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写真で見る 日産「デイズ」「デイズ ハイウェイスター」(2019年フルモデルチェンジ)
安全性、快適性の向上と「加速」「荷室」「小物入れ」の改善も
2019年3月28日 10:00
日産自動車「デイズ」「デイズ ハイウェイスター」は、ハイトワゴンタイプの軽自動車。2013年に発売された初代モデルは日産と三菱自動車工業によるジョイントベンチャー「NMKV」が手がけた第1弾で、累計約43万台を販売する好調なスタートを切っている。
約6年振りとなるフルモデルチェンジにおいてもNMKVが企画と開発マネジメントを手がけつつ、日産が企画・開発を行なったという。この2代目ではユーザーの使用目的が通勤や通学といった移動手段から、趣味やレジャー用途に変化してきていることから、長距離移動時の安全性、快適性の向上などに注力。同時に要望の多かった「加速」「荷室」「小物入れ」の改善も果たすべく開発が行なわれた。こうした高い目標をクリアしつつ妥協のない万能型商品を目指した結果、プラットフォームをはじめエンジン、CVT、電子デバイスなどコンポーネントを一新することになった。
まず、新型のプラットフォームでは室内空間およびラゲッジスペースを最大限に確保すべく、ホイールベースを従来より65mm延長して2495mmに設定。同時にエンジンルームも縮小することで後席のニールームを70mm拡大し、上級セダン「フーガ」並みのスペースを確保。同時に前席においても肩まわりと足下のスペースを拡大し、居住性をアップしている。ラゲッジスペースに関しても奥行きを135mmも延長し、後席を最後方にセットした状態でも18Lの灯油タンク2個を積み込むことを可能としている。
パワートレーンはエンジンとCVTを一新するとともに、新たにリチウムイオンバッテリーを使用する「S-HYBRID(スマートシンプルハイブリッド)」を採用した。エンジンは自然吸気とインタークーラーターボの2タイプが用意され、デイズは自然吸気のみの設定となり、ハイウェイスターには両者が用意される。ハイウェイスターにのみ搭載されるS-HYBRIDは、「セレナ」に搭載される同システムが鉛バッテリーを2個使うタイプだったのに対し、1つをリチウムイオンバッテリーに変更。同時にモーターも小型の「SM21」とすることで軽自動車への搭載を可能としたほか、同等の出力を確保しつつ回生量を約2倍にすることでアシストの時間と量をアップさせている。
自然吸気エンジンは直列3気筒DOHC 0.66リッターの「BR06」「BR06-SM21」ユニットで、最高出力38kW(52PS)/6400rpm、最大トルク60Nm(6.1kgfm)/3600rpm。従来より最大15%ものトルクアップを実現しており、発進加速を大幅に向上させている。一方のターボエンジンは、最高出力を47kW(64PS)/5600rpmとしつつ、最大トルクは100Nm(10.2kgfm)/2400-4000rpmと幅広い回転域で発生。S-HYBRID用モーターのスペックは最高出力2.0kW(2.7PS)/1200rpm、最大トルク40Nm(4.1kgfm)/100rpmとなっている。
組み合わされるトランスミッションは全モデルで新開発のCVTを搭載。このCVTは軽自動車初となる「Dステップ制御」とすることで、ダイレクト感のある加速を実現。さらに燃費や静粛性を向上する技術を採用することで、走りの質を高めている。駆動方式は、いずれのモデルも2WD(FF)とフルタイム4WDが選択できる。
燃費はデイズのWLTCモードが21.2km/L、市街地モード18.6km/L、郊外モード22.3km/L、高速道路モード21.7km/L(すべて2WD車、以下同)。ハイウェイスターの自然吸気エンジン車は順に21.2km/L、16.9km/L、23.0km/L、22.6km/Lと、スペック上は郊外~高速道路でS-HYBRIDの効果が現れている。ターボモデルは順に19.2km/L、16.0km/L、20.6km/L、20.1km/Lとなる。
機能面で注目したいのが、ハイウェイスターに設定される自動運転技術「プロパイロット」だ。これは先行して搭載しているセレナや「リーフ」と同様に、単眼カメラと画像処理技術を組み合わせたもので、軽自動車では初採用となるもの。設定した速度を維持するとともに、車線中央を走行するようにステアリング操作をサポートするほか、渋滞時は車間距離の制御をはじめ自動停止、停止状態の保持まで行なってくれる。
このほか、衝突回避および被害軽減をサポートする「エマージェンシーブレーキ」、車線逸脱警報「LDW」、車線逸脱防止支援システム「インテリジェント LI」、踏み間違いによる急発進を抑制するとともにブレーキにより衝突被害軽減を行なう「踏み間違い衝突防止アシスト」などを装備。さらに手動または自動で緊急通報を行なう「SOSコール」も軽自動車として初搭載(オプション)するなど、充実した先進安全機能を備えている。
デイズ
バリエーションの中ではスタンダードモデルに位置付けられるデイズ。エクステリアはロングホイールベースを活かしたカタマリ感のあるフォルムを採用するとともに、フロントには日産車のアイデンティティとなる「V-Motion」グリルを採用するなど精度感を高めているのが特徴。インテリアはアイボリーを基調としたカラーを採用することで、明るくファッショナブルな空間とした。
グレードは「S」と「X」の2モデルで、価格は順に127万3320円、132万5160円。4WDモデルは13万1760円高となる。
ボディカラーはモノトーンのみで、Sは「ホワイト」など3色、Xは「プレミアムサンシャインオレンジ」「ブロッサムピンク」など華やかなカラーも用意され、計10色から選択できる。
デイズ ハイウェイスター
デイズ ハイウェイスターはスタイリッシュ&スポーティモデルとなる位置付け。「V-Motion」グリルは大型化するとともに精緻なディティールを採用。上下2段式7眼LEDヘッドライトとのコンビネーションにより、印象的なフロントマスクを作り上げている。インテリアはブラックを基調にブルーのアクセントカラーを採用。オプションでブラック×ブラウンのコンビネーションカラーも用意される。
グレードは「ハイウェイスターX」「ハイウェイスターX プロパイロットエディション」「ハイウェイスターG ターボ」「ハイウェイスターG ターボ プロパイロットエディション」の4モデル。価格は順に146万9880円、156万7080円、154万9800円、164万7000円。4WDモデルは13万1760円高となる。
ボディカラーは「ホワイトパール/プレミアムサンシャインオレンジ」など4パターンの2トーンカラーを設定するほか、専用色となる「プレミアムパープル」「チタニウムグレー」などモノトーンも7色用意される。