着される
スイッチ類
ファブリック/トリコットシートでも、メーカーオプションの「コールドウェザーパック」を選択すればフロントシートヒーターが選択できるようになった
リアシートのリクライニング機構は従来どおり
センターアームレストにはベルトが追加され、使い勝手が向上した
ステアリングの加飾をブラックに統一
電動パーキングブレーキのスイッチまわりや、後席のアームレストに内蔵されたカップホルダーまわりのデザインをブラックと金属調の縁取りに変更された
従来型のシルバー加飾
スイッチパネルまわりの加飾を艶のあるブラックに変更
ドアグリップの形状が刷新され、握りやすくなった
ステアリングに装着されているスイッチのレイアウトに変更はないが、右手側の操作スイッチでは左上のイラストがステアリングのアイコンに変更されている
従来型は車線と自動車のイラスト
ディーラーオプションで装着できるナビのディスプレイが8インチに拡大され、機能も大幅に向上した。こちらの写真はパナソニック製ビルトインナビ
ケンウッド 彩速ナビの8インチモデル
エアコンのコントロールパネルは水平基調のデザインに変更された
左はフロント、右はリアのUSBポート。どちらも電力供給のみでナビとのデータ通信は行なわない
従来型の7インチナビとエアコンのコントロールパネル

リアシートが4:2:4分割可倒式となって使い勝手が向上したカーゴルーム

 スバルでは初採用となる4:2:4分割可倒式リアシートによってシートアレンジの幅が広がり、長尺物を積みながら無理なく4名乗車が可能となった。

4:2:4分割可倒式リアシートの採用によってカーゴルームのアレンジの幅が広がった
奥が浅底、手前が深底の大容量のサブトランクは従来どおり
トノカバーとカーゴルームランプに変更はない
カーゴルームランプのON/OFFはランプ自体を押し込んで行なう
カーゴルームからリアシートを倒すことができるリアシートフォールディングスイッチ(左)と、引き出し式のカーゴサイドフック(右)
標準装備されるパンク補修キット

進化したMFD(マルチファンクションディスプレイ)

 レヴォーグはメーター内に表示されるマルチインフォメーションディスプレイと、ダッシュボード上に設置されるMFDでドライバーに車両の各種情報を伝える。今回からMFDは5.9インチに拡大され、画質向上と多機能化が行なわれている。なお、写真は停止中の表示のみ掲載している。

メーター内のマルチインフォメーションディスプレイは、運転に必要不可欠な情報をシンプルに表示する。写真は2.0リッターモデルのもの
5.9インチに拡大されたMFDは走行に必要な情報のほか、車両メンテナンス情報や各種設定など多くの情報を表示。今回の大幅改良からナビゲーションユニットのGPS情報と同期した時計表示となるので、ナビとMFDの時計の表示時刻がずれなくなった
MFDの各種表示

外部カメラで情報収集して死角を極力なくそうとする安全技術

数々の安全装備のコントロールパネルともいえるMFD

 フロントウィンドウの内側に設置するステレオカメラで得た情報を元に制御を行なうアイサイトの基本メカニズムはもちろん、外部カメラと大型化されたMFDを活用して、ドライバーの死角を極力減らす装備も大幅に進化した。

「EyeSightアシストモニター」の設定画面
車両後方の接近車両を検知する「スバルリヤビークルディテクション」の設定画面
「ハイビームアシスト」の設定画面
フロントグリルに設置されたフロントカメラで前方の死角をMFDに映す「フロントビューモニター」
ドアミラーに内蔵されたサイドカメラで死角を捉える「サイドビューモニター」。MFDにはフロントビューとの同時表示が可能

 また、今まで物理的な制約でどうしても避けられなかった後方の死角を、全面液晶のルームミラーに映して死角を大幅に減らす「スマートリヤビューミラー」を新採用。この装備によって後席乗員や積載物に後方視界を遮られることなく後方確認が可能となった。カメラはリアゲートガラス内側上部のワイパー払拭エリア内に設置されているので、雨天時の後方視界も確保される。

新装備「スマートリヤビューミラー」
リアシート3名乗車時には、従来のルームミラーだと後方視界が妨げられてしまう
リアカメラからの映像を表示するスマートリヤビューミラーだと後方視界を確保できる
バックドアの上部にカメラを設置している
リアカメラの角度は室内で映像を確認しながら調整可能だ
通常のルームミラーでは死角で見えないエリアも、スマートリヤビューミラーでは調整次第で確認できる。中央の写真は通常のルームミラーを使用した場合で、右の写真はスマートリヤビューミラーを使用した場合
後退時に障害物と衝突の可能性がある場合、回避操作を行なわないと自動ブレーキが作動する「後退時自動ブレーキシステム」を新しく搭載
リアバンパーに設置されたソナーセンサー
アイサイトの目となるフロントのステレオカメラ。中央部の単眼カメラはハイビームアシスト用
視界確保の向上のためルームミラー上部のデザインを変更している
「オートビークルホールド(AVH)」は、停車時にブレーキペダルから足を離しても停止状態を保持する機能
レギュラーガソリン仕様の水平対向4気筒DOHC 1.6リッター直噴ターボエンジン「FB16」。実用燃費を向上させたというFB16エンジンのJC08モード燃費は16.0km/Lで、従来型の17.6km/Lから大幅に下がっている。アイドリングストップ機構を備えるのは1.6リッターモデルのみだ
プレミアムガソリン仕様の水平対向4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボエンジン「FB20」。JC08モード燃費は従来型と変わらず13.2km/L。アイドリングストップ機構はつかない
今回の大幅改良でいわゆる“D型”となり、全車速追従機能付クルーズコントロールの設定速度の上限は135km/hに引き上げられた