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写真で見る 三菱自動車「アウトランダーPHEV」(3代目)

2021年12月16日 発売

462万1100円~532万700円

三菱自動車の新たなフラグシップモデルとなる新型「アウトランダー」

 日本国内でのプラグインハイブリッドEV(PHEV)普及に先鞭を付けた三菱自動車工業の「アウトランダー」。セダンやハッチバックではなく、クロスオーバーSUVをベースにしたのは四輪制御技術に強みを持つ同社ならではといったところ。

 初代モデルは同社初のクロスオーバーSUVとして2001年にリリース。グローバルモデルとしてはアウトランダーの名称が使用されたが、日本国内では「エアトレック」として販売されている。先代モデルとなる2代目は2012年に発売され、翌2013年にはSUVとしては世界初となるPHEV車を追加。約8年半に及ぶモデルサイクルの中でフェイスリフトやパフォーマンス改善などを実施しつつ、日米欧豪などで約29万台を販売した。

 3代目となる新型は「威風堂堂」をコンセプトにすべてを刷新。海外ではガソリンエンジン車もラインアップされるが、この12月に日本で発売されるのはPHEVモデルだ。

 車両のベースとなるプラットフォームはルノー、日産自動車、三菱自動車のアライアンスにより新開発。エンジンルームをはじめフロアメンバー、キャビンなどに環状構造を採用することでボディ剛性、ねじり剛性を大幅に高めることで操縦安定性を向上。同時にエンジンフードをアルミ製に、フロントフェンダーを樹脂製にすることで軽量化も実現している。

 ボディサイズは4710×1860×1745mm(全長×全幅×全高。Mグレードの全高は1740mm)、ホイールベースは2705mmと大型化。フロントマスクは先代アウトランダーをはじめ「デリカD:5」「エクリプスクロス」など、まさに同社の「顔」である「ダイナミック・シールド」を新世代化して採用。ボリューム感のあるサイドビューや20インチ大径タイヤにより、重厚感のある堂々としたポロポーションへと生まれ変わった。

新型アウトランダーPHEVのボディサイズは4710×1860×1745mm(全長×全幅×全高。Mグレードの全高は1740mm)、ホイールベースは2705mm

 内装は水平基調のデザインを基本に、ソフトパッドやステッチを配置するとともに、スイッチ類にもこだわり上質感を向上。フロント&セカンドシートの居住性を向上させるとともに、SUVタイプのPHEVモデルとしては希少なサードシートを設定することで3列7人乗りを実現。サードシートは収納することでフラットな荷室へとアレンジでき、積載性への影響を最小限としているのもポイントといえる。

 パワートレーンも新世代へと進化。ガソリンエンジンは直列4気筒DOHC16バルブ 2.4リッターのMIVECエンジンを採用。各部の最適化により燃費向上とコンパクト化が図られている。スペックは最高出力98kW/5000rpm、最大トルク195Nm/4300rpm。組み合わされるモーターはフロントが最高出力60kWから85kW、最大トルク137Nmから255Nmに、リアは最高出力70kWから100kW、最大トルクは変わらず195Nmと高出力化。駆動用バッテリは引き続きリチウムイオンバッテリを採用しているが、こちらも総電圧を300Vから350V、総電力量13.8kWhから20kWhとアップしている。

 こうした性能向上によりEV走行頻度の引き上げが可能となったことで、ハイブリッド燃料消費率はWLTCモード燃費で16.2~16.6km/L、EV走行換算距離は83~87kmを実現。ガソリンタンク容量の拡大と合わせて航続可能距離を大幅に延長している。

エンジンは先代同様「4B12」型を搭載。2.4リッターの排気量はそのままに各部の最適化で発電効率の改善や燃費向上を実現

 充電方法は3タイプ用意されており、普通充電(200V/15A)では約7.5時間で満充電に、急速充電(105A以上)だと約38分で80%まで充電が可能。クルマ単独ではエンジン(停車中)を始動することで約94分で80%の充電が可能となっている。給電はAC100V(~1500W)コンセントを2か所に装備するほか、V2H(Vehicle to Home)機器を経由することで住宅への電源供給が可能。満充電&ガソリン満タンの状態なら一般住宅に約12日分の電力供給が行なえるとしており、災害時などには力強い味方になってくれそうだ。

 走行性能の面では先代譲りのツインモーター4WDをベースとした車両運動統合制御システム「S-AWC」に、新たにリア側にもブレーキAYC機能を追加。路面状況と運転状況に応じた駆動力とブレーキ制御を今まで以上にバランスよく行なうことで、ハンドリングと操縦安定性を高めている。こうした車両性能を引き出すため、シフト後方にドライブモードセレクターを用意。「NORMAL」のほか、運転スタイルで「ECO」「POWER」、路面状況で「TARMAC」「GRAVEL」「SNOW」「MUD」と、7つのモード選択を可能としている。

 最新モデルらしく運転支援も充実している。電波式レーダーとカメラを利用して先行車を追従する「レーダークルーズコントロールシステム(ACC)」のほか、車線中央の走行維持をサポートする「車線維持支援機能(LKA)」を搭載。さらに、これらを統合して高速道路走行時のドライバー負担を軽減する「MI-PILOT」を用意しており、車間距離と車線中央の走行を維持しながら、さらに道路上の速度標識や地図情報を元にして車速を自動的に調整する機能まで備わっている。

 グレードは3タイプを用意。最上級モデルとなる「P」は7人乗りのみ、ミドルモデルの「G」は7人乗りと5人乗りが選択可、ベーシックモデルの「M」は5人乗りのみの設定となる。価格は順に532万700円、499万6200円/490万4900円、462万1100円。

Pグレード

撮影車両のボディカラーはホワイトダイヤモンド×ブラックダイヤモンドの2トーン

 最上級グレードとなるのが、このPグレード。外観ではドア下部(サイドドアガーニッシュ)とフェンダーがボディ同色となるほか、Bピラーなど黒色の部分が光沢タイプになるといったあたりが特徴。装備面では3ゾーンエアコンやレザーシート、BOSEプレミアムサウンドシステムが標準となる。また、ブラック&サドル タンの内装色、ブラックの天井色はこのグレードのみとなっている。

フロントはシャープさを増した新世代ダイナミック・シールドデザイン
上部がポジション/デイタイムランニングランプとターンランプのコンビネーション、中央部がヘッドライト、下部はフォグランプになる。Mグレード以外はシーケンシャルタイプ
ドアミラーはパネル部にマウントすることで死角を減少。Pグレードはポジションメモリー&リバース連動機能付
ボディ左サイドに給油口を設置。タンク容量は先代モデルの45Lから56Lへと増加している
ボディ右サイドに充電用リッドを設定。下部にLEDインジケーターが用意されており点灯色で充電状況が分かるようになっている
リアはクロカン4駆が採用していた背面式スペアタイヤをモチーフとしたデザイン
水平基調のインパネまわりはPグレードに設定されるブラック&サドル タンと相まって上質感のある佇まい
パワースイッチはステアリングの左側に配置
本革巻きステアリングは全車標準。ヒーターも備わる
スポーク部には数多くのボタンが備わる
右にはMI-PILOTのボタンも
メーターパネルは12.3インチのフルカラー液晶を採用。アナログメーター風の表示は「クラシックモード」
スタート時のアニメーション(7秒)
こちらは「エンハンスモード」。効果音はバンダイナムコ研究所のサウンドクリエイターとの共同開発となる
Pグレードのシフトまわりはリアルアルミニウムとピアノブラックのコンビネーション
シフトノブは全車が本革巻きタイプを採用
シフト横にはEVモード切り替えとワンペダルで加減速が行なえる「イノベーティブペダルオペレーションモード」用のスイッチを配置
EVモードはノーマルのほかEV走行、セーブ、チャージを選択することが可能
シフト後方にはドライブモードセレクターを用意。中央のボタンは急斜面で自動的にブレーキ制御を行なう「ヒルディセントコントロール」のスイッチ
運転スタイルと路面状況に応じて7つのモードが選択できる
ペダルまわり
9インチWVGA(800×480ピクセル)ディスプレイを備えたスマートフォン連携ナビゲーションが全車に標準装備
Pグレードのみ3ゾーン独立温度調節が可能なフルオートエアコンを装備。そのほかのグレードは左右独立タイプになる
ステアリングコラム右側にはさまざまなボタンが並ぶ。右側にあるのはPグレードに標準装備となるヘッドアップディスプレイ用
充電用USBポートはタイプAとタイプCを装備。Mグレード以外には下のトレイにワイヤレス充電器も用意される
シートは2層ウレタン構造を採用するほか、サイドサポートの大型化やサイドサポート調の延長などにより座り心地を向上。Pグレードはブラックのセミアリニンレザーの表皮にサドル タンのステッチを組み合わせている
Pグレードは運転席&助手席パワーシートを採用。シートヒーターは全車標準装備
運転席ドアトリム。こちらも高級感のある仕上がり
アームレスト部にドアミラーとパワーウィンドウのスイッチ。パワーウィンドウはMグレードを除き全席オートタイプを採用
セカンドシートもゆったりとした形状
中央部はアームレストとしても利用可能
リアドアのドアトリム
センターコンソール後方にエアコンの吹き出し口を用意。Pグレードは後席も独立して温度調節が可能なほかシートヒーターも備わる
Mグレード以外はここにも充電用USBポートがある
最下部にはAC100Vコンセント
サードシート
サードシート収納時のラゲッジスペース。9.5インチのゴルフバッグ4つを収納可能なスペースを確保
サードシート利用時でも9.5インチのゴルフバッグ1つ程度の収納が可能なスペースがある
ラゲッジにはセカンドシートの背もたれを前倒しするためのレバーを用意。ここにもAC100Vコンセントがある
Mグレード以外は電動式のバックドアを標準装備。バンパー下部につま先をかざすだけで開閉可能なギミックも用意されている

Gグレード

 価格と装備のバランスに優れる中間グレードで、5人乗りと7人乗りが選択可能となっている。走行性能や安全装備はPグレード同様だ。

撮影車両のボディカラーはコズミックブルーマイカ。メーカーオプションのルーフレールを装着している
ボンネットはグリルの中央から開く
単眼カメラと電波式レーダーの組み合わせにより衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備を実現
ウォッシャーノズルはワイパーアーム組み込みタイプになった
ヘッドライトの点灯パターン。全車アダプティブLEDライト&LEDフォグランプの組み合わせ
リアコンビランプの点灯パターン。こちらもグレードによる差はない
GグレードとPグレードのタイヤサイズは255/45R20。2トーン切削光輝仕上げのアルミホイールとの組み合わせになる
内装色はブラックのみ。表皮は人工皮革と合成皮革のコンビネーション
ヘッドアップディスプレイはオプション
マルチアラウンドモニターを全車標準装備。左前輪&バックカメラ表示、バックカメラ表示への切り替えが可能
スマートフォン連携ナビゲーションのメニュー
情報メニュー
EV情報も見ることができる
リアルタイムにシステム出力を見ることが可能
充電のタイマー予約なども
9スピーカーのBOSEプレミアムサウンドシステムもオプションになる
このグレードにもワイヤレス充電器が標準装備される
センターコンソールの収納スペース
グローブボックス
フロント&セカンドシートのアレンジでセミフラットにすることが可能
Mグレード以外にはロールタイプのサンシェードを標準装備