写真で見る

写真で見る 日産「デイズ」「デイズ ハイウェイスター」(2019年フルモデルチェンジ)

安全性、快適性の向上と「加速」「荷室」「小物入れ」の改善も

新型デイズ ハイウェイスター(左)とデイズ

 日産自動車「デイズ」「デイズ ハイウェイスター」は、ハイトワゴンタイプの軽自動車。2013年に発売された初代モデルは日産と三菱自動車工業によるジョイントベンチャー「NMKV」が手がけた第1弾で、累計約43万台を販売する好調なスタートを切っている。

 約6年振りとなるフルモデルチェンジにおいてもNMKVが企画と開発マネジメントを手がけつつ、日産が企画・開発を行なったという。この2代目ではユーザーの使用目的が通勤や通学といった移動手段から、趣味やレジャー用途に変化してきていることから、長距離移動時の安全性、快適性の向上などに注力。同時に要望の多かった「加速」「荷室」「小物入れ」の改善も果たすべく開発が行なわれた。こうした高い目標をクリアしつつ妥協のない万能型商品を目指した結果、プラットフォームをはじめエンジン、CVT、電子デバイスなどコンポーネントを一新することになった。

 まず、新型のプラットフォームでは室内空間およびラゲッジスペースを最大限に確保すべく、ホイールベースを従来より65mm延長して2495mmに設定。同時にエンジンルームも縮小することで後席のニールームを70mm拡大し、上級セダン「フーガ」並みのスペースを確保。同時に前席においても肩まわりと足下のスペースを拡大し、居住性をアップしている。ラゲッジスペースに関しても奥行きを135mmも延長し、後席を最後方にセットした状態でも18Lの灯油タンク2個を積み込むことを可能としている。

 パワートレーンはエンジンとCVTを一新するとともに、新たにリチウムイオンバッテリーを使用する「S-HYBRID(スマートシンプルハイブリッド)」を採用した。エンジンは自然吸気とインタークーラーターボの2タイプが用意され、デイズは自然吸気のみの設定となり、ハイウェイスターには両者が用意される。ハイウェイスターにのみ搭載されるS-HYBRIDは、「セレナ」に搭載される同システムが鉛バッテリーを2個使うタイプだったのに対し、1つをリチウムイオンバッテリーに変更。同時にモーターも小型の「SM21」とすることで軽自動車への搭載を可能としたほか、同等の出力を確保しつつ回生量を約2倍にすることでアシストの時間と量をアップさせている。

 自然吸気エンジンは直列3気筒DOHC 0.66リッターの「BR06」「BR06-SM21」ユニットで、最高出力38kW(52PS)/6400rpm、最大トルク60Nm(6.1kgfm)/3600rpm。従来より最大15%ものトルクアップを実現しており、発進加速を大幅に向上させている。一方のターボエンジンは、最高出力を47kW(64PS)/5600rpmとしつつ、最大トルクは100Nm(10.2kgfm)/2400-4000rpmと幅広い回転域で発生。S-HYBRID用モーターのスペックは最高出力2.0kW(2.7PS)/1200rpm、最大トルク40Nm(4.1kgfm)/100rpmとなっている。

 組み合わされるトランスミッションは全モデルで新開発のCVTを搭載。このCVTは軽自動車初となる「Dステップ制御」とすることで、ダイレクト感のある加速を実現。さらに燃費や静粛性を向上する技術を採用することで、走りの質を高めている。駆動方式は、いずれのモデルも2WD(FF)とフルタイム4WDが選択できる。

 燃費はデイズのWLTCモードが21.2km/L、市街地モード18.6km/L、郊外モード22.3km/L、高速道路モード21.7km/L(すべて2WD車、以下同)。ハイウェイスターの自然吸気エンジン車は順に21.2km/L、16.9km/L、23.0km/L、22.6km/Lと、スペック上は郊外~高速道路でS-HYBRIDの効果が現れている。ターボモデルは順に19.2km/L、16.0km/L、20.6km/L、20.1km/Lとなる。

 機能面で注目したいのが、ハイウェイスターに設定される自動運転技術「プロパイロット」だ。これは先行して搭載しているセレナや「リーフ」と同様に、単眼カメラと画像処理技術を組み合わせたもので、軽自動車では初採用となるもの。設定した速度を維持するとともに、車線中央を走行するようにステアリング操作をサポートするほか、渋滞時は車間距離の制御をはじめ自動停止、停止状態の保持まで行なってくれる。

 このほか、衝突回避および被害軽減をサポートする「エマージェンシーブレーキ」、車線逸脱警報「LDW」、車線逸脱防止支援システム「インテリジェント LI」、踏み間違いによる急発進を抑制するとともにブレーキにより衝突被害軽減を行なう「踏み間違い衝突防止アシスト」などを装備。さらに手動または自動で緊急通報を行なう「SOSコール」も軽自動車として初搭載(オプション)するなど、充実した先進安全機能を備えている。

デイズ

デイズX。ボディカラーはソーダブルー

 バリエーションの中ではスタンダードモデルに位置付けられるデイズ。エクステリアはロングホイールベースを活かしたカタマリ感のあるフォルムを採用するとともに、フロントには日産車のアイデンティティとなる「V-Motion」グリルを採用するなど精度感を高めているのが特徴。インテリアはアイボリーを基調としたカラーを採用することで、明るくファッショナブルな空間とした。

 グレードは「S」と「X」の2モデルで、価格は順に127万3320円、132万5160円。4WDモデルは13万1760円高となる。

 ボディカラーはモノトーンのみで、Sは「ホワイト」など3色、Xは「プレミアムサンシャインオレンジ」「ブロッサムピンク」など華やかなカラーも用意され、計10色から選択できる。

初代のイメージを残しつつもV-Motionグリル化により精悍なイメージをプラス
ウィンドウ上部に単眼カメラを装着。ただしプロパイロットの設定はない
ヘッドライトはハロゲンタイプ
リアコンビランプにもL字型のブーメランシグネチャーを採用
エンジンは自然吸気のみ。スペックは最高出力38kW(52PS)/6400rpm、最大トルク60Nm(6.1kgm)/3600rpm
撮影車両の足下はアルミホイールと155/65 R14タイヤの組み合わせ
インパネはメイン部をアイボリーとすることでワイド感を強調
ステアリングは日産車共通の意匠
ブルーのアクセントを配した2眼タイプのメーター。中央にマルチインフォメーションディスプレイが付く
エアコンは静電タッチパネルを採用。風量は表示部をタッチすることで直接変更できる
ペダルまわり。ブレーキペダルは女性でも踏み込みやすい構造に改められた。パーキングブレーキは足踏み式
ステアリングコラム右側のスイッチ群
ステッチの下に立体的なテクスチャーを配置
助手席側のカップホルダーとインパネ中央まで伸びるセンタートレイ。収納が多いのも新型の特徴だ
ティッシュボックスの収納に便利なスライドボックス
スライドボックスの下にはグローブボックスも用意
インパネ中央下部のセンターロアボックス
センターカップホルダー
カップホルダーを収納するとトレイとしても使える
ステアリングコラム下側にも収納がある
フロントシートは上級セダン「ティアナ」などに採用されている「ゼログラビティシート」を採用して疲労を軽減。中央にはアームレストを装備
シート表皮はソファー調の模様をプリントしてカジュアルなイメージに仕上げられている
助手席のドアトリム。参照頻度の低い車検証などを収納しておくポケットが用意されている
リアシートを最後部までスライドさせるとかなりの広さを確保できる
リアシートを最後部までスライドさせた状態のラゲッジスペース
リアシートを最前部までスライドさせた状態。スライドはショルダー部のレバーでカンタンに行なえる
シートアレンジのバリエーション
ラゲッジ下部にはサブスペースも。2WD車の場合は54Lもの容量がある

デイズ ハイウェイスター

撮影車両はデイズ ハイウェイスターX プロパイロットエディション。ボディカラーはアッシュブラウン/フローズンバニラパールの2トーン

 デイズ ハイウェイスターはスタイリッシュ&スポーティモデルとなる位置付け。「V-Motion」グリルは大型化するとともに精緻なディティールを採用。上下2段式7眼LEDヘッドライトとのコンビネーションにより、印象的なフロントマスクを作り上げている。インテリアはブラックを基調にブルーのアクセントカラーを採用。オプションでブラック×ブラウンのコンビネーションカラーも用意される。

 グレードは「ハイウェイスターX」「ハイウェイスターX プロパイロットエディション」「ハイウェイスターG ターボ」「ハイウェイスターG ターボ プロパイロットエディション」の4モデル。価格は順に146万9880円、156万7080円、154万9800円、164万7000円。4WDモデルは13万1760円高となる。

 ボディカラーは「ホワイトパール/プレミアムサンシャインオレンジ」など4パターンの2トーンカラーを設定するほか、専用色となる「プレミアムパープル」「チタニウムグレー」などモノトーンも7色用意される。

ウインドウまわりがブラックアウトするため、実質的には3トーンのような印象
大型グリルとヘッドライト、独立したブーメランシグネチャーなど、ひと目でハイウェイスターと分かるフロントマスク
幾何学的な模様を描く3Dメッシュグリルを採用
シャープな顔付きを演出する上下2段式7眼LEDヘッドライト
奥行きを感じさせるブーメランシグネチャー
点灯時
リアコンビランプは周辺部をブラック化したタイプを装着
フロントウィンドウ上部に単眼カメラを装備
LEDウインカーを内蔵したドアミラー
下部にはアラウンドビューモニター用のカメラを内蔵
ルーフスポイラーを装備
ハイウェイスターとともにS-HYBRIDのバッヂが付く
マフラーはシングルタイプ
バックドアのカメラ。オープナーは右側にオフセットしている
タイヤサイズは155/65 R14
インテリアカラーはブラック基調のエボニー。アクセントカラーに深いブルーを採用
ステアリングは本革巻タイプ
右スポーク部にプロパイロットのスイッチが付く
スタートスイッチはメーターパネル左側
シフトレバーとエアコン
パーキングブレーキは電動タイプになり、シフトレバー横にスイッチが備わる
パーキングブレーキ用のペダルがなくなり足下がスッキリ
ステアリングコラム右側のスイッチ群
メーターパネルはデイズと同様
マルチインフォメーションディスプレイの表示。S-HYBRID付となるためエネルギーモニタ表示が用意される
ナビゲーションはディーラーオプションで9インチモデルが用意される
インテリジェントアラウンドビューモニターをグレード別設定。ディスプレイ付自動防眩式ミラーやオプションのナビゲーションに表示可能
軽自動車初となるSOSコールをオプション設定
サンバイザー裏にはバニティミラーを装備
インパネ上部にブルーカラーをインサート
ステッチまわりはデイズと同様の仕上げ
運転席側はエアコン吹き出し口前にカップホルダーを装備
シート表皮はブラック基調にモノグラム調のエンボス加工を施したもの
写真では分かりづらいが、「HWS(ハイウェイスター)」の文字が入っている
シート横にはリクライニングとリフターのレバーを装備
パワーウィンドウは運転席のみオート機能を装備
スピーカー部にもブーメランシグネチャー風の造形が施される
フェンダー部に吸音材をセットすることで静粛性を向上
リアシートを最後部にスライドした状態
最前部にセットするとこの位置
左右独立してリクライニングが可能
ラゲッジまわりはデイズと共通
撮影車両はハイウェイスターG ターボ プロパイロットエディション。ボディカラーはプレミアムサンシャインオレンジ
15インチアルミホイールを装着。タイヤサイズは165/55 R15
ターボエンジンのスペックは最高出力47kW(64PS)/5600rpm、最大トルクは100Nm(10.2kgfm)/2400-4000rpm
オプションのプレミアムコンビネーションインテリア。シート表皮は合皮とクロスのコンビネーションタイプ

ボレロ

撮影車両のボディカラーはブロッサムピンク/ホワイトパール

 20~30代女性をターゲットとしたオーテックジャパンによるカスタムカー。初代デイズにも2015年から設定されていたが、2代目はデビューと同時に販売開始となる。フロントグリルとリアフィニッシャーのメッキ部分がダーククロームとなるほか、ホワイトパールのドアハンドル&ドアミラー、専用14インチアルミホイール、専用カラーでコーディネートされたインテリアなど、独特の世界観を作り上げている。

 価格は2WD車が141万1560円、4WD車が154万3320円。ボディカラーは「ブロッサムピンク/ホワイトパール」の専用2トーンなど7色が用意される。